みんなの応援でコロナを乗り切れ! 自治体は経済支援体制をどう構築すべきか

2020年04月15日 06:00

「今回は乗り越えられないかもしれない」

未曽有の危機に見舞われ、飲食や宿泊業界にとってかつてない危機を迎えている。

※画像はイメージです(Kazuya2078/写真AC:編集部)

私の親しい旅館のオーナーからは「6月まで修学旅行はすべてキャンセルになりました。今回は乗り越えられないかもしれない。残念です。」というコメントが寄せられ、改めて出来ることがないか考えてみた。世間の耳目は、休業補償や融資、助成金といったところに集まっているが、もっとやれることはあるはずだ。そこで、収入減少の著しい飲食、宿泊、サービス業に特化した提案を少ししたい。

申し上げた通り、行政の支援は助成金や融資に終始しているが、頭をひねると、様々な部署で出来ることがある。

ひとつめは、ふるさと納税の活用だ。ふるさと納税の返礼品は幅広く集めているところから、京都市のように品目を厳選して用意しているところもあるが、今はとにかく「地元の経済へ寄与」という観点から、品目を大幅に広げて、この際、コロナで売り上げが減少している事業者を優先的に選んで、どんどん返礼品に加えるべきだ。

ふるさと納税での協力は国民に負担感がないので、協力がとてもし易い。「コロナに負けるな!ふるさと納税キャンペーン」と銘打って、徹底的にやる。少し高級な贈答品やおもたせに使われるようなお店も今は売り上げが激減しているので、返礼品に形を変えて商品が売れ、現金が入ってくるのはお店側にとっても大変大きい。

もうひとつは、飲食店や宿泊事業者、サービス事業者向けのサービスとしてお食事券、宿泊券、サービス利用券を返礼品として大放出する。飲食や宿泊事業者は日々の売り上げが計上できずに困っているが、緊急事態宣言下の今日、お店に行って応援するというのは出来ない。出来るとすれば、近い将来訪れるということしかやりようがない。ちなみに、我が町京都のような「JTB旅行券」や「るるぶ旅行券」では意味がない。直接お店を選んで申し込む返礼品にする必要がある。

同時に、お食事券や宿泊券は、利用した後でないと事業者に行政から代金が支払われないため、ルールを変えて、申し込みベースで先に現金が手に入るというルールに変更させ至急対応すべきである。(ふるさと納税で宿泊券を入手しても、現行の制度言えば利用しないと事業者には一円も入らず、行政が返礼品分の代金分まるまる儲かるとこの手法自体見直すべきだと思うが。)

すでに、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」ではいち早くふるさと納税を活用した「新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト」が立ち上がっており、応援できる支援体制は整っているといえる。

そして、何より「応援してあげたい」というみんなの気持ちをしっかり汲みあげられることに意味がある。

クラウドファンディングという救済策

もうひとつは、クラウドファンディングの自治体版の実行が強く望まれる。

Rocío Lara / flickr:編集部

3月10日に札幌商工会議所が道内の事業者に声をかけてはじまった「新型コロナ経済対策掲示板『緊急在庫処分SOS!」がひとつのひな型だと見ていい。

早い段階でコロナウイルス感染拡大を受けた北海道では、旅行者の激減、全国のデパートでの催事の中止などが相次ぎ、道内の食料関連事業者は売り上げが激減、過剰在庫を抱えていたことに端を発し、そうした事業者の情報を一手に集約した掲示板が登場し、激安価格でカニやスイーツなどが自宅で手に入ると好評をだった。その後、旨いもんドットコムによる「食べて応援学校給食キャンペーン」といった学校休校による給食用の在庫処分なども矢継ぎ早に登場した。

こうした通販が可能な食品関連については、行政がキャンペーンサイトを公式に立ち上げて支援するというのもひとつの手だし、場合によっては地元商工団体で取り組んでもいい。周りを見渡すと事業主が高齢だったり、小規模でそこまで対応できておらず、通販対応していない(やり方がわからない、出来ない)店舗も多い。あえてご当地でしか手に入らないという戦略のお店もある。助成金を配るのもひとつだが、こういう時こそ信頼感のある行政が売り上げのサポートをするいい機会ではないか。

その中でも特に自治体ベースで取り組んでほしいのは、クラウドファンディングだ。既に、クラウドファンディングのポータルサイト「CAMPFIRE」を見ると、飲食事業者の有志が集まって、応援用のクラウドファンディングを立ち上げている。

私の地元でいえば、54店舗の地元飲食事業者が「京都自主ロックダウン推進委員会」という有志の団体を立ち上げ、維持費支援を訴えている。スキームとしては、5000円分の支援で5500円分の飲食クーポンがお礼として貰える。こうした取り組みがあちこちで行われているが、こうした取り組みこそ自治体でやるべきだ。

利益の先食いになると言われればそれまでだが、日々の売り上げを確保しないと先がないと感じている事業者が多い中、それまでの切れ目のない支援は大変有益だ。クラウドファンディングという資金調達は、浸透しつつはあるものの、まだまだ一般的に馴染みがあるとは言えないからこそ行政がやるべきなのだ。

正確に言えば、クラウドファンティングでなくグルーポンの様なクーポン販売型のサイトでいい。お食事券や宿泊券、サービス利用券をクーポンとして販売し、先に事業者にその費用が支払われる仕組みを作ればいい。4月11日、青森県八戸市の商工会議所青年部では、飲食、サービス事業者を対象とした緊急支援プロジェクトのサイトを独自に立ち上げている。こうした事業者に売り上げが入る仕組みを公的にいかに早く対応できるかが問われている。

「YEG 緊急支援プロジェクト はちのへ支援クーポン」特設サイトより:編集部

自治体関係者や商工団体関係者は是非検討をお願いしたい。

最後にもう一つ、事業者はこうしたクーポンを独自に発行するのも手だ。事業者ともなれば、それなりに人脈もお店のファンもいるのではないかと思う。コロナ終息後から一年間有効のお食事券やサービス利用券を作り、SNSで応援を呼びかければ、答えてくれる仲間も多いのではないだろうか。応援の意味で購入するが来店しないという方もいるだろう。

ちなみに先述の旅館のオーナーには普段の宴会で使える5000円の宴会券を作りませんかと提案をしたところだ。仕事柄、宴席が多い私は一番に購入するということも添えて。(もちろん半年後、宴会に参加するメンバーからその代金は徴収するが。)

行政に対しての注文は注文としてもちろんあるが、みんなができることをできるだけやることこそ、こうした有事においては大切だと改めて痛感する。

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村山 祥栄
前京都市会議員、大正大学客員教授

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