10分で読む世界史と世界史における新型コロナ①

2020年05月16日 16:00

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新型コロナ騒動で不思議だったのは、Amazonだけでなく通販が軒並み滞留したことだった。書籍については、さらに、生活物資優先と言うことで、あとまわしにされたらしく、在庫なしにもかかわらず、通販業者から注文も来ないというひどい状況だと出版界は苦境だ。

というわけで、発売早々、流通量が少ないままの『365日でわかる世界史 世界200カ国の歴史を「読む事典」』(清談社)だが、中国、台湾、韓国からも翻訳したいとのお話もあり嬉しい限りである。

この本のうち、最初の10ページは、「10ページでわかる世界史の流れ」ということなのだが、なかなか好評だ。ただ、新型コロナはさすがに書いてないので、アゴラでは、全体を数分の一程度に圧縮したものと、新型コロナを世界史にどう位置づけるかを二回に分けて書いてみよう。

1. 聖書に登場するアダムとイブの物語

人類の始祖はアダムとイブという男女であると「旧約聖書」では書いてあり、これは、キリスト教もイスラム教にも採用されているから、世界人口の半分以上の共通認識だ。つまり世界は人々はみな兄弟という思想である。エデンの園はアルメニアともバーレーンとも言われる。

2. ミトコンドリア・イブからロムルスまで

近年の科学の進歩は、現生人類の誕生が、世界のあちこちで起きたのでなく、アダムとイブを思わすミトコンドリア・イブという共通の先祖がいることを明らかにした。人類の誕生は数百万年前、アフリカ大陸南部のことといわれる。人類最古の文明として四大文明があったといわれるが、メソポタミアが先行しており、他の文明はそこから影響を受けて誕生した可能性が強いという考え方が有力だ

3. 古代帝国の誕生が世界をつくった

世界史で皇帝とか帝国というのは、多数の国とか民族を束ねた政治形態をいうのが普通で、西洋史で最初に現れたのは、アッシリア(シリアの語源)でアケメネス朝ペルシャを経てアレクサンドロス大王を経てローマに引き継がれた。哲学や科学を生み出したのは、、ギリシャ文明であり、仏教もアレクサンドロス大王の遠征が引き起こした変動の中で発展した。

アレクサンドロス大王(Wikipedia)

4. 三大宗教が古代文明を人類普遍のものにした

世界三大宗教といえば、キリスト教、イスラム教、仏教だが、これらの宗教は、民族などを超えた普遍的な世界観をつくりだし、世界の文明に規範を与え、宗教としてでなく、文明全般を広く広める内容を持っていた。日本も仏教が伝来することで読み書きが普及するなど文明をワンセットとして受け入れることになった。

ローマでは、他民族化するにあたって、伝統宗教が共通信仰には向かないので、ユダヤ教から民族的な要素を抜き去り、民族を超えた愛をうたったキリスト教が勝ち残った。イスラム教はどのような政治をするかまで具体的な指針を示した、キリスト教の進化形だった。

5. イスラムの拡大と世界の変動期

三大宗教のうちイスラム教は、ムハンマド自身が強力な宗教国家をアラビア半島に創り上げた。そのために、政治や法律を含む社会のあり方に具体的な指針を示したキリスト教の進化形だった。それへの対応を巡って、イスラムに近づこうという正教会と土俗信仰を採り入れようというローマ教会に分かれた。

6. 大航海時代はレコンキスタの延長線上にある

大航海時代はイベリア半島をイスラム勢力から取り戻そうというレコンキスタ(国土回復運動)の一環として、ポルトガルがアフリカに進出したことで始まり、インド、中国、日本にまで西洋文明の影響を及ぼし、東洋の文明を西洋に伝えた。スペイン人はアメリカ大陸に進出し、大量の銀や新しい作物や病気ももたらした。モンゴルの遠征は専制主義とペストを西洋にも広めた。

ペスト大流行後の社会の混乱や恐怖を描いたブリューゲルの『死の勝利』(Wikipedia)

7. ウェストファリア条約こそ近代の始まりだ

近代以降の世界は、「すべての人類がどこかの国民であり」、「国民はそれぞれの国家の枠内で権利と義務を持ち」、「海外とのやりとりは自分の国を通してしかできない」「すべての国家は対等の存在である」ことを基本原則として動いているが、これはドイツ30年戦争ののちフランス主導による「ウェストファリア体制」と呼ばれる。そして、この統治思想と産業革命のお陰で西欧文明の世界制覇が始まった。この時代に中国は準鎖国、日本は鎖国で文明の進歩から差を付けられた。

8. フランス革命の否定は世界の常識に反する

フランス革命は、自由・平等・博愛という民主主義の基本思想を確立し、憲政という思想、普遍的な人権などの生んだ。そして、それが世界に近代国家としての模範になったのは、ナポレオンが真似やすい形を実現したからだ。

ボワイユ画『サン・キュロットに扮した歌手シュナール』(Wikipedia)

9. ドイツ帝国が英仏に挑戦して二度の世界大戦

ナポレオンはハプスブルク家によるドイツの統一を阻止する国際秩序をつくったが、かわりにプロイセンがドイツ統一の主役になった。ビスマルクはそれ以上の野心は捨てようとしたが、ウィルヘルム二世は、祖母であるビクトリア女王の大英帝国に対抗して世界の支配者であろうとし、オーストリアとオスマン帝国という多民族国家を味方につけて第一維持世界大戦を起こした。

そのなかで、ロシア、オスマン帝国、大清帝国という多民族国家が滅亡し、アメリカ、イギリス、フランス、日本が戦勝国となった。ところが、日本はアジアから英米の支配を排除しようとし、英米は中国に傾斜し、その連携にソ連が加わり、ヨーロッパでの復権をもくろむドイツにイタリアと日本が与して第二次世界大戦となった。(続きはこちら

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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