令和恐慌!そこまで言っていいんかい?

内閣府は2020年3月9日付で2020年2月時点における景気動向の調査「景気ウォッチャー調査」の結果を発表しました。

調査期間は先月2月25日から29日まで行われ、2月は指数は27.4で、前月調査から14.5ポイントと大幅ダウンでした。この大幅ダウンはどの程度かというと、下げ幅は消費税が5%から8%に上がった2014年1月の前月比15.6ポイントダウン以来、水準は2011年4月、すなわち東日本大震災の翌月の23.9以来の水準です。

消費税が上がった直後の2014年4月と言いましたが、先月は消費税が上がってません。ではなぜそこまで景況感が悪化しているのかといえば、当然ですが、新型コロナウイルスが原因です。しかしながら、去年10月には消費税が上がっており、その消費税の影響は、同じく9日に内閣府が発表した四半期ごとの国内総生産(GDP)の改定速報値で表れています。

消費税が10%に上がった10月〜12月期、これ3ヶ月ごとを四半期といいますが、この四半期のGDPは前期比で7.1%減でした。これはすごい落ち込みです。

今は3月です。ということは次の四半期、つまり1〜3月ですが、1月はどうなるのか、2月はどうなのか、3月はどうなのか、そう考えると、良いはずありません。まだ、1月単月のGDP速報値は出ていませんが、ちなみに1月の全国百貨店の売上は前年比3.1%減の4703億円で、4カ月連続マイナスです。このころは中国人の来日は制限されておらず、免税売り上げがある中で消費が落ちているわけです。

では2月を考えてみると、さっき言った景況感ですからまた落ち込むでしょう。そして今月3月は、様々な分野でどんどん自粛になっていいますので、もっと落ち込むでしょう。ということは1〜3月、つまり今四半期もダウンとなり、2四半期連続のダウンがほぼ確実だと思いますし、しかも今四半期は前期よりもっとダウン幅が大きくなるのではないでしょうか。

とにかく国内の経済活動がパタッと止まったという感じですね。飛行機も新幹線も身近な電車やバスも乗客が減っています。ですから観光業や飲食業はもちろん落ち込むでしょうし、それ以外にも連鎖していくでしょう。例えば、2001年のアメリカ同時多発テロの際は海外に行く乗客が減りました。あるいは2011年の東日本大震災のときには、国内のある一部地域、いわば東北に行く乗客が減りました。でも今回は日本全国で、移動が減っている状態です。

京都大学の藤井聡教授は「このままでは“令和恐慌”に突入することは必至」と発言していましたが、“恐慌”ってこれ大変ですよ、生きるか死ぬかという話ですが、実は私もそう考えていおり、3月1日に出演した“そこまで言って委員会NP”でも少数派でしたが、私もそう言いました。

これまで政府が発表した経済対策で融資や所得補償などを打ち出していますが、さらなる経済対策をやらざるを得ないと思います。ただし、いつ終息するかわからない状態です。いざ収束したときに、会社がなくなっているようではこれはもう手遅れですね。おかれた環境は、各社、各業界、各自でみんな違いますが、経営者は最悪に備え、働いてる人は知恵を出してなんとか持ちこたえるしかありません。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。