厚労省まさかのYouTuberデビュー⁉︎ コロナ自粛で神対応 --- 中田 智之

2020年03月20日 06:00

定期的なものではありますが、新年度より医科・歯科の診療報酬の改定が行われます。変更点については各地域の歯科医師会が主催して、担当歯科医師が厚労省からの通達をもとに診療報酬改定説明会を行うのが常となっています。

これがちょうど新型コロナウィルス対策としてほぼすべて中止となりました。

歯科医師は高齢者施設への訪問口腔ケアなども業務です。もし訪問歯科医が新型コロナウィルスに罹患した場合、高齢者・入院患者らハイリスク群と接触することになり極めて危険であり、中止の判断は妥当だと感じています。

acwork/写真AC:編集部

一方現場では事前情報ナシで4月改定に突入する可能性が現実味を帯び、不安が募っていました。

ここで最近頑張ってるよねとツイッター医師・歯科医師アカウントでも評価急上昇中の厚労省がまたも神対応!!!

まさかのYouTuberデビューで迷える現場の歯科医師にレクチャーを届けてくれました!

この内容に関してブログにして公開したところ、まさかの八幡和郎先生から

これから役所の説明会はネットだけにすればいい。

とコメント付きのシェアをしてくださったり。

同僚の歯科医師からは

厚生省 よくやった!!
次回以降もこれでいこう!!資料はあとで渡していただいて結構

2倍速聴で移動時間もなく実質30分の拘束時間でOK 神キター(/・ω・)/

などと大好評。

私も職場の空き時間で内容に関して先輩歯科医と談議しながら視聴したり、有意義に情報を受け取ることができました。私も今後も説明会はYouTube配信で良いと思います。

厚労省サイト、YouTube公式サイトより:編集部

さて、今回の歯科における変更点に関して、患者目線かつ一般開業医目線で要チェックな部分をピックアップしてみたいと思います。

保険適応でできること、できないことを患者と歯医者で共有することは、円滑な治療を進めるために非常に重要なことだと考えています。

1.上顎第一大臼歯へのCAD/CAM冠適応

CAD/CAM冠に関してはアゴラ掲載の下記の記事でご確認ください。

平たくいうとデジタル整形する非常に硬い樹脂材料で、これまで銀歯しか保険適用できなかった臼歯部での適用拡大が進んでいる新材料です。

2019年度までは小臼歯の単冠に加え、全ての第二大臼歯が機能している場合に限り下顎第一大臼歯の単冠に関して適応可能でした。

これが従来の条件に加え、全ての第二大臼歯が機能している場合に限り上顎第一大臼歯の単冠に関して適応が拡大しました。

つまり、現状小臼歯の単冠に関しては無条件で適応可能、全ての第二大臼歯が機能している場合は上下の第一大臼歯に適応可能というルールになりました。

ブリッジに関してCAD/CAM冠は適応できないのは従来通りなのでご注意ください。

第二大臼歯は従来通り銀歯しか選択肢がありませんが、ほとんど見えない部分になります。

歯を抜かずに正常歯列である場合、歯一本単独で完結する治療に関しては、見える範囲のほとんどを保険内で白い歯で治療可能と考えることもできます。

今後は「保険の銀歯:メタルカラーか、自費のセラミック:白いか」ではなく、「保険のプラスチック:変色するか、自費のセラミック:変色しづらいか」で選んでもらう時代と考えています。

今後CAD/CAMの適応拡大はさらに進むと思われます。歯科材料として歯を再生できるといった画期的な発明はないけれど、いまやほとんどの歯を保険内で金属不使用で治療できるといった程度には科学の進歩が見られる、というのは面白い見方ではないでしょうか。

2.歯周病重症化予防治療

歯周病の専門家として、個人的には画期的な制度だと思います。具体的には三か月に一度の歯石取りに対して保険点数算定が可能になります。

いままでも出来たじゃないか、という指摘はその通りですが、じつはこれまではきちんと整備されていなかった算定基準を、現場でうまく運用していたという状態でした。

ご存知のことと思いますが、歯周病はブラッシングの改善が必要で、ブラッシングを本気で改善させようと思ったら一度の来院では不可能です。

(参考)私はこうやってブラッシング指導を成功させている

例えば歯肉炎と診断したとして、歯石取りとブラッシング指導を1回の来院で行えば、歯肉の状態はある程度改善します。

しかし、ブラッシングの改善はほとんどの場合6か月持続せずに歯肉炎も含めて元に戻ってしまうことがわかっています。定期的なモチベーションアップと再発に対するチェック体制が重要なのですが、これが従来の算定基準では半永久的な継続管理というのが想定されていませんでした。

これは保険医療が確立したのが1960年代、歯周病治療の確立が1980年代、国内での歯周病治療の普及がさらにその後、と考えると仕方のないことだったと思います。

もちろん保険外で行う分にはより手厚く実施できますが、歯科医院の人件費・地代を考慮すると少なくとも一回数千円はいただくことになると思います。これは個人的には、患者にとってそこそこの出費であると感じます。

こういった継続管理の部分がきちんとルール化され、従来の制度と組み合わせることで切れ目なく、必要な処置が保険診療で可能になったというのは大きいと思います。

さすがに歯周病治療全体のルールや、SPTなどまで説明すると膨大になってしまうのでここでは言及しませんが…。

3か月に1度の来院であれば、歯肉炎あるいは歯周炎という診断の下、ある程度安心して保険適応での歯石取りを実施できると考えていいと思います。

中田 智之 歯学博士・歯周病認定医
ブログやアゴラで発信する執筆系歯医者。正しい医学知識の普及と医療デマの根絶を目指している。地域政党「あたらしい党」党員

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