景気動向:この先の状況を考えた行動を!

2020年04月07日 16:00

以前にも書きましたが、企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的として、四半期に一度、日本銀行が行う統計調査の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)が4月1日に発表されて、ドーンと景況感悪化を表しました。

発表された日銀短観を大企業・中小企業、製造業・非製造業と分けて見ていきたいと思います。ちなみにこの日銀短観は、四半期に1度の調査で、前回調査の解答期間は11月13日~12月12日で、12月13日に発表されました。前回調査の12月はまだ新型コロナウイルスが騒がれていないときの調査になります。その前回調査から大企業の製造業は8ポイント悪化、非製造業は12ポイント悪化しています。これがどれくらいの悪化かというと、悪化幅はリーマン・ショック後の09年3月調査(22ポイント悪化)に次ぐ大きさとなりました。

業況判断指数(DI)
2019年12月   2020年3月
大企業・製造業    0          -8(-8ポイント)
大企業・非製造業    20       8 (-12ポイント)

非製造業といっても、色々な業種がありますが、皆さん、どの業種が最も悪化したと思いますか。
そう。それは宿泊・飲食サービス業です。

宿泊・飲食サービスは業は、なんと70ポイントの悪化でマイナス59でした。この悪化幅は史上最大でした。

一方、中小企業の製造業が6ポイントの悪化、非製造業は8ポイントの悪化となっています。

業況判断指数(DI)
2019年12月   2020年3月
中小企業・製造業     -9       -15(-6ポイント)
中小企業・非製造業   7      -1 (-8ポイント)

こちらも以前にお伝えしました、政府の景気判断が毎月発表されているんですが、毎回表現に注目が集まっています。

内閣府による景気動向指数の基調判断受け、政府が毎月景気に関する政府の公式見解(月例経済報告)での表現ですが、実はその表現がかなり政府に都合よく、ある意味では政府の願望的な表現と感じることが多々あります。これまで政府は、6年8か月にわたって景気の現状について「回復」という表現を使い続けてきました。「いや給料は全然上がってないぞ」「回復なんてしてないぞ」と感じてきた人も多いはずです。

回復と言い張ってきた政府がついに、3月26日に発表された月例経済報告で「厳しい状況にある」と景気判断を修正しました。これ景況感はますます悪化しますよ。一部の業種を除いて、あらゆる産業にまたがっていくでしょう。そして、先ほども書いたように、大企業も中小企業も同じように景況悪化となっています。しかし、大企業は体力がもともとあるし資金調達も自らできると思いますので、中小企業が本当に心配です。

その中小企業ですが、日本商工会議所が3月13日から19日の間に2000社に調査をしたところ、「新型コロナウイルスの影響が生じている(44.4%)」「長期化すると影響がでる懸念がある(47.7%)」と答えた割合が92.1%にのぼっています。2月の調査では合計で63.2%でしたから、その割合が増えています。

前回、「長期化すると影響がでる懸念がある」と答えた会社は52.4%で、今回が47.7%ですから減っている、逆に、「新型コロナウイルスの影響が生じている(44.4%)」と答えた会社が11.3%から44.4%、すなわち4倍に増えていますから、長期化どころではなく、たった1ヶ月間でこんなに増えたってことです。

しかし、この日本商工会議所の調査も3月中旬に行われています。先程の日銀短観も3月初旬の調査です。したがって東京オリンピック延期の影響も含んでいませんし、その後の状況も含んでいません。

総理も財務大臣もその他誰も本当のこと言いませんから私、また本当のことをはっきり言います。

「これから先もっと悪化しますよ」

ですから、先日も「借りれるお金があるならばお金を借りといて」って言いましたけれども、「今は大丈夫だから」とか「そのうちなんとかなる」ではなく、これから先のことを考えて、生き残ることに手を打ってください。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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