コロナ対策に商業用不動産の保証金の見直しを

2020年05月05日 11:30

コロナ対策に商業用不動産の保証金の見直しをすべきです。これは以前から繰り返して申し上げております。

民間にある「埋蔵金」商業不動産の馬鹿高い保証金

DragonOne/写真AC

保証金の減額が倒産や雇用止めを防ぐ有用な策となります。
保証金を減らし、テナントに返すことができるようになれば、テナント、大家ともにメリットがあります。特に小売店には効果大です。

店舗や事務所などの賃貸の場合、家賃の20〜30ヶ月分という金額の保証金を要求されます。これは諸外国と比べてめちゃくちゃに多い。

何故こうなっているかというと、我が国が法治国家ではないからです。
家賃を払わない、あるいは夜逃げしたようなテナントを排除することができない。
テナントが過剰に優遇され、大家は裁判を起こしても時間はかかるし、排除、退去に関する費用も自分持ちです。何年も時間を費やし、費用も過大です。夜逃げしたテナントの残したものを勝手に処分できずに倉庫を借りて保管しないといけない。

テナントに対しても過大な保証金は問題です。まず銀行などに預ける供託金ではないので、大家が使い込んでしまうことが多々あります。その場合ほぼ返ってきません。また保証金にキャッシュを取られるので運転資金が厳しくなります。

きちんと当局がテナントの不払いや夜逃げを排除することができれば保証金は遥かに少なくて済みます。そうすればテナントの運転資金は増えて、今回のコロナに際しても生き残るための原資となるでしょう。
おそらくはその金額は数兆円になるでしょう。

例えば、家賃50万円で、保証金が20ヶ月、1千万円の飲食店だとしましょう。この保証金を2ヶ月にすれば100万円です。すると900万円の資金がテナントに戻ってきます。仮に毎月の売上が400万円で、人件費やあれこれ経費が300万円しましょう。完全に休業すれば約3割の食材費はかからないので、120万円マイナスですから180万円。デイタイムだけの営業であればその半分の60万円として経費は240万円です。
であれば4〜5ヶ月はもつことになります。

これは極めて大きいと思います。大家にしてもテナントが家賃を払えなくなる事態を避けられるでしょう。仮に保証金でなんとかなってもこの時勢では次のテナントが簡単には決まらないでしょう。

中途半端な休業補償よりも、より助けになります。この保証金の返還とある程度の休業補償のあわせ技があれば生き残れる業者のレートはかなり大きくなるでしょう。また雇用も維持できます。
家賃が払えずに廃業した場合、自営業者や経営者は失業保険にはいれないので、深刻な問題となります。

これは大金がかかるわけではありません。多少は法改正が必要かもしれませんが、大したことはないでしょう。あとは警察なり自治体なりが、家賃を払わないテナントを責任もって排除するシステムをつくることです。単に法治国家として当然のことをすればいいだけです。

とりあえず、現状では政府が大家に何割かの保証金を返すように要請し、それでテナントが家賃の滞納や夜逃げした場合、当局が補償するようにすればいいでしょう。その間法整備や、実務の手順を詰めればいい。

これは中小零細だけではなく、大手の小売、飲食店チェーンにも有用です。
またコロナ以後の小売店の資金繰りや投資にも有用です。
Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。

【NEW】防衛大臣囲み取材は「三密」

軽装甲車の防御力強化策のトレンド

現代の主力戦車の進化は限界 前編

現代の主力戦車の進化は限界 後編

European Security & Defence に以下の記事を寄稿しました。

Hitachi wins Japanese bulldozer contract

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

培養肉がこの先「有望」な食材になりうる事情 環境負荷や食料自給の観点からも期待集まる

防衛記者クラブの「台所事情」何とも厳しい実態 不要不急の支出、財政破綻の危機を迎えていた


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2020年5月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

過去の記事

ページの先頭に戻る↑