「家にいよう」で抱える心のストレスにどう臨むか

2020年05月07日 06:00

FineGraphics/写真AC

新型コロナウイルス感染症の蔓延を止めるために、「家にいよう」を訴えるキャンペーンが続いています。しかし、「巣ごもり」は心に大きなストレスを与えます。私たちはどのように対応したらよいのでしょうか。川崎市精神保健福祉センターの竹島正所長にご意見を伺いました。

Q1:多くの人が「家にいよう」に大きなストレスを感じ、日がたつにつれてストレスが増しています。アドバイスをいただけますか。

「家にいよう」を訴えるキャンペーンは、決して、家の中に閉じこもって、何もしないで過ごすことを求めているわけではありません。

読書、散歩、ジョギングなど、“3密”を避けても楽しめることはいろいろあります。

しかし、どうしても家にいることが多くなりますので、ふだんの生活リズムを大切にしましょう。

食事・睡眠・運動を適度にとり、友人などとの電話やメールなど、社会との接点を大切にしましょう。自分の経験の中で、気持ちを楽にするために役に立ったことを活用しましょう。

タバコやお酒などに頼らないようにしましょう。

Q2:家族の心のストレスを解消するためにできることはありますか。

絶え間なく、感染拡大のニュースに接していると、誰でも不安になってしまいます。不確かな、不安をあおりたてるような情報を避けて、自分や大切なひとを守るための実践的な情報を、信頼できる情報源から得るようにしましょう。

いつもの生活を大切にして、日常つながりのある人たちから孤立しないようにしましょう。電話やインターネットなどで信頼している人と話したりすることで、気持ちが楽になります。

子どもには、話しやすい雰囲気や時間をつくり、気持ちを聞きましょう。ウィルスや感染防止についての正しい知識を、わかりやすく伝えましょう。

Q3:障害をもつ人やその家族、支援者などにはどのようなことが起こっていますか。

川崎区の支援者を対象に髙瀨顕功氏(大正大学)らが実施したアンケート調査によると、多くの支援者は、障害をもつ人やその家族の行動が制限され、精神的ストレスが増加していると感じています。これによって、生活リズムの乱れ、不安感の増大、家庭関係の悪化などが生じることもあります。

感染の心配や収入の不安から、通所サービスの利用を控える傾向があります。訪問支援による利用者の心理的なケアが困難で、虐待の心配のあるケースの状況確認もしにくいと聞きます。

支援者は、地域の感染状況、福祉サービスの提供状況、発生している生活課題など、適切なサービスを提供するためのスピーディな情報共有を求めています。

訪問系サービスや相談業務は、感染リスクをともなうため、感染予防の知識や技術を知りたいという声や、そのリスクに向き合う支援者側の不安や葛藤を共有し、和らげる職場の雰囲気が必要という意見もあります。このように、具体的な技術とともに支援者の精神的なサポートも求められています。

Q4:精神に障害をもつ人などストレスを受けやすい人にどのように対応したらよいですか。

日常の生活リズムを大切にしてあげてください。

話しやすい雰囲気や時間をつくり、気持ちを聞きましょう。ウィルスや感染防止についての正しい知識を、わかりやすく伝えましょう。受診している方の場合は、主治医と電話などで連絡を取り、服薬や治療が続けられるようにしてください。

Q5:緊急事態宣言は延長されました。心の健康を保つために、どんなことをしたらよいですか。

感染した人もつらい思いをしています。感染した人は、支援、思いやり、やさしさ、必要な治療を受ける権利があります。感染から回復した人の声、回復を支えた人の声、それに共感した人の声に耳を傾けましょう。

感染した人々の治療にあたる医療従事者、支援にあたる人々、救急隊、警察官などに敬意を示しましょう。あなたや、あなたの大切な人の安全を守るためにがんばっている人たちです。

あなた自身の身を守り、周りの人の手助けをしましょう。手助けすることは、自分のためにもなります。

参考資料:

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山田 肇
ICPF理事長、東洋大学名誉教授

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