今後のコロナ対策を読み解くための5つのポイント(4/14現在)

2020年04月15日 06:00

ども宇佐美です。
2月末に新型コロナに対する長期戦の心得のような記事を書きまして好評だったのですが、当時書いていたBADケースの入り口(感染病床が埋まりかけている状態)に差し掛かってしまったのでその続きです。

coji_coji_ac/写真AC

個人的にもいくつかの番組でコメンテーターとして、(実態は伴っているかどうかは別として)偉そうに世間の動きを評価しなければならない立場になりつつありますので、ここで私なりに今後のコロナ対策のあり方を読み解くためいくつかのポイントをまとめておきたいと思います。

① 新型コロナの流行は夏に一段落するかもしれないが、秋〜冬には第二波が来る

→現状新型コロナに関して最も楽観的なシナリオは「高温多湿な夏にある程度コロナの感染力が弱まって感染者数が一時的に収まる」というものである。このような楽観的な予測は複数の研究機関から否定的な見解が出ているが、仮にこの予測が当たったとしても、いずれにしろ新型コロナが完全に消滅することはないので秋〜冬にかけて本格的な第二波が来ることになる。過去のスペインかぜの例だと、日本だと3度に渡ってパンデミック起きている。

新型コロナウイルス(COVID-19)=WHO公式サイトから

② 新型コロナの問題はおそらく2年程度は解決しない

→ビル・ゲイツは過去からパンデミックに対する人類社会の脆弱性を指摘しており、今回のコロナ騒動への対策にあたって最前線に立っている一人である。ビルはインタンビューにおいて、アメリカの今後について以下のような見解を述べている。

①アメリカは6月には中間的な(ロックダウンからの)解放を迎える
②ただしその後もGDPを減っていくような状態を維持するしかない
③ワクチンが開発され世界中に行き渡るまでは「通常」に戻ることはできない。そのようなワクチンの流通は「18ヶ月後」程度である

これはあくまでアメリカについてのことで、日本ではなぜか(今のところ)欧米に比べれば新型コロナの感染速度が遅いのでアメリカほどの移動制限をしないでもすむようであるが、いずれにしろワクチンの流通までは通常には戻れない。そしてワクチンの流通が始まるのは18ヶ月後以降のようである。

③ 日本のクラスター対策とは要は「3密のもぐら叩き」である

→次は(今更ではあるが)日本でのコロナ対策の骨子である「クラスター対策とはどのようなものか」という話で、クラスター対策とは要は「3密のモグラ叩き」である。

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新型コロナに関しては、感染者の8割は誰にも感染させない一方、一人の感染者がいわゆる「3密」の状態で10人に感染させるというような広がり方で流行していることが日本の対策班の調査で判明した。これを利用したのがクラスター対策で、3密に近寄らないことを呼びかける一方で、感染が発生したクラスタに関しては徹底的に追跡調査をして新たなクラスタを生まないようにする、というものである。

ただ日本は話題になっているPCRの検査体制含め感染症の緊急事態に対する体制が脆弱なこともあり、どんなに頑張ったところで全てのクラスターは追いきれないので、クラスター対策は時間稼ぎには有用でも、抜本的な対策にはならないものである。

④ 緊急事態宣言はこれからも繰り返される可能性が高い

→上述のようにクラスター対策は抜本的な対策ではないので、東京都のようにいつかはクラスターを追いきれなくなって孤発例が増えてくる

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そうなると、必然的に感染者数の増加が徐々に加速度を増してくることになるので、どこかでゲームをリセットする必要が出てくる。それが緊急事態宣言なり自粛&休業要請である。こうして移動制限を敷いて一定程度立つと感染者数が減少してくるので、もう一度クラスター対策によるモグラ叩きを再開できる。

今後はこのような、

①3密をさけた日常&クラスター対策
②徐々に孤発例増加
③緊急事態宣言

を繰り返すことになると予測されるが、徐々にリモートワークの普及などで社会がコロナ対策を効率的にできるように適合してくるとも思われ、経済・社会に対する負の影響もまた徐々に減ってくるだろう

⑤ 給付はその場しのぎで準戦時経済へ移行せざるを得ない

→目下「休業と補償はセット」的な話題で連日世を賑わせてる給付をめぐる議論だが、一つ確実なことは「給付をし続けたら日本の財政はいずれ崩壊する」ということである。

集計にもよるが日本の政府総債務残高は1325.6兆円で、これ自体はただの事実で良くも悪くもないのだが、この結果金利上昇に極端に弱い構造になっている。一度金利が大きく上昇し始めると利払費が大幅に増えて財政悪化が止まらなくなってしまう。

新型コロナウイルス対策本部で発言する安倍首相(官邸サイトより)

したがって日本政府に給付のような形で一方的に支払いをする大判振る舞いを続ける能力はなく、政府の財政を拡大をするにしても、政府の資産も増やす形で財政を拡大していく必要がある。具体的には政府自ら公共事業をするか、資産を大量に買って民間企業にリースするような形になる。

まさしく「大きな政府」な訳だが、例えばアメリカが第二次世界大戦時に軍需工場を立てるような際はこのような仕組みを使ったようである。つまりは準戦時経済というわけだが、マスクなどの医療関係製品の製造はこのような形を今後取っていくことになるのかもしれない。

以上ざっと思うところを語ってきたが、私もこの先を確信できるほどの情報を持っているわけではないので、上記見解はあくまで暫定的なもので、随時新規情報を見解を改めていくこととしたい。

ではでは今回はこの辺で。

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宇佐美 典也
作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー

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