男と女、その行動パターン 〜 大阪・松井市長の発言から考える

大阪の松井一郎市長が面白いことを発言しています。「新型コロナウイルス対策で飲食店の営業が減り、スーパーが混み合っている問題について『(女性は)商品を見ながらあれがいいとか時間がかかる。男は言われた物をぱぱっと買って帰れるから(男性が)接触を避けて買い物に行くのがいいと思う』」(産経より)。

この記事が何を言いたいのか、よくわかりませんが、それなりに意見が出てくるのでしょう。蓮舫さんがそのあと食って掛かっていますが、蓮舫さんはピンずれではないと思います。

男と女、いくら平等だといってもそれは社会的平等を言っているのであって生物学的には違います。私はよく自分を含めた男性のことを「incomplete(不完全)な生物体」と冗談交じり且つ、自嘲気味に申し上げます。なぜかといえば男は子供を産めないのです。男の赤ん坊は大体、体が弱く、病弱なケースが多いし、「お子さん、しっかりしているわね」というのは大抵女児のことを言います。

そんな男女の違いをしっかりビジネスに取り入れられたら商売人としてなかなかのセンスだと思います。男性向けと女性向けのマーケティングやキャッチトークはそれぞれ違いますし、商品にも変化球を入れたりします。

Photo B/写真AC:編集部

さて、松井市長の指摘するスーパーの混雑ですが、女性はなぜ、買い物に時間がかかるのでしょうか?私も日本でスーパーに買い物に行くと確かに私の方がさっさと終わっています。理由は買うものが頭の中にあるため、欲しいものを取ると興味ない売り場は素通りするからです。

ところが概ね、女性は主な売り場は舐めるように商品をチェックしていきます。そして目ざとくお買い得商品をゲットするのです。

昔のコントに「おい、今日は肉じゃなかったのか?」「スーパーで魚が安かったのよ」という夫婦の会話があったと思います。男なら何が何でも肉を買うのですが、女性はそれを超える魅力があれば魚でも購入してしまうのです。つまり発見する楽しみがあること、そしてそれを近所の人と駄話するのが大好きなのです。よって語弊はあるかもしれませんが、主婦の方は世界経済はわからないけれどスーパーの魚や野菜のことなら非常に精密な情報を各方面から入手し、分析し、かつ、ママチャリで実地調査にまで赴くのであります。

ところで女性の駄話に悩み相談というのがあります。「奥さん、私、どうしようー」というくだりです。ところが女性はその話を他人に持ちだした時点で概ね自分の中で方針は固まっています。「〇〇さんのこと、どう思う?」と言った時点で質問者には既に答えがあり、聞かれた人は「そうよ、それがいいわ」と肯定されて背中を押される嬉しさを求めているわけで、女性の付き合い方の基本中の基本であります。

ですので、男性が女性とうまくやるなら褒めながらもう一工夫というスタンスで臨むとうまくいくはずです。多くの男性はまず全否定して「そんなんじゃだめだ、こうだろ!」と言いたいところですが、それが使えるのは男性に指示するときだけで女性にそれを言うとアウトであります。

コロナで外出がしにくい世の中、ネットでの買い物もアマゾンより女性はメルカリの方が楽しいのではないかと思うのです。理由はアマゾンは商品が多そうで実はこだわりだすと商品の奥行きに乏しいのですが、メルカリは中古ながら「あっ、これ試してみたかったんだ」という発見があるのです。

今回の緊急事態宣言がもたらす男女の行動の差異を通じてコロナ後のビジネスの展開を考えるとそれなりになかなか面白い戦略が描けるのではないかと思った次第であります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年4月26日の記事より転載させていただきました。