なぜ、日本のコロナ感染者は重症化しないのかを考える

2020年03月31日 14:00

あくまで推理ですけどね。専門家じゃないので。

まず、日本の重症者はどれくらいいるのか。今現在で世界の重症者数ランキングで並び替えしました。シリアスクリティカルのとこです。

1位 フランス 4632人
2位 スペイン 4165人
3位 イタリア 3906人
4位 イラン  3511人
5位 アメリカ 2970人

ということは死者数では今後、ベストスリーに上がってきます。しかし上位はみんなロックダウンしてるのに患者数は爆増したまま。

中国はいまや重症者は633人しかいません。封じ込めに成功したわけではなく、報道されているように患者数に無症状を含まないようにして終息宣言したのです。含むといまも患者数は増え続けていて米国に次いで2位くらいになります。クルーズ船の全員検査では半数近くが無症状でしたから、いまの中国の患者数は81,470なので、無症状入れると米国並みの世界一です。

しかし中国の死者と重症者は激減・・・・。まだレポートが出てきていないのですが、患者隠しと他国から非難を浴びつつ、リソースを重症者に振り切ってきたんだと思います。経済も8割回復したそうで、さすが独裁国家。民主主義の国ではコロナ脳の気が狂うのでできない荒技ですが、他国もこれに習うしかないと思うんだよなぁ・・・・・・。

で、
日本は26位で56人です。もうね。めちゃくちゃ少ない。重症者が少ないと言うことは死者も少なくて、まだ54人で世界ランク23位。もうね。異常に少ない。これは日本の高齢者が頑強なのか、それとも他の要因があるのか。

CTの普及率が世界一である

なんと、日本のX線CT装置保有台数は、現在世界第一位であり全世界の装置数の約30%を占めていると特定非営利活動法人 日本X線CT専門技師認定機構のサイトにありました。

世界の30%のCTが日本にある!!!

CTってなにかわからない人もいると思うので、キヤノンメディカルシステムズからお借りします。


左がCTで右がMRI。形は似てるけど全然違うものです。

「CTはX線を使用して撮影しますがMRIは大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を得ます。そのため、MRIは放射線による被ばくがなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。しかし、MRIに比べてCTは検査時間が短いメリットがあります。そしてMRIは強い磁場を使っているため、CTには見られないMRIならではの制限や注意事項があります。」だそうです。

このCTを肺炎の検査に使っています。自衛隊中央病院がクルーズ船の乗客104例のレポートを掲載しています。患者の平均年齢は68歳で男女比はほぼ半々であった。国籍は17の国と地域と多様であった。48%に基礎疾患あり、高血圧が最も多かった。喫煙率は18.8%で低い。富裕層の証拠。無症状が最も多くて入院時には41.3%。

その中でこういう記載があります。

無症状の感染者であっても、胸部単純CT検査にて異常影が観察されることがある【1】。当院でも来院時のCT検査では全体の67.0%、無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例に限定しても、約半数に異常陰影を認めた。陰影は両側末梢胸膜下に生じるすりガラス様陰影が特徴で、胸部単純レントゲン写真では異常を指摘できない症例が多かった(Fig1,Fig2)。無症候性陽性者及び軽微な症状を有する症例で、CT検査で異常影を認めたうち、約3分の2はそのまま症状が変化することなく軽快し、約3分の1は症状が増悪した。

無症状や、軽症でもCTを取ると異常な影が見つかることが多い。しかし2/3はそのまま治る。で、↓ここですよ。ここ。

「Silent pneumonia」に関連して、無症候性を含む軽症者でも画像変化が認められることから、CT検査がPCR検査よりも感度が高いという報告がある【4,5】。当院で経験した症例においても、無症候性を含む軽症者のCT検査で異常所見が認められている。また、クルーズ船内で濃厚接触となる同室の家族や友人等がPCR陽性で、本人もCT検査で明らかに他の症例と類似する両側末梢のすりガラス様陰影を認めるにもかかわらず、PCRが陰性となる症例を一定数経験した。そのような症例において、繰り返しPCRを実施すると陽性になる症例もあれば最後まで陰性のままの症例もあった。また、退院確認時の2回連続のPCR検査も、1度目は陰性であるにもかかわらず、2回目が陽性となる症例を数多く経験した。これらの経験から、PCR検査の感度はさほど高くないのではないかと考えられた。明確な検討はできていないまでも、感覚的には70%程度の感度ではないかと思われた。しかしながら、当院のように全例CT検査注2を行うかどうか、判断は難しいところである。

