最近のコロナウイルスに関するデータからの考察

コロナウイルスに関する最近の各国におけるデータから、次のようなファクトが新たに発覚してきました。

一つは先日の「慶応義塾大学病院 新型コロナ以外の無症状患者の6%がPCR検査陽性 院外・市中感染の可能性も」という状況です。もう一つは「NY州の13.9%に抗体確認、270万人に相当-3000人検査で」という状況です。此の計算で行くと致死率は0.5%位で非常に下がります。昨日明かされたところで「7500人に増やした結果、14.9%で抗体が確認された」ようですから、致死率は更に下がることになります。

NY州で行われているドライブスルー方式のPCR検査(New York National Guard/flickr:編集部)

こうしたファクトから考えて、日本は早急に大規模な抗体検査を実施すべきであります。PCR検査は遅きに失して、今の時点では抗体検査の方を寧ろやるべきではないか、と私は思っています。抗体を持っている人が非常に多いのであれば、抗体検査の地域的な状況等様々な事柄を検討しながら、此の自粛を徐々に止めて行くという形に誘導すべきでしょう。そうでないと、経済自体が余りに大きな打撃を受けてしまいます。

尤も、今回の見えざる敵との戦いは、嘗ての戦争と違って生産力自体は直ぐに復活し得るわけで、そういう意味では遥かに楽だと思います。況して抗体検査を実施して抗体を持っている人が多いことが分かってきますと、次第に集団免疫への可能性が出てくるのではと思われます。

また、別の観点から分かったファクトで私が非常に興味を持ったのは、一つに、疫学的・解剖学的な結論から言って、此のウイルスが血管内に多数こびり付いていることが認められた、ということがあります。更に、小さな子供でも皮膚に紫斑病(しはんびょう)の如き症状があらわれているケースが過去いくつも見られたそうです。

そして、今回新たに血栓が生じるのではないかと指摘され出しました。それが、一つの大きな死因になっているようです。考えてみますと、前々から糖尿病の人や高血圧の人が重症になり易いと言われてきたわけで、血栓が出来たり血の流通を悪くしたりすることがあるのかもしれません。石田純一さんもアビガンを飲んで急回復し、血液が濃くなったというような話が報道されていましたが、どうも血管・血液といったところと深く関わりを持っているのではと思われます。

三つ目のファクトとして、人間の便の中にもウイルスが大量に発見されました。即ち、之は呼吸器疾患というだけでなしに、消化管にもウイルスが入り悪戯をしている可能性があります。対策として手洗いは勿論のこと、便器を消毒するといったことも必要になるのではないでしょうか。あるいは、同じ料理を共同で食べるといったことも注意しなければならない、というような気がします。

また、此のウイルスは中枢神経をも侵して行く可能性があります。先月7日に分かった「新型コロナで髄膜炎 国内初、山梨大病院で患者重症」の他、幾つかの例で発覚してきているようです。ちなみに、山梨大病院ではアビガンを此の患者に10日間投与し、回復に導いたとされています。

こうしたファクトから考えれば、「軽症者は自宅待機」というわけには行かないでしょう。やはり血液検査を頻繁にやりながら、血液の濃度や血中酸素を調べて行く必要があるのではないでしょうか。従って、先ずは早急に「軽症者はホテル宿泊療養」を完遂すべきだと思われます。

最後にアビガンについては、色々な国で之を飲んで良くなったと多数の人が言っています。日本でも私の知っている人を含めて様々な人が、同じように言っています。もう2000人以上の人が飲み、良い結果が出ていると言われています。副作用がある妊婦は兎も角として、通常の診療で之が処方されるよう、従前の創薬の法的制度を無視してでも、一刻も早く政府として超法規的な特例措置を下すべきだと思います。

一昨日の日経新聞記事「アビガン、早期承認は未知数 米欧にスピード感で後れ」を見て呆れましたが、少なくとも米独でOKになったら日本も直ちに最低限OKにすべきです。その方が明らかに多くの命が救われます。そういうことをやるのが政治なのです。何でも彼でも専門家の意見が正しいと思うのは、私は大きな間違いだと思います。之こそ正に、政治判断すべき事柄ではないでしょうか。


編集部より:この記事は、北尾吉孝氏のブログ「北尾吉孝日記」2020年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。