国会がオンライン化しない理由

2020年04月14日 14:00

Photo by atnote

誤解をおそれずに言います。

国会というのは、日本一非効率な場所です。

もちろん、民主主義だとか、少数意見の尊重だとか、全国民に強制的に適用される関係する法律を作っているとか、どうしても丁寧な調整が必要な特殊な仕事ではあります。

■紙文化
会議資料やお届けものは全て紙がデフォルトです。

■FAX
党と国会議員、国会議員と官僚、あげく国会議員が民間団体を呼んで主催する勉強会の出欠までFAXです。
FAXですよ!FAX!
議員事務所宛以外にFAXなんか使ったことありません。

■対面
議員レクはです。去年厚労省を退官する前に議員レクをテレビ会議でやるシステムを作ったのですが、使っているのは6人だそうです。

これじゃあ、官僚も国会職員も秘書もテレワークできません。どうやって人との接触を減らすんですか?

国民にテレワークを呼びかける立場の霞が関も、国会議員の対面+紙のコミュニケーションを変えないと無理です。

議員に呼ばれたらすぐ出勤です。
紙の資料のコピー、テレワークでできません。

さすがに意味不明なので、色んな人が声をあげています。

乙武氏が強弁政府に皮肉「国会審議こそテレワーク」(日刊スポーツ)

おそらく、なかなか変わらない背景は2つ。

■コミュニケーションの方法は偉い人が決める
コミュニケーションの方法って、目上の人に合せますよね?

官僚なんかも、民間企業と話す時は必ず霞が関に呼びつけますよね?
目上かなんかわかりませんが、昔からずっとそうです。
官僚が民間に出向くのは、審議会の委員向けと、見学くらいです。

でも、官僚は必ず国会議員のところに行きます。
国会議員の方が「偉い」とされているからです。

国会議員というのは、ほとんどすべての相手が自分のコミュニケーションの方法に合わせてくれる存在なんです。
その国会議員の中でも決める力のある「偉い人」のところには、皆が出向きます。

そうなんです。

偉い国会議員というのは、他人のコミュニケーションの仕方を合わせる必要なない唯一の職業といってもよいでしょう。

■年功序列・超縦社会
どんな企業も真っ青な縦社会です。
党の執行部に逆らったら次の選挙公認もらえません。

普通の企業なら、多少噛みついても左遷される程度です。
でも、議員は下手したらクビです。

国会議員の中で、テレワークやテレビ会議の導入を主張するのは、若手の議員です。

【自民党の若手】

国会もテレワークを 自民若手、「ネット出席」を提言―新型コロナ(時事通信)

【橋下さん】偉いけど50歳。政治家としては充分若いです。維新の会はわずかな人を除いてみんな若いです。

橋下徹氏 政府からのテレワーク要求に「まずは国会と霞が関がやってみなさい」(スポニチアネックス)

だから、国会議員の中でも、テレワークやテレビ会議を導入しようとすると、どうしても下克上的な話になるのです。

でもですね。

今、国会議員の中でも「偉い人」が、感染したらとても困りますよね。

ものが決まらなくなってしまうし、高齢の方ばかりなので気をつけてほしいです。

若手の国会議員の皆さん、
党派を超えてでも、なんでも実現してください。
職業がなんであろうが、感染しないことが今の社会正義です。
偉い人を守ることにもなります。

これを見て勇気を!


編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2020年4月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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千正 康裕
株式会社千正組代表取締役、元厚生労働省

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