香川県ゲーム依存症対策条例成立に見る、地方議会の隠ぺい体質

2020年03月21日 06:00

ネット、ゲーム依存対策条例を可決する香川県議会(NHKニュースより編集部引用)

香川県のネット・ゲーム依存症対策条例が成立した。

本条例の問題点や危険性については、これまでの論考で指摘してきたとおりであり、成立は本当に残念でならない。

さて、本条例の可決結果について調べるため、香川県議会議員それぞれの賛否を確認しようと香川県議会の公式サイトを確認したが、案の定「原案可決」とあるだけで、議員別の賛否は公開されていなかった。

地方議会の横並びの隠ぺい体質

言うまでもないことだが、選挙で投票する際、議員の仕事を判断する重要な要素に、当該議員の議会活動がある。個別の議案に対する議員の「賛成or反対」を見れば、議員のおおよその評価は可能だ。

特に、今回の「ネット・ゲーム依存症対策条例の賛否」のように、県民の関心が高く、意見が真っ二つに割れている議案であれば、議員の仕事を測るうえでとてもよい判断材料となる。

しかし、検索をかけても、思うような情報は掲載されていなかった。これは、大げさな表現ではなく、民主主義の根幹を揺るがす大きな問題だ。

「香川県議会 議決結果」で検索して出てくるのは、議案の一覧と議決結果のみ(リンクはこちら)。

「香川県議会 議案 賛否」で検索しても、めぼしい情報はヒットしない。この他いろいろな方法で調べたが、香川県議会における議員別の賛否一覧は探しきれなかった。

香川県サイトより

当たり前の話だが、地方議会ではすべての議案に対して、議員は「賛否」を表明する。その結果は、県民の代表として存在している議員全員が責任を負うべきものだ。

それを公開していない、あるいはほぼ発見できない状態を、「隠ぺい」と言わずしてなんであろう?自分たちの議会活動をやましいものと考えている議員が大多数なのだろうか?まぁ、そうなのだろう。

しかし、実は他の地方議会の状態も「五十歩百歩」ではあるのだ。

事例として、千葉県議会を見てみよう。

「千葉県議会 議決結果」の検索でヒットするのは、香川県議会とほぼ同じ「議決結果一覧」であって、議員別の賛否はない(参照リンク)。

そこで、「千葉県議会 議案 賛否」で検索すると、議案別の賛否一覧のPDFがヒットするが、当該一覧には「会派名」があるばかりで、議員の名前はない(参照リンク)。さらに、肝心の「議案名」が書かれていないため、この一覧を見た限りではいったい何に対する賛否なのかさっぱりわからない。

さらに、本当に恥ずかしいのだが、私が所属する千葉県佐倉市議会も似たようなものだ。

「佐倉市議会 議決結果」の検索でヒットするのは、やはり「議決結果一覧」であって、議員別の賛否はない(参照リンク)。

佐倉市議会の場合、議案別の議員の賛否を確認するためには、「議会だより」という議会終了から数か月遅れで発行される定期刊行物の発行を待たなければならない。

つまり、議会が正式公表する議決結果で、市民が議員の活動を判断できるのは、数か月を待たねばならないという状況だ。議会活動で、行政にICTによる業務効率化をもっともらしく訴えながら、議会はこの体たらくである。恥ずかしいでは済まされないのだが、実体はそうなってしまっている。

国民は政治家に馬鹿にされている

この状況を端的に言えば、日本国民は「民主主義の何たるかを知らない衆愚である」と、議員から馬鹿にされている状態にあると言える。何も言わずに、そっと議決してしまえば大丈夫。支持者にいい顔していれば選挙に響きはしない、といったところだ。なお、私も市議会議員である以上、その片棒を担いでいるという批判を受ける立場にある。

この記事をお読みの方も、試しにお住まいの自治体名で「●●県議会 議案 賛否」や「▲▲市議会 議員別 賛否」などでぜひ検索してみてほしい。

もし、議員別の賛否がわかりやすく公開されていないようなら、お住まいの県や市の議員は根こそぎ「国民を愚弄するダメ政治家」と烙印を押したらいかがだろうか。

そう、この指摘は私自身に跳ね返ってくる矢であることを承知で言っている。

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