9月入学:出来ない理由ならいくらでも出せるだろうが…

早川 忠孝

GAHAG

大方の人は保守派だろうから、ついつい現状維持派になってしまうのだと思う。

9月入学制については、反対の声が相当大きくなっているようだ。
自民党の中からも反対の声が上がってきているから、これを突破するのはかなり難しくなってきている、というのが率直な私の印象である。

まあ、何もしない方が楽なことは間違いない。

9月入学制への移行などトンデモナイ、と皆さんが言いたくなる気持ちはよく分かる。
しかし、どんな制度でも、変わるときはあっという間に変わるものである。

改革マインドが旺盛な人が、然るべき掌に就いていると、本当にあっという間に変わる。

近くは、郵政改革と司法改革。

小泉さんがいなければ、郵政3事業の民営化はいつまでも実現しなかっただろうし、司法改革も似たようなものである。
郵政3事業民営化と司法改革のいずれにしても、未だにいくつかの問題があることは否定しがたいが、当時の判断としては大筋において間違っていなかったように思う。

やるかやらないかは、結局は政治が決断しなければならない。

いずれやるのだったら、やはり今だろう。

今が、9月入学制の実施の可否を考えるうえでの最適の時期だという判断自体は間違っていない。
ここで見送ることにすれば、まず、当分の間この問題は政治上の課題として浮上することはない。

注目すべきは、自民党の中の9月入学制実施検討ワーキングチームの検討結果である。

ここで何らかの前向きの提案があれば、大体はその提案の線に沿って粛々と前に進むはずである。

新聞報道では、5歳小学校入学制が検討されているという。
ほう、そんな案もあるのか、と感心しているところだ。

こういう提案は、文部科学省からはまず出ない。

自民党の中には、それなりに柔軟で斬新な発想の持ち主がいる、ということだろう。
いいことである。

まずは、自民党の中で十分議論を尽くすことである。
迂闊な議論ではみんな困ってしまうが、反対意見があることを十分承知しながら、周到に練られた提案であれば、大方の人は納得されるはずである。

コロナでオープンな議論が出来なくて、皆さん、さぞ困っておられるだろうが、ここは、マスコミフルオープンの会議で議論を尽くしてもらいたいものである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年5月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。