「え、5分で?」EV用急速電気充填機~2020水素・燃料電池EXPO①

2020年03月12日 06:00

水素燃料電池・二次電池・スマートグリットEXPOに参加してきました。コロナウイルスの影響もあり、参加者はとても少なく閑散とした状況にあったことは間違いありません。その分、じっくり話を聞けたし、見ることも出来ました。主催者も会場入場時には、マスク着用、体温検査を実施しており、できる限りのコロナ対策をとっていました。

しかし、多くの企業の出展がキャンセルとなっており、ブース自体も歯抜け状態にあったことは間違いありません。そんな中で、僕が注目したのは、韓国の現代自動車、米国テスラエネルギー、Fomm社&ヘッドスプリング社です。

現代自動車のブースには、FCVネッソに搭載されている燃料電池、そして電車、バス等の大型モビリティ用の燃料電池(Power:95kw)が展示されていて、デザインを意識した見せ方には、学ぶべきところがあり、「カッコよい」印象を持ちました。平昌オリンピックでは現代自動車製のFCバスが送迎に使われていたそうです。日本でも日野製バスに燃料電池が塔載され、FCバスとして実際に路線バスで使われています。東京駅からビックサイト行のバスは正にFCバスとなっています。

しかし、残念ながら日本では、電車への社会実装としての塔載は、全く予定が立っていません。電車に関しては、フランス&ドイツ企業に先行されています。これも燃料電池の製造販売企業が、日本で育っていないことも原因と考えられます。現代自動車ブースに隣接してMOBISが出展していました。現代自動車系列の部品メーカーですが、燃料電池を製造していて、産業用燃料電池、非常用電源、電車、船等、幅広く利用できるように開発を続けているようです。

そして、もう1つ、EV用急速電気充填機(Power:160kw:80kw×2/Size:2.8m×1.5m×1.1m)が展示されていました。これは、内部に燃料電池が入っていて、必要な時に水素と酸素を反応させて、電気をつくり、EVに急速充填するものです。因みに水素ボンベは内蔵されていません。なんと5分で充填が終了するそうです。思わず「5分ですか?」と聞き返したほどです。急速に充填すればバッテリーが劣化してしまうはず、ならどうやって…。
まだこの充填機は実証機で、間近に開催されるEV自動車レースで、実際に使ってみるそうです。系統電源が来ていない場所で、オフグリット対応型EV充填機として使用することが出来るかもしれません。水素に関する製品は、技術開発もさることながら、利活用を考えていかないと、「水素関係者の、水素関係者による、水素関係者の為の、水素社会、水素関連製品」となってしまいます。利活用という意味でも、水素燃料電池EV充填機は、とても面白いと思うのです。

屋上に場所を移すと3つのカラーのFCVネッソが置かれていて、説明員が細かく説明してくれました。もちろん、実際に運転席に座ったりすることも出来ます。5分の水素充填で820㎞の走行可能というスペックです。欲張りと言われればそれまでですが、正直、少しの距離でもよいから実際にネッソを運転出来れば、更に良かったと思うのです。

韓国においても、水素ステーションの数は、まだ少ないし、最初に整備したものは30Mpsで、それを70Mpsに変更しています。現状、韓国でネッソを乗っている人たちは、日本でトヨタミライやホンダクラリィティを乗っている人たちと同様に、新たな社会変革を求めているのだと思うのです。

世界中に水素エネルギー社会を構築する上で、現代自動車が果たすべき役割はたくさんあります。日中韓の東アジア3国が協力することによって、需要が増大し、水素関連機材、水素その物が安価になり、利活用が広がることにつながるからです。ここでも、オープン&クローズ戦略を構築することが大切になります。エネルギーの変革は徐々であっても確実に、そして気づくと足元に迫っているという変革です。

エネルギーにも「かっこいい」って大切です~2020水素・燃料電池EXPO②に続く。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2020年3月11日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。

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福田 峰之
多摩大学客員教授、前内閣府副大臣、前衆議院議員

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