コロナ長期化なら、経済対策は「二段ロケット」で

2020年04月18日 11:30

緊急事態宣言も出され、国民の皆様に大変なご不便をお願いし、またご協力をいただいていることに心から感謝いたします。私自身は中国で発生した新型コロナウィルス感染症の諸外国や国際機関等との対応とともに、世界的にもメディアの関心がコロナ一色である一方で、依然として中国や北朝鮮の挑発的行動が続いていることもあるので、わが国の安全保障にかかわる外交についても粛々と進めているところです。

緊急事態宣言を受け臨時休業に入った都内のカラオケ店(編集部撮影)

さて、今日はここで、我々が現在置かれている状況の特殊性と、その結果としてとるべき経済対策の方向性について述べたいと思います。

まず、一つ目の状況として、今我々が置かれている状況は、ヒトとモノが止まっている状況が新型コロナが一定程度収束するまで続くという我々が経験したことのない長期的な事態だということです。最初の瞬間に最悪のポイントに落ち込んで、そこから回復に向かって経済を加速させていくという、これまでの自然災害やリーマンショックと異なる事態に我々が直面しているということの認識が重要です。

また二つ目として、日本は今でも終身雇用、長期雇用が主流で、解雇を極めてされにくい労働環境にあるということです。これらの要因を踏まえなければ、誤った政策を打ってしまうことになりかねません。

今回のようなヒトとモノの動きが止まってしまっている事態が長期化する場合には、経済対策は二段ロケットで考えられねばなりません。

まず第一段階として、ヒトとモノが止まっている時期には、いくらカネを広くばらまいても経済的には何の意味もありません。今必要なことは、一刻も早い収束をさせることであり、医療崩壊で犠牲を増やさないように重症者の方の数が人工呼吸器やECMOのキャパシティを越えないように全力を尽くすこと、そして雇用と企業を守り抜くこと、そして本当に困っている方への支援に集中することです。

これまで平時に財政健全化を怠ってきた我が国にあっては、他国のような財政的余裕はありません。キャパシティが限られている以上は、戦略を明確にし、効果を最大限にせねばなりません。だからこそ、戦略を明確にした選択と集中をより促していく必要があります。

収束が見えて、ヒトとモノが動き出したならば、そこで初めて、第二段階として、いわゆる消費刺激策、特に一番傷んだ飲食や観光、輸送関係などの業界を中心にした需要喚起策を、多くの国民の皆様に参加していただける形で打っていくことになります。

もちろん、設備投資関係も、ビジネスリスクを軽減するような構造改革を進められるものを中心に加速させられるようにせねばなりません。

この第一段階と第二段階の施策のタイミングを誤ると、効果が得られないことになりかねません。そして、日本の特徴の第二点目、解雇がされにくい社会システムという特徴は、この現在の第一段階の施策の在り方においても、他国と異なったアプローチを日本が必要としている背景になります。このことにも注意が必要です。

写真AC:編集部

従来より私は、現在の変化の速い経済構造にあって、国の成長を最大限実現するためには、ヒト(人材)とカネ(資金)が最も付加価値の高いビジネスセクターに向かうことが重要であり、そのためには日本の長期雇用慣行、閉鎖的な労働市場、高い水準の企業の内部留保、株の持ち合いなどを変えていく必要があると主張してきました。残念ながらこれらの課題は一部解決に向かっているものの、特に長期雇用慣行については、年齢指針も変わっておらず、新卒一括採用、終身雇用が大きく変わった状況にはありません。

このような状況の中で、今回の新型コロナに伴う事態が起こりました。日本においては、一部の例外はありますが、基本的には在宅・リモート勤務もしくは休業という状況で、雇用関係は維持されたままという方が今の段階では大半です。給与もしくは休業手当が企業から支給されているケースが雇用者においては大半です。一方欧米諸国においては、企業が労働者を囲い込まず、労働市場が流動的な慣行が定着していますので、この時期解雇が急増し収入が断たれてしまっている方が急増しています。

このような社会の状況の違いを考えれば、欧米においては家計に直接の給付を行うことで生活維持を行う必要が高い一方で、日本においては、企業に雇用を維持してもらうために、企業が休業を雇用者にお願いする場合には雇用調整助成金などを通じて企業に資金を投入してそこから企業経由で雇用者に給与ないし休業手当を提供してもらう、そして企業の資金繰り支援を行い企業が倒産しないように支援する、そこから漏れる個人事業主やフリーランス、あるいは本当に厳しい中小企業には持続化給付金で対応する、という手法が適切になってきます。そして本当に厳しくなった方には、生活のつなぎ資金として直接の給付を行うことももちろん必要です。

こうした、状況や社会の特性を適切にとらえた政策こそが今求められています。その実現に向けて全力で頑張ってまいります。


編集部より:この記事は、外務副大臣、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2020年4月17日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
鈴木 馨祐
衆議院議員(神奈川7区)、外務副大臣

過去の記事

ページの先頭に戻る↑