100万円に増額されたことで、家賃支援策は改善されたのか

2020年05月26日 16:00

家賃問題の投稿が続きますが、閣議決定されるまでの残り1日が山場なのでご理解下さい。飲食業も、その他サービス業も、この問題が解決されれば存続できるところが圧倒的に増えるのです。

岸田政調会長から提言を受ける安倍首相(21日、官邸HP)

昨日の記者会見では緊急事態宣言の解除と共に、幾つかの経済対策が安倍総理から示されました。その一つが家賃支援についてだったのですが、中にはサプライズが組み込まれていました。

直前まで岸田案としてほぼ確定と言われていた1社に最大300万円の家賃支援(50万円×6ヶ月)が一気に600万円(100万円×6ヶ月)に倍増されたのです。

この流れは、4月上旬に緊急経済対策に盛り込む「現金給付」を一世帯あたり20万円から30万円に増額した時のことを思い出させます。あの時は岸田さんが官邸で安倍総理に直談判し、急遽10万円の増額を勝ち得たということで話題になりましたが、今回は逆になってしまったものの、金額を倍にしたのはサプライズ効果を狙ってのことでしょう。

繰り返しになりますが、個人事業主や小規模企業として1、2店舗を経営しているところは、持続化給付金、各自治体の協力金、雇用調整助成金等に加えて「50万円給付」があれば、それで助かるところが多かったのです。100万円へ倍増されたメリットは、都会で営業されているところの充足率が高まった、もしくは地方で営業しているところが3、4店舗ぐらいまでは満額で救済されるようになったと言うことでしょうか。

しかし、4店舗以上を経営するような中堅企業は未だに忘れ去られた存在になっています。月に数千万円の家賃を払っているところにとっては、一社あたりの給付額が50万円から100万円に増えても焼け石に水状態は変わりません。

やはり、これは給付金でやることの限界なのです。仮に、(現状でも助からないところが多いので)金額を上乗せするようなことになれば、小規模企業にとっては益々「お釣りが出る」状態になり、不公平感が高まっていくでしょう。
どうしてもバラマキ方式でやりたいなら、上限の金額を低くして、一社ではなく、一店舗あたりにする方が理にかなっています。

[例えば一店舗あたり20万円/月、高額な地域は一店舗あたり30万円/月の給付にするなど]

なぜ、そのようなアドバイスを真剣に総理や政調会長にできる経済・経営通のブレーンがいないのでしょうか。

国はいかなる時にも最大多数の最大幸福を念頭に動かなくてはなりません。むしろ100万円に増額されたことによって、家賃支援は不公平感・不平等感が増幅しているだけです。

やはり、自助努力という意味でも、真水じゃないという意味でも、家賃支払い猶予法のように、家賃分を政府が一時的に立て替えて、それをテナントが返済していく制度設計の方が国民的に理解を得られるのではないでしょうか。

撤回が無理なら給付金制度は残しつつ、中堅への支援策として政府系金融機関による家賃立替分を劣後ローンとして組み立てれば分かりやすく、手続きもスピーディーになるはずです。

前回の補正予算の時は、岸田さんによって増額された減収世帯への30万円給付を安倍総理は再度変更し、全国民への一律10万円に切り替えました。緊急事態時は走りながら考える必要があるので、朝令暮改は仕方が無いと思いますし、良い方向であれば勿論ウエルカムです。

この家賃問題についても、倒産・廃業を少しでも減らし、雇用を守るために、是非とも朝令暮改で意味があるサプライズをお願いしたいと思います。


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、元参議院議員の松田公太氏のオフィシャルブログ 2020年5月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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松田 公太
タリーズコーヒージャパン創業者、元参議院議員

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