マスク配布と減税や現金交付を比べる愚かな人たち

2020年04月03日 16:01

ぐっとぴ/写真AC

マスク2枚を全世帯に郵送するという施策がいかに素晴らしいものであるかは、昨日エントリーしたが、あいかわらず、愚かな誹謗が続いている。特に、減税とか現金交付をやるべきなのにマスクを送るとはおかしいという批判が多いのだが、まさに衆愚の極みである。

マスクを送るのに要するのは、1人あたりに換算すると200円もかからない。それに対して、減税や現金交付は10万円以上の規模である。まあ、現金のやりとりがなにもなかった森友事件をロッキードもどきの「アッキード」とか騒いだ野党やそのシンパが言うのは最初からそんな程度だから仕方ない。

しかし、与党支持者からも同様な反応があって、立憲民主未満という政治家がその手の言説をしているのがいるのもがっかりだ。

音喜多参議院議員も、『全世帯にマスク2枚郵送?なら「政府小切手(≒現金)」を送れるのでは』とか書いてるが、マスクは迅速に配るために少しくらい漏れやだぶりがあってもいいから1住所に2枚でいいのである。

とりあえずマスクが「1枚もない」とか「1枚もなくなるのでないかと心配だ」という人をかなり減らしたら買い急ぎも抑えられるのである。小切手はそういうわけに行かないということも分からないで、配達可能というだけにしか着目しないのでは国会議員としていかがなものか。

市町村の窓口取りに行かせたらというのもナンセンスだ。もし数十枚というならわかる。しかし、市町村で窓口を設けていちいち本人確認をして重複がないように渡すのにどれだけの人件費がかかるのか計算してみたらどうか。

減税や現金交付を望む人は本当に困ってない人が多い

今月の資金繰りが苦しいとかいう人が、どうして、実行に時間がかかり、広く薄くにしかならない消費税減税や現金給付などの要望に乗っかるのか理解できない。

本当に困った人や企業に集中的にといえば、同じ元手でかなりの資金が出てくるのに、広く薄い減税や現金給付には莫大な財政資金がいるので、ほかのところは手薄になるのに。どうも真剣さに欠けて本当に困っているのか困っていないのか戸惑ってしまう。単に反消費税新興宗教の信者だというだけではないか。

写真AC

減税をしろとか現金を配るとか言ってる人たちは、来年以降、大幅な増税とか社会福祉の切り下げは覚悟しているのか。ヨーロッパでの思い切った財政出動は当然その辺を覚悟しての話である。

極めて早いうちに消費税20%以上が財政出動の条件であろう。

しかも日本の企業はそれほど簡単に首切りや賃金の切り下げをやらないから日本人の収入が全体として激減しているわけではない。しかも流行が続いている間は消費意欲は低い。そんな時に減税も現金給付も無駄である。減税はもともと愚劣だが現金給付もやるとすれば流行が終わった後の立ち上げを速くするためでなくては有効でないと思う。

日本人は財政健全化を怠ってきたツケ

それに、減税は消費額比例で現金や商品券給付は定額だから、相対的に減税は逆進的な性格を持ち金持ち優遇である。誰がなんといおうと、財政支出をすれば政府債務は膨れ近い将来、増税必至である。来年か再来年から毎年、消費税を増税する覚悟がないなら辞めたほうがいい。ヨーロッパは増税覚悟のうえでやっている

東日本大震災のときにも復興税を取っているのだから、今回も近いうちのかなりの増税は当然予想されるわけだが、まったく忘れているとすればよほど頭が悪いか悪徳商法的な言辞だ。

ドイツの思い切った財政出動をうらやましいという人は、第一に、日頃から健全な財政を保っているといざというときに思い切ったことができることを学んで欲しい。ドイツの政府債務はGDPの約60%0、日本は約230%だ。ドイツは日本よりGDPの1.7年分を一気に使ええる。だからMMTとかなんだとかマルチ商法まがいの主張に騙されて財政健全化を怠ってきたことの付けを日本人は今払っているという自覚をして欲しい。

第二にマイナンバーなどの共通番号制度がきちんとしていないと、1世帯にマスク2枚とかいうような荒っぽい政策しか迅速にはできないのである。マイナンバーカードを義務化するなどしたら、次の危機の時にはもう少しきめ細かい政策を素早くできるだろう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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