中国で発生した新型コロナへの対応について(対外発信・経済対策)

2020年03月22日 06:00

ここのところ、政府においても党においても、連日中国で発生した新型コロナウィルス対応の会議が続いています。

新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリングで挨拶する安倍首相(3月20日、官邸サイトより:編集部)

外務副大臣としては、武漢からの帰国チャーターフライトの対応以降は、諸外国において日本の実情が正確に伝わらないゆえに日本人の入国や日本への渡航に関して、客観的に過剰な対応がされているケースが多くの国で見られていたので、その対応をはじめとした、情報の正確な対外発信を中心に対応を行ってきました。

一方で、外務副大臣は所管の外務省の所掌以外には権限を有していませんので、例えば今回の中国で発生した新型コロナウィルスに関する様々な感染症対策、予防措置、経済対策などについては、自民党の衆議院議員という立場でかかわることになります。

しかし、党の会議における政府側の人間のステータスは、そこでしか自分の意見を政府与党の意思決定プロセスにおいて反映する機会がない所掌外の分野であっても、ある意味微妙なものがあるのも事実です。

党の会議での発言なども、意思決定にかかわるものについては政府側の人間としてはしづらいものがありますので、どちらかというと非公式にプロセスにかかわるということになります。

その中で、いくつかここで状況や私の見解を述べさせていただきたいと思います。

まず、外務副大臣として関わる対外発信等の部分についてです。

WHO、日本政府や例えばジョンズホプキンス大学などの国際的にある程度権威を持つ組織、いずれも共通の認識としてクルーズ船内における感染者数は日本とは完全に別の扱いをしているにも関わらず、国内メディアの多くがクルーズ船の感染者数・死亡者数を根拠なく日本の数に足して報道していたために、厚生労働省HP等において政府発表の公式な数字がアクセスしにくかったこともあって、その報道が日本の数字として諸外国政府に伝わり、結果として日本人や日本が、日本より感染者数や死者数が多いフランスやスペイン、アメリカ等の国よりも厳しい渡航上の取り扱いを受けてしまっていたという実態がありました。

この点に関しては、政府のほかの部署とも連携し、内外の報道機関に数字に関して正確な報道をしてもらうべく働きかけをし、それなりの改善がみられているところです。ただし、いまだに一部の国においては、最新の状況を反映せず、日本の取り扱いが不当に厳しいものとなっている国がありますので、その働きかけを各国で行ってきているところでもあります。

また日本においては、感染拡大を「予防するために」学校の一斉休校要請などの大胆な措置がとられていますが、そのような措置が「感染状況が深刻だから」とられているのだと誤解されるリスクもありましたので、その点も意識して対外発信に努めてきました。

もちろん、ここのところ急速にヨーロッパを中心に事態が深刻化し、各国が自国民の外出禁止や渡航禁止措置を取り始めた状況なので、この点の緊急性は下がってきていますが、東京でのオリンピック・パラリンピックを控え正確な状況を国際的に理解してもらうことは依然として極めて重要ですので、引き続きの対応をしてまいります。また帰国したくても帰国できない状況になっている日本人の方々もおられますので、その支援も行っているところです。

次に、経済対策についてですが、ここは私の外務副大臣としての所管ではありませんので、私見ということになります。私自身、有事対応として平時の政策とは異なる次元の政策を政府は打ち出さねばならないと考えていますが、同時にそれぞれの政策の目的に応じた時間軸をきちんと考えて、タイミングという意味で政策のメリハリをつけることが効果を最大化するためには非常に重要だと考えています。

今当面喫緊の課題としてやらねばならないことは、①感染症対応の医療体制の整備(マスクの供給等も含め)、②期末を控えた資金繰りを含め、企業が危機終息後の経済活動を再開するための雇用や生産設備を維持できるための緊急対応、③一斉休校等に伴う生活基盤の保証、です。

構造改革的な視点はこの際横に置いておいて、この緊急事態、これは徹底的に行う必要があります。その意味で第二弾の経済対策パッケージは適切なものでしたし、不足があればさらに躊躇なく速やかに出していく必要があります。

その一方で、いま日本のみならず世界経済において、ヒト・モノの流れが止まってしまうという未曽有の事態にあることを考えれば、消費や設備投資の落ち込みに対応する経済対策は、ヒト・モノの動きが回復する直前のタイミングで打っていく必要があります。

遅れてはなりませんし、また逆に早く打てばいいというものではありません。日本にとってベストなことをするという我々の責任の観点に立てば、期待値をむやみに上げるような無責任なこともするべきではないと思います。

不安の解消は必要ですが、不安を解消しても消費や設備投資の回復に資する行動を、個人も法人も取れない状況下で、いくら消費や設備投資を目的とした大胆な政策を講じても、実際の経済効果を最大化することはできません。

不安解消のために全体のパッケージを早めに示すべきという考え方もあるでしょうが、収束の見通しがある程度明確になるまでは、根本的な不安の解消は望めないわけで、政策の心理的効果を最大化する必要性を考えれば、あまりに早すぎる提示は振り返ったとき悔いを残すことになりかねません。

日本は特に財政的な制約があることを考えれば、また金融政策についてもノーマルな状況に戻すことができていなかったことによる制約があることを考えれば、打つ政策の効果を最大化することは必須ですし、早ければいいという無責任な議論に乗ることは適切ではありません。また妙な政策がこの機会に乗じて混ざり込むことがあってもなりません。

こうした点について、しっかりと政府の一員として、あるいは与党の一員として反映できるよう努力していきたいと思います。


編集部より:この記事は、外務副大臣、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2020年3月21日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。

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鈴木 馨祐
衆議院議員(神奈川7区)、外務副大臣

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