韓国の新型コロナ対策は優れたものであるという嘘

2020年04月07日 06:01

韓国の新型コロナウイルス感染はかなり落ち着いた状況になってきた。そういう意味で、偽リベラルは韓国を絶賛している。「韓国は嫌い」という人でも見習うべきところが多いのでないかという人も出てきている。

保健所の視察で説明を受ける文在寅氏(大統領府Facebook)

それに対して、私は次のように回答している。

①韓国が押さえ込みに成功したといっても多数の死者をだしたあとである。人口が日本の半分以下なのに死者数は倍近いので峠を越したと言うだけだ。

②韓国で流行したのは欧州型の強力なウイルスが猛威を振るう前の“大人しい”ウイルスだった。

③各国が韓国との間の出入国を規制してくれたので、欧米人の入国も韓国人の渡航も減った「怪我の功名」で欧州発のウイルスが入り込みにくかったのは誉めるような話でない 。

④死亡率が低いのは健康体の人の検査までしたため母数が多いだけ

⑤日本よりマイナンバー制度がきちんとしており、プライバシーへの配慮もする必要がなく、国民の個人管理体制が強力なので火事場のばか力が出せる。

つまり、③が文在寅が意図してのことだったら素晴らしい才能だが、そんなことはなさそうだ。韓国から学ぶべきところは、マイナンバーカードの所持を義務づけ、何をするにも紐付けており、国家が自由に利用できることだけだ。

そんなことは、別に検討しなくてもわかりきったことだ。なにか特別のことがあるように気を持たせるデマゴーグは邪悪だと思う。韓国や台湾まで極端でなくとも、ヨーロッパ並みにはするべきだと私など1980年代前半から言い続けているが、それができないのは、自称リベラル勢力の反対によるものだ。しかも、それは、しばしば、在日朝鮮人の人にとって不愉快なことが起きるのが執拗な反対の動機になってきたのである。

ちなみに、「現代ビジネス」に伊藤順子さんという人が、『韓国が日本に先んじて「コロナ危機をひとまず脱せた」理由』という記事を寄せているが、そこにはこんな記述もある。

「(マスクは週に二枚買えるが)販売数は個人の住民番号で管理されているため、不正はむずかしい」

「住民番号こそが、韓国における今回のコロナ対策のベース」

「住民番号は、健康保険証などはもちろん、クレジットカードやパスポート、銀行口座など多くの情報とつながっている」

「お医者さんが患者さんのカルテに住民番号を入力したとたんに、海外渡航歴などまでもがバーンと出てくる」

韓国を見習うならこうするのだ、と朝日新聞などは是非言って欲しい。

住民番号は、感染経路の確認にも利用されるようだ。クレジットカードの履歴や時には監視カメラまでが住民番号とリンクして、そこで得られた情報は広く国民に公開される。個人名は伏せられていても、近親者や友人に行動が分かってしまっても気にしないのだそうだ。

それでも、国民は「プライバシーはどうなるのか?」などといわずに当たり前のこととして、支持しているのである。是非、朝日新聞さんはこの点も見習うように宣伝してもらいたい。

PCR検査についての私の所見

Hoang/flickr:編集部引用

ついでだが、PCR検査について、私がその拡大に消極的だという誤解をしている人がいるので、この点について少し解説しておきたい。

韓国もそうだが、イタリアなどでも安直に多く検査したことが医療崩壊などを通じて感染の拡大につながったことは広く認められている。日本で患者や開業医の求めに安直に応じなかったことも大正解であったことについて私の意見は変わっていない。

ただ、そのことは、現在においても検査数が少なすぎることを容認するものではない。安全に秩序立ててなら多くの検査をする方がいいに決まっている。

検査を増やすだけでなく、人工呼吸器を扱える人が不足しているということなども含めて、大急ぎで多くの医師など医療関係者を訓練してそうした分野に投入できないのがなぜなのかおかしいと思う。早急に対策を立てるべきだ。

追記:韓国のおおがかりなPCRなどを支えているのが、徴兵の医師・医学生を動員していることだということを、アゴラでもおなじみの崔碩栄氏が現代ビジネスで『韓国でコロナ検査「世界最大級」のウラで医師が「動員」されていた!』という記事で詳しく紹介している。韓国のPCR検査を誉めるなら、日本でも徴兵制が必要になることを認めることになる。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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