コロナ感染以外の医療の逼迫状況:高まる小池知事の存在感

2020年04月11日 06:00

小池百合子東京都知事がパチンコ店やマージャン店の自粛を要請した。政府が反対したのを押し切った形だ。

4月10日の小池知事記者会見(東京都YouTubeより:編集部)

共同通信が29か国のコロナ対策に対する国民の評価を報道していたが、日本は29か国中28位というブービー評価で、23%の国民しか国の対策を評価していない。マスクに466億円、遅々として進まないPCR検査、今回の自粛要請に見られるドタバタぶり、国民の命を何と思っているのか、憤懣やるかたない。このまま、小池知事の存在感が高まり、野党が小池知事のもとに結集すると、政権交代が実現されるかもしれないと思えるくらい、国民は内閣に失望している。

と愚痴を言っている暇がないくらい、現在の医療の状況は逼迫している。コロナ感染者の対応に目が向けられているが、がん医療も大変だ。医療従事者を含め、院内感染が起こると、医療従事者の入院、自宅待機につながる。外来や病棟閉鎖に加え、潜伏期間が長い今回のウイルスの場合、濃厚接触者は2週間の自宅待機となる。医療全体が回らなくなりつつある。

先週、日本医師会長が、医療危機的状況宣言をしたのはこのような背景がある。例えば、私が所属するがん研有明病院では、18日の土曜日、25日土曜日、26日の日曜日も手術ができるように検討されている。他院で手術ができなくなり、それに対するバックアップのためである。

がんの手術を何ケ月も先に延ばせば、その間、がんは進行するし、患者さんの不安・ストレスは大きい。心筋梗塞や脳卒中などは、緊急に治療が必要だ。しかし、医療関係者がコロナ対策に追われるうえに、院内感染の広がりで医療現場を離れざるを得なくなると、限られた人数で持ちこたえざるをえなくなる。当然ながら限界はあるのだ。はっきり言って、国の対応は甘すぎる。頑張れ、都知事!


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年4月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
中村 祐輔
医学者、内閣府SIPディレクター

過去の記事

ページの先頭に戻る↑