二次補正予算案:対策として大事だけど...大丈夫じゃないよ

2020年06月03日 06:00

先週27日、政府はコロナショックへの対応として、今年度の第二次補正予算案を閣議決定しました。これから国会で議論されてきますが、まだ年度が始まったばかりともいえる5月に、今年度2回目の補正予算を組むというのは異例のことです。

もちろんそれだけコロナショックが大きかったということなんですけれども、異例と言えば安倍総理が空前絶後と言ったその金額も異例です。全体の事業規模は117兆1000億程度ですが、そのうち国費は一般会計で約31.9兆円、特別会計で約1.1兆円、新型コロナウイルス感染症対策予備費で約0.2兆円の総額33兆円です。この国費のほとんどが国債で、国の借金になります。

国債総額(国の借金)
赤字国債 22兆6124億円
建設国債 9兆2990億円

国費と事業費の何が違うか説明すると、例えばお金を借りようとする人に信用保証料が必要だという場合、この信用保証料を国が負担してくれます。また、今回は一定金額の利子についても国の負担になり、これらが国費となります。これらによって金融機関の融資が可能となり、この融資額を含めた全てのお金が総事業費となります。今回の施策で新たに世の中に出回るお金は国費の部分で、この国費のことをよく真水と呼びます。とにかく今回はほぼ全額が借金です。

さて今回の補正予算の中身ですが、中小企業への家賃給付や、すでに実施していた雇用調整交付金の上限引き上げ、コロナ対応にあたった医療従事者への慰労金20万円などなどいろいろ盛り込まれています。今回の補正予算に対して、報道などで特に注文がついているのはスピードということなんで、これは私も賛成ではあります。

もちろん中身も問題ですね。どさくさでいろんなものが紛れ込んでいないかとか、さっき言った医療従事者に対してと言ってもコロナ最前線で当たった人にはいいですけれども、まんべんなくっていうおかしな話です。ですから、これから国会審議を通じてしっかりやってもらいたいと思います。またすでに野党が指摘していますけれども、予備費10兆円というのはこれ財政民主主義に反するという言い方をしていますが、これは傾聴に値します。というのも巨額すぎるからなんですね。

だいたい1年間の日本の予算100兆円の中でも予備費は普通5000億円ぐらいです。それが今回、10兆円ですから20倍以上の金額を、これから何に使うかわかんないけれども予備費として計上してる点です。日本国憲法第83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と規定しています。ですから予備費というのでは曖昧過ぎるわけで、国会でのこれからの議論そして事後のチェックもしっかりやってもらいたいと思いますね。

それから中チャンスタッフが、「もらえるのは嬉しいけれども、国の財政は大丈夫なのか、後で消費税引き上げなんてことにならないのか?そこら辺、国は今後のことを考えているんですか?」と私に聞いてきました。

はっきり言いましょう。
考えていません。「とにかく今は生活維持、経済維持、経済刺激そっちが大事なんだから、後で考えろ」みたいな感じです。さっきも言いましたけれども、今回の第二次補正予算の国費は全て借金ですけれども、通常予算、第1次補正、第2次補正の全部合わせた令和2年度一般会計予算の歳出合計(二次補正予算を含めた予定額)は160.3兆円です。そのうち、公債金は90.2兆円(当初32.6兆円、1次補正25.7兆円、2次補正31.9兆円)と、公債依存度は56.3%です。

ある意味、世界中の国々が借金してでも今は金を出すときだとなっているわけで、それほどコロナショックは大きかったと言えるわけです。けれども、「国の財政は大丈夫なの」そして「はっきり言って大丈夫じゃないよ」という危機感を国民が持つことが大事です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年6月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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