相手が政治家だから、自分は有権者だから…それでも暴力は絶対ダメ!!

音喜多 駿

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

あまりおおっぴらに言うことではないと思っているのですが…。

駅前が一時騒然としてしまい、遠巻きに写真を撮っている方もいたので、あやふやな情報が流れる前にとTweetした通り、

昨日(5月9日)、赤羽駅前でコロナ対策の支援策をまとめたレポートを希望者にお配りしていたところ、激昂した男性に顔面を強く殴打されるという事件が発生しました。

以下、必要最小限の事実を私なりにご説明いたします。

なお、殴られた背景説明に必要な情報のため、政党や議員の話も出てまいりますが、決して特定政党・政治家の支援者すべてが暴力的だというわけではありませんので、その点はくれぐれもご考慮いただければ幸いです。

お怒りの理由は、「障害者差別は許せない!」というものでした。

過日に私がある国会議員の歳費について触れたコメントが、応援している◯◯議員に対して極めて失礼であり、差別的で許しがたいとのこと。

私としては当時、決して差別的な意図をもっていたわけではなかったとご説明しようとしたところ、右手で思い切り頬をバチン!と強打。

これはまずいと思い、周りの方に気づいてもらうために「いま、殴りましたね!」と少し大きな声を出したところ、周囲の目線が集まる。

その中で、

「俺は区内の有権者だ。おまえを政治家として許さない。政治家としての道を絶ってやる!」

というようなことを叫ばれるので、

「あなたには私を批判する権利がある。選挙で落選させることもできる。でも、私を殴る権利はないはずです!」

と申し上げたところ、もう一発バチン!

ここで私の身内が呼びに言った警察官が駆けつけ、相手は「殴った。逃げも隠れもしない!」とあっさり容疑を認めたため、その場で身柄が拘束されました(逮捕なのか任意同行なのかはわかりません)。

その後も色々と私に向かって罵詈雑言を叫んでいましたが、若い警察官の方が

「だからといってアナタ、人を殴って良い理由にはならないでしょう!」

と一喝して下さったので、少し救われたような気分になりました。

もちろんやり返すどころか、相手の方には指一本触れていないものの、被害者でも事情聴取・被害届の提出には時間がかかるもの。

殴られた場面を再現して写真を撮ったり、マジックミラーごしに加害者の確認をしたりと色々なプロセスを警察署で経まして、約4時間(!)で解放されて今にいたるという感じです。

私も政治家としてそれなりに街頭活動を続けてきた中で、押し問答のようになったことはあるものの、さすがにストレートに顔面を殴られたことはなかったので大きな衝撃でした。

怪我自体は頬まで覆われる大きいマスクをしていたこともあり、ほっぺが痛い程度の軽症なのですが、

「相手が刃物とかをもってなくてよかったですね…」

と警察官の方にしみじみと言われ、改めてその危険性に背筋がゾッとしたところです。

政治家は公僕であり、有権者に仕える存在です。

私にも至らぬ点は多々あり、批判をされたいこともあるでしょう。過日の発言については、失言であったと謝罪をしましたし、それですべてが済んだとも思っておりません。

しかしだからといって、サンドバッグのように殴ったり、暴力を振るうことは決して許されないことですし、加害者の方にはその行為に対して相応の処罰が下ることを望みます。

一方で、結果として緊急事態宣言の中、現場でご対応いただいた警察官の方などに多大なるご負担をかけてしまいました

※近くのスタッフが現場検証の様子を撮影

コロナの支援策をお伝えするという活動の最中であり、また決してそれに対するクレームから発生した暴力事件ではありませんが、支援活動や情報発信に改善できる点はないかを改めて検討したいと思います。

政治家の立場はこの点でも難しく、活動を自粛していれば、もっと現場に行って人々の声を聞け・汗を流せと怒られる。

一方で支援策をまとめたチラシを配り、人々の声に耳を傾けようと動けば、自粛期間に何をしているんだと批判される。

ただ実際には、支援チラシには連日数十件の反響があり、行政への電話がつながらない中で相談に応じ、我々の活動は決して間違ったものではないと感じています。

今日の出来事に心がくじけることのないよう、しかし反省を活かして創意工夫を重ね、明日からも皆さまのお役に立てるよう尽力をして参ります。

ご心配をおかけしました。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年5月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。