検察庁法改正:中田流3つの論点

Twitterでは「#検察庁法改正案に抗議します」が盛り上がっています。
約700万件のツイートが相次ぎ、1日で200万件が増えたこの増え方はすごいですね。

日ごろ「とにかく社会に関心を持て!」と言っている私としては、とにかく良いことだと思ってます。こうして毎日ブログで発信を続けているのもそうなんですけどね、もっと多くの人に社会に関心を持ってもらいたい、その一念です。ボランティアかと言われると、誰にも求められてませんので勝手なお世話です。

さて、今回のこの大盛り上がりの議論における私の3つの論点をピックアップしてみました。

まず一つ目は、「知らない人が発言するな!的、論点」です。

700万件超えのツイートの中には多くの芸能人も発言しており、きゃりーぱみゅぱみゅさんが発言したけど、ツイートを取り消しちゃいました。自分の意見と一緒に、“特別に検事総長にしてあげる”“政治家を守ってあげる”という矢印が付いたチャートを出していました。確かに荒っぽい図ではありましたけどね。それに対して、「芸能人が知らないのに発言するじゃね」みたいな批判もあって、キャリーさんじゃ削除しちゃいました。

しかし、削除する必要はなかったと私は思います。やっぱりこういうことを通じて多くの人が関心を持っていく、そして関心を持てば様々な意見や情報が入ってくる、そうした情報に正しいものもあればそうじゃないものもある、そうやって色々とみんなでわかっていくわけです。

きゃりーぱみゅぱみゅさんこれからも臆せずに発言してください。

二つ目の論点は、「コロナの方が大事でなぜ今?的、論点」です。

これは新型コロナウイルスも大事ですが、重要な議論、重要な法律案、これらは国会で議論を当然しなければ駄目です。そうっでなかれば、コロナ関連の議論する人以外は休みになってしまいます。今回、検察が問題になってますけれども、国家公務員法の改正案についてもやらなければいけません。人手不足や年金問題などで、民間企業にも70歳までの就業確保に努める法律がすでに成立もしています。ただ、検察庁法改正案についてはちょっと後でも言いたいと思います。

三つ目の論点は、「検察の人事に政治が介入するな!的、論点」です。

今回の議論で特に重要なところで本質的な問題になります。「#検察庁法改正案に抗議します」は当然批判が多く、その中でも時の政府や政治家が都合のいい人を検察のトップに据えるんじゃないかということです。それによって政治家への忖度、すなわち政治家の事件の立件などが、手緩くなるというようなことなどが考えられるということなんですが、一方で私が言うよりも説得力のある堀江隆文氏はこう言っています。

「検察が正義は間違い」「多少、内閣が検察の人事に対してある程度、発言力が出てくるっていうのは悪いことでもなんでもない」です。なぜ堀江さんの説得力あるかは、2006年1月23日に当時ライブドア代表取締役社長だった堀江氏は証券取引法違反の疑いで東京地検に逮捕された経験があるからです。

我が国は民主主義国ですから当然国民が政治家を選んでいます。ところが検察官は、強大な権力を持っていますけれども、国民が選んだわけではないので、検察の暴走、これ実際になかったわけではありません。そういう意味で国民が選んだ内閣が検察の人事に関与するということこれはやっぱり必要なことでもあるわけです。

以上3つ私の視点をお伝えしました。

しかし、今回はここまで批判が盛り上がったという原因は、いろいろと疑問がついちゃってるからなんですね。

すでにすったもんだで定年を延長した人がいたり、なぜ国会公務員法と検察庁法改正案がセットで提案されて議論されているのかなどです。確かに検察官の独立性は大事なので、公務員法と別けて法律がありますので、別々に議論するべきという意見も確かにそうです。国会では内閣委員会で議論されていますが、内閣委員会ではまさにコロナ対応を含めた議論をしなければなりません。それに対して検察庁法改正案は本来、法務委員会で議論するべきです。ここら辺がどっかおかしいと国民に疑念を持たれていることになっています。

野党は火事場泥棒ならぬコロナ場泥棒と言ってますけれども、このままだとコロナが収束しても、検察庁法こそれが収束しないかもしれません。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年5月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。