PCR検査の感度は高くない
CTで明確な影があるのに陰性が結構ある

日本の場合、肺炎のチェックにはCTを使うことが多いし、いまはもちろん真っ先に撮影するでしょう。その場でコロナ肺炎ではないかと思われる時に PCR検査をして確定させていると思うが、そのときに陰性でも肺炎を起こしているのは確認できるから治療が早いのだろう。要するに

PCR検査なんかよりCTのほうが格上

なのであります。日本の方が他国より重症者や死者が極端に少ないのは、PCR検査に頼らず世界一の保有台数を誇るCTで撮影しているからではないか。

日本の高齢者の喫煙率がとても低い

若い頃からヘビースモーカーだった志村けんさんが亡くなったが、タバコにより損傷の蓄積は吸った本数に比例する。4年やそこら禁煙しても損傷はもとには戻らない。で、日本の高齢者は実は世代別で一番喫煙率が低いのである。

医者に止められるせいか、60代から喫煙率はガクッと下がり始めて70代になると年代別で最低になる。50歳で止めた人が70歳になれば20年は経過しているから肺の機能も完全とまではいかないがかなり戻っているだろう。今後は、喫煙者と喫煙経験あり、非喫煙者のグループに分けて研究が進んでいくと思われる。

で、死者の多い他国はどうかというと・・・・参考

フランス
男性 29.8% 女性25.6%
イタリア
男性 28.3% 女性19.7%
スペイン
男性 31.3% 女性27.1%
です。

日本はこのサイトだと
男性 33.7% 女性10.6%

なので、日本の全年代の男性の喫煙率は高いわけです。問題は年代別なのですが、世界各国の年代別の喫煙率が探しても出てきません。東大の五十嵐准教授に探して貰ったら中国のだけはありました。男性全体ではまだ54%も吸っている。

中国の70代男性

喫煙したことがある 63.7%
もう止めた 22.2%
いまだ喫煙中 41.5%

70代女性だといまだ喫煙中は5.8%と

中国の70代の喫煙率は日本よりめちゃくちゃ高い

事が分かります。日本の3倍近い。教育レベルで見ますと高学歴ほど多少喫煙率は下がりますが、それでも対して変わらず収入によっても変わりません。中国の例を見ますと日本より男性の致死率が高いのは喫煙のせいではないかということが推測できるわけです。他国については年齢別がないとなんともいえないという結論になりました。

しかし日本の70代の喫煙率が低いといっても、いつ止めたのかが重要で、数年前なのか10年以上経過しているのかそれとも20年は経っているのかで全く変わってきますね。

結核のBCGは関係ある?

9本針のはんこ注射が新型コロナに効く?BCGのオフターゲット効果とは 医師や看護師を守る秘密兵器に

が話題になっていました。
・イタリア1万779人死亡、0%(1970~2001年接種)
・スペイン6606人死亡、0%(1965~1981年接種)
・フランス2606人死亡、44%(2008年時点、1950~2007年接種)
・アメリカ2467人死亡、0%
・イギリス1228人死亡、0%(1953~2005年接種)
・オランダ771人死亡、0%(1979年に中止、出身地域による選択的接種に)
・イラン2640人死亡、99%(1984年から接種)
だけ見ると、あんま効いてる気がしません・・・・ww

それより、今朝ほどFacebookでお医者さんに聞いたのですが、

日本でなぜ爆発的感染がくいとめられているのか。日本は結核追跡の伝統あるから、疾病追跡が他国を圧倒するクオリティなんだそうです。日本では毎年約18,000人が新たに結核を発症し、毎年約1,900人が結核で亡くなっています。政府広報より

この死亡者を激減させてきた追跡システムは毎年18000人が発症しているのでいまも機能しており、そのクオリティが非常に高いんだそうな。

そもそも欧米よりずっと多かった結核を数十年掛けて近づけてきた。その緻密な疾病追跡のノウハウが、今回のコロナのスプレッダー潰しに役立っているのは間違いない。結核との戦いが本気だったので、BCG接種率が高いのもそれでしょ。
重症化する前にその疑いがある人を早めに発見しているのではないかと推測してる次第です。

明日が電子版の発売日ですが、予約だけで「タバコ」ジャンルで1位になっています。よろしくお願いします。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年3月31日の記事より転載させていただきました。

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