新型コロナ:東京都も特設サイト情報発信に困った問題あり

2020年04月08日 06:00

先に書いたように厚生労働省の特設サイトのアクセシビリティ対応も問題だが、東京都の特設サイトにも多くの問題があった。

4月7日21時に取得

特設サイトを開くと最初に気付くのが緑色を多用していること。この色で色覚異常の人に情報が伝わるか心配になったが、総務省提供のmiCheckerで調べる限り大丈夫だった。ここまではよいニュース。

しかし、miCheckerは他に多くの問題を指摘した。フォントサイズが相対的に指定されていないという指摘が23か所。「オープンデータを入手」と表示されたリンクがたくさんあるが、どれを押すとどのオープンデータが入手できるかわからないという指摘もあった。

サイトの中に「陽性患者の属性」という欄がある。VoiceOverでチェックしたら、一人ひとりの患者について「公表日」「居住地」「年代」「性別」「退院」を延々と読み上げていく。改めて確認したところ、4月6日時点で1,116人分の属性を全部読み上げる設定になっていた。読み上げを聞いているうちに、いつまでたっても抜けられない「罠に落ちた」気分になった。

もっと問題なのは「陽性患者数」などグラフで示される情報。VoiceOverは「陽性患者数のグラフ、イメージ、図表」と読み上げるだけだ。これでは、3月後半から陽性患者数が増加し警戒すべき状況に陥ったというメッセージは伝わらない。

「検査実施人数のグラフ、イメージ、図表」「検査実施件数のグラフ、イメージ、図表」「新型コロナコールセンター相談件数のグラフ、イメージ、図表」と、読み上げるのはグラフのタイトルばかり。この特設サイトからは、音声で情報を入手しようとしている人に重要な情報が伝わらない。

3月後半から患者数は急増しているとか、2月に比べて都営地下鉄の利用者数は約30%減少しているであるとか、都庁来庁者数が5000人以上減少したといったメッセージを読み上げるようにすべきである。

東京都の特設サイトは障害者への情報発信の重要性を意識していない。しかし、厚生労働省や東京都といった公的機関から正確で最新の情報が入手できなければ、その障害者は感染の危険にさらされる。東京都にも至急の改善を求める。

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山田 肇
ICPF理事長、東洋大学名誉教授

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