NY市がレストランなど飲食禁止措置を決定、他州も追随

2020年03月17日 11:30

カバー写真:New York National Guard/Flickr

ニューヨーク市のデブラシオ市長は15日、感染者数が700人超と全米2位の状況下、休校に加え、レストランやバーなど娯楽施設での飲食禁止措置を発表しました。対象は劇場や映画館、ライブハウス、カフェ、ナイトクラブなどを含み、17日の現地時間午前9時から、禁止措置が施行されます。クオモ州知事がNY州の深刻な患者向けの病床数3,000台のうち8割が埋まり、今後数週間が正念場になると語っていただけに、市長が言うところの「容易ではない」決断を下した格好です。

NY市からのツイート。

どうもニューヨーカーの間では、感染者数の増加を受けてレストランなどへの規制強化は予想されており、前週の週末にかけレストランや予約で埋まっていたのだとか。今後はデリバリーとテイクアウトのみの営業となりますが、土壇場で損失補填分の黒字を計上できたはずもなく、レストラン業界に暗雲が立ち込めます。

問題は、いつまで一部閉鎖を余儀なくされるのか。劇場や映画館にしてみれば営業できませんから、死活問題ですよね。デブラシオ市長は4月20日頃に正常化すると予想していますが、果たしてどうなるのでしょうか?

そのヒントを与えてくれたのは、米疫病対策センター(CDC)です。15日に公表した声明では、今後8週間にわたる50人以上の集会・イベント開催を自粛するよう要請しました。5月半ばまでこの状態が続くのであれば、店仕舞いを余儀なくされかねません。

そこで、デブラシオNY市長は苦渋の決断を下す直前にこんな救済策を発表しました。従業員が100人以下のレストランなどを含む中小企業に対し、最大7.5万ドル(約800万円)の無金利融資を提供するというではありませんか。勿論他にも条件があり、対象は飲食業界を中心としたサービス業で、新型コロナウイルス感染拡大により25%以上の減収になった実績を証明しなければなりません。返済期間は15〜20年となるようです。また、従業員5人以下の小規模企業に対しては、最大6,000ドルの補助金が支給されます。

第21回チャイナタウンでの春節祭パレードでの風景。この時、まさかNY州が全米2位の感染者を数えるとは、誰も想定していなかったことでしょう。マスクを着用している姿は、見掛けられません。(出所:Bex Walton/Flickr)

ただ、問題も残ります。救済策で繋げるかという課題に加え、トランプ大統領が6日に署名した83億ドルの新型コロナ対策費からNY州に割り当てられた3,500万ドルを充てるとして、クオモ知事が不十分と批判した通り、賄えるか不透明なのです。季節の上では春はまもなくだというのに、NY市のサービス業は厳しい冬を越えるのにまだまだ時間が掛かりそうです。

さて、全米で新型コロナ感染者数が3,000人を突破し感染拡大が止まらない状況で、NY市以外の各州・地方政府も対応を進めています。3月16日時点で、以下の通り。

●ワシントン州(感染者数1位:769人)
→3月15日、娯楽施設やジムなどの閉鎖を決定、ただしレストランなど飲食店はデリバリーとテイクアウトのみ営業が可能。50人以上のイベント開催・集会は禁止

●カリフォルニア州(感染者数3位:371人)
→3月15日、レストランに対し利用面積を半分に縮小するよう命じ、また全てのバー、パブ、ワイナリーなどの閉鎖を決定。また、65歳以上で疾患のある高齢者は自主的な隔離を要請。

●カリフォルニア州ロサンゼルス
→3月15日、娯楽施設やジムなどの閉鎖を決定。ただしレストランなど飲食店はデリバリーとテイクアウトのみの営業が可能。

●ネバダ州(感染者数31位:18人)
→3月15日、4月16日まで公立、私立含む全ての休校を決定。

●アリゾナ州(感染者数36位:12人)
→3月15日、3月27日まで公立、私立含む全ての休校を決定。

●オハイオ州(感染者数17位:37人)
→3月15日、レストランなど飲食店に対しデリバリーとテイクアウトの営業のみに限定、解除時期は状況を見て判断。

●イリノイ州(感染者数10位:93人)
→3月15日、レストランなど飲食店に対し3月16日の営業終了後から3月末までデリバリーとテイクアウトの営業のみに限定。

●マサチューセッツ州(感染者数4位:164人)
→3月15日、約3週間にわたる公立学校の休校を決定、またレストランやバーなど飲食店は3月17日から4月17日までデリバリーとテイクアウトとのみの営業に限定。その他、25人以上のイベント開催・集会を禁止

●ニューヨーク州(感染者数2位:729人)
→3月16日、トライステート(NY、ニュージャージ、コネチカット)のレストランなど飲食店の営業をデリバリーとテイクアウトに限定するよう要請。50人以上のイベント開催・集会は禁止。

●ニュージャージー州ジャージー・シティ、ホーボーケン(NJ州の感染者数9位:98人)
3月15日、レストランやバーなど飲食店に対しデリバリーとテイクアウトのみの営業に限定。さらに、午後10時から午前5時は外出禁止を発令

休校措置を決定済みの州は少なくとも、上記を合わせ3月15日時点で以下の11州

・アリゾナ
・アーカンソー
・コネチカット
・ニューハンプシャー
・メイン
・マサチューセッツ
・ミネソタ
・モンタナ
・ネバダ
・サウスカロライナ
・バーモント

その他、オハイオ州やフロリダ州、ペンシルベニア州など19州が休校措置を検討中。一連の措置が感染者増加に歯止めを掛けるのか、他州も固唾を飲んで状況を見守っているに違いありません。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年3月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

 

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