媚韓派が韓国と同じ制度を日本には許さない不条理

2020年04月05日 06:00

日本の新型コロナ対策が徹底さを欠き、医療崩壊が起きたときには手に負えなくなることがまことに憂慮される。

いろいろ理由はあるが、私は緊急事態のときに、国民をきめ細かく把握し、強制力をもって効率よく事態を動かす法制も財政もインフラもこの国にはないことに呆然とせざるを得ない。

そして、誰がそういうことを阻んできたかと言えば、自称リベラルのマスコミであり野党勢力だが、彼らが日本の国家がそうした力を持つことを嫌ってきたのは、極めて多くの場合、近隣諸国に対する配慮か、それとも交差しているのだが、弱者保護であった。

しかも、ここで腹立たしいことは、彼らが日本政府が韓国(あるいは中国や台湾)政府に比べて十分な対策を講じていないと日本政府を批判していることだ。

官邸サイト、青瓦台FBより:編集部

たとえば、マスクが典型的だが、マイナンバー制度がきちんとしておれば、一人何枚という割り当てをした上で、各商店でその人が全国のどこかで重複して購入していないかチェックするのだって簡単にできるから、郵便で人数に関わりなく2枚ずつ送るなどという面倒で雑駁なことをする必要もない。

日本で全国民に公平な配給をしようとしたら、市町村に膨大な手間暇をかけさせることになり、マスクくらいにそれを使うのは不可能だし、時間もかかる。30万円の現金給付だって、これまでのような不正を防ぐためにそれなりの注意を払うとすれば、市町村の労力と予算はたいへんなことになる。

また、感染者がどういう行動をして誰と接触したかということでも、携帯電話とマイナンバーが紐付けられておれば容易に把握できるのである。

最近、韓国に比べて日本政府は無能だと批判する自称リベラルの論客とこんなやりとりをした。

:韓国のようにマイナンバーカードの取得と所持が義務付けられていたのならば、もっと賢明な措置が取れただろうと思います。韓国を見習わなければなりません。韓国だけじゃなく、中国も台湾もヨーロッパ諸国もみんなそうですから。

論客:以前から個人管理がされてきた国はそれなりに個人情報の管理が徹底されているから効率的なのはその通りですが、安倍政権の下でそれをすると、個人情報が利用されたり漏れたりするから、そちらの法的拘束力を整備する方が先決事項です。

:それなら、韓国に比べてマスクの配布が遅いとか言わないでください。マイナンバー制度の問題はすでに昭和40年代から繰り返し議論されています。どこの国でもいつの時代も反政府の立場から同じことをいう人はいますが、そういう人がいるからやらないわけでなく、社会にとって必要なことだからやっています。

それに、歴代の韓国政府が日本政府より「誰しもが認めるほど」たるみきってないとでも仰るのでしょうか。つまるところ、日本の社会は管理されると困る裏社会や外国の利益に奉仕する人たちに踊らされているというだけのことです。

自称リベラル系の人たちは、これまで、保守派の韓国政府が許しがたく人権侵害を繰り返してきたと批判してきた人たちだ。しかし、それでも、韓国では住民登録証(マイナンバーカード)がないと、およそ生活できないのだから、日本政府にだけそれを許さないのはおかしいし、また、マイナンバーカードの所持義務化や税務面との紐付けへの反対には裏社会への忖度があることはいうまでもないし、裏社会がしばしば複数の近隣諸国との密接な関係を持っているのも事実である。

2020年から新しくなった韓国の住民登録証(聯合ニュースTVより:編集部)

ドイツのような思い切った財政支出をするべきだという人は、ドイツに限らず欧州諸国がいざというときに思い切った支出ができることも目的の一つとして財政規律を守ってきたことを思い起こして欲しいし、今回の異常事態に対する措置は事態収束後の増税や福祉切り下げでまかなうこともコンセンサスであることを知るべきだ。

そして、社会全体のIT化だ。韓国が小中高校の新学期をネットで開始することはすでに紹介したが、日本社会のIT化は韓国や欧州に比べても遅れている。フランスだってさまざまな手続きが、インターネットの前のミニテルの時代からネットでしかできなかった。 日本は電子申請などすると少し得にするくらいはないわけでないが、そうしないとダメとか、懲罰的にコストが高いとかは弱者保護を理由にしない。

ともかく、今回を教訓に、「マイナンバーカード・財政規律・強制的なIT化」の3点セットをなんとかしないと、いままで以上に遅れた国になることが必至である。

「ロックダウン(都市封鎖)」についても、安倍晋三首相は、4月1日の参議院予算委員会で「さまざまな要請をさせていただくことになるかもしれないが、フランスなどで行っているものとは性格が違う」と、強制力を伴うことは難しいという認識を示した。

しかし、医療体制が崩壊して手が付けられないようになった時に、ヨーロッパは隣国の援助が期待でき、アメリカは地方分権で地域が自立しているが、日本は国家体制崩壊になりかねない。

非常事態法制が憲法で想定されていないといっても、明白に憲法違反でない限り立法を急ぐべきだと思うし、警察力を使って通行規制をしたり、職務質問を繰り返して人の流れを止める、ないし極めて遅くすることくらいできるし、繁華街の地下鉄の駅を閉鎖することだってできるはずで、最後の手段としてそのくらいシミュレーションしていいと思う。

そういうことも含めて、日本の国家システムが非常時になぜ動かないようなことになっているかといえば、ずばり、行き過ぎた近隣国への配慮と、やはり過剰な弱者への配慮である。

私はすべて、欧州諸国並み、あるいは中国並みはともかく韓国や台湾並みの規制は問題なしとすべきだと思うし(逆に言えばそこで止まるのが歯止めになる)、たとえば韓国でやっていることを日本でやるのに、彼らへの配慮を日頃主張する勢力が反対したら、その矛盾を厳しく糾弾して付け入る隙を与えないことに徹するしかないと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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