アフターコロナを考える:ハンコ廃止

2020年04月23日 16:00

今は人類が新型コロナウイルスと戦っている真っ最中ですけれども、やがてこれが終息した後は世界も日本も、様々なことが大きく変わると思います。

今は外出を減らすために政府もテレワークを推進しています。テレワーク、すなわち出勤しないで仕事をするということですが、建設業やスーパーなどの商店、農業や漁業などの分野では、まだまだ出勤しないと成り立たない仕事もあります。

私も現地に赴き話す講演などはことごとくキャンセルになっていますが、Web会議システムを使って打ち合わせや小さな会議を行なっています。実際に会って話すことも大事だなと思う気持ちはありますが、高い利便性は痛感しました。収束後の日本社会の会議のあり方として、間違いなく増えると私は思いました。

以前にもお伝えしましたが、東京オリンピック開催時の働き方としてテレワークの導入を政府としても進めていましたので、準備をしてきた民間企業はいくつもありました。しかし今回、コロナ対策として全社を挙げてテレワークに移行すると、いち早く発表した企業がありました。その会社はインターネット関連事業会社のGMOインターネットグループでした。なんと1月27日から全従業員の9割にあたる4000人をテレワークに切り替えました。

そのGMOが今月17日に印鑑の廃止を決めました。
引き金となったのは今月14日の竹本直一IT政策担当大臣が、日本のハンコ文化がテレワーク推進の障害になっているのではないかと記者に質問され「しょせんは民・民の話なので」と発言しました。その発言の翌日にGMOの熊谷正寿代表が「決めました。ハンコ廃止します」とツイッターでつぶやいたんです。そしてその2日後の17日にGMOが顧客の手続きや他社との契約などで印鑑を廃止することを正式に決定してプレスリリースしました。

例えばネット証券などで、取引前の口座開設時にはハンコを押印して申し込むことがありましたが、それもやめるということでしょう。そして、取引先との契約は電子契約のみでペーパーレスにすると発表しています。

実は民間企業内、あるいは民間企業同士でもハンコを無くすということができるそうです。例えば稟議書などは、それぞれの会社の中で見直せば済むだけのことでし、顧客との契約や企業同士の契約でも、判子じゃなくて電子署名を使えばできます。そもそも法律的には、契約というのは口約束でも電話でも成り立ちます。しかし、揉めたときなど後日の相違をなくすために、書面にしておくのが契約書です。そこになぜハンコを押すのかといえば、民事訴訟法に署名又は押印と書いてあるからですが、その意味ではサインでも構わないわけです。

さらに電子化が進んで、平成10年 (1998年)には電子帳簿保存法が施行されました。さらにIT化が進み、平成13年(2001年) 電子署名及び認証業務に関する法律が整備されてきました。そうでなければ、どんなにIT化が進んでも全部紙にしなければいけないということになってしまいますよね。

こういう話をしていると「いやあ、紙じゃないと安心できないんだ」なんて声が聞こえてきそうですが、火事や地震など万が一のことを考えれば、バックアップできる電子化の方がよほど安全かもしれません。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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