コロナウイルス感染騒動 〜“無責任”なスペイン第2副首相

2020年03月24日 06:00

マドリード州とカタルーニャ州の両知事イサベル・アユソとキム・トッラもコロナウイルスに感染していることが判明した。スペインの2大州の首長が隔離執務となっている。さらに、政府の平等相イレネ・モンテロと自治相カロリナ・ダリアスの2人も感染し、ペドロ・サンチェス首相の夫人ベゴーニャ・ゴメスも感染している。(ツイッターの写真は居並ぶ4閣僚。左端の男性は内相)。

アユソ、モンテロ、ダリアス、ゴメスの4人が感染したのは3月8日の国際女性デーに参加したことが要因だとされている。この日を切っ掛けにしてマドリードでは感染者が急激に増えたのであった。

政府はこのイベントに出席することは感染の危険が十分にあることは承知していたという。にもかかわらず、閣僚はそれに参加したのであった。女性閣僚が欠席するというのは一般に良い印象を与えないからである。本来はこのイベントは中止されるべきであった。しかし、政府はそのイニシアティブは取らなった。今後の支持率に影響するからであろう。(参照:okdiario.comokdiario.com

スペイン人のメンタリティーで問題なのは、物事を徹底して実行できないことである。禁止といっても常に例外を黙認する傾向がある。これはイタリア人についても同様に言えることだ。

閣僚2人が感染したことが判明した後の最初の閣僚会議でもそれを観ることができる(参照:okdiario.com)。その時、閣議室も広い場所に移って閣僚同士の間隔も1メートル置いた。

問題は、急進左派ポデモス党首で第2副首相のパブロ・イグレシアス(右端一番手前)が閣僚会議に出席したことであった。しかもマスクもせずに出席したのだ。彼と同棲している平等相イレネ・モンテロは感染者だ。だから会議には欠席した。感染しているダリアス自治相も同じく欠席した。

同居者の女性閣僚が感染したにも関わらず、閣議に出席したイグレシアス氏(右端:OKDiarioより引用)

イグレシアスが感染しているか否かの確認で最低14日間は自ら隔離していなければならないはずだ。それを無視して、陰性の結果が出ているとして閣議に出席したのである。

彼を自宅から首相官邸まで連れて来た公用車の運転手並びに閣議に出席した他の閣僚を感染の危険に晒したのであった。閣議の後、一部の閣僚は彼が出席したことに内心不快感を表明したという。

特に、スペイン電子紙『OKDiario』と『El Confidencial』は彼の自分勝手な振る舞いを激しく批難した。後者は「(政府が)パブロ・イグレシアスのような行動を取るのであれば、Covid-19を負かすことは出来ない。隔離に言い訳は認められない」と紙面の見出しにした。

パブロ・イグレシアス(Wikipedia)

イグレシアスは自分の出席を正当化させるために「サンチェス首相が閣議に出席を要請したからで、ビデオ会議の用意ができないからだ。出席するのが私の義務である。保健省の指示を基に首相官邸の保健規定に従った」とツイートした。勿論、彼は検査して陰性と出た。

しかし、みずから隔離してからまだ2週間経過していなかったのである。だからウイルスが彼の身体に潜伏していないとはまだ否定できないはずであった。さらに、問題は閣議にマスクをしないで出席したことだ。非常識も甚だしい。これがスペインの政権を担う第2副首相の非常識な振る舞いだとして批判されて当然である。

サンチェス首相が彼を招集したのか否かは解明されていない。首相はそれについての発言は避けているからだ。しかし、仮に招集があっても、出席を辞退するべきであった。

しかも、会議は10時間続いたのである!!! 他の閣僚に感染させるには十分な時間である。

サンチェス首相も彼の非常識な振る舞いを咎めることができないのは、サンチェス首相の夫人も感染しているということが判明しているからだ。即ち、首相も自ら最低2週間は隔離して執務すべきであった。

スペインの国民並びに外国人在住者は、このような無責任な閣僚から成る政府の対策に身体、生命、健康を委ねているのが実情だ。

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白石 和幸
貿易コンサルタント、国際政治外交研究家

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