テレワーク中、お父さんは何をしていたのか?

2020年06月02日 19:00

不思議な感覚だった。昨日、約2ヶ月ぶりに娘を保育園に連れて行った。そう、緊急事態宣言に合わせて休園(医療関係者のお子さんのみ預かる)だったのだ。時間に追われながら、毎日送迎を担当していた保育園だったが、別の空間のようだった。子供の成長は早く。たった2ヶ月だが、「同級生」たちは大きくなっている感じがする。一方、コミュニケーションはどこかぎこちない気がする。私以上に天真爛漫な娘が、いつも以上に緊張している。なんとか打ち解けたようだと保育士さんから話を聞き、安心したのだが。

緊急事態宣言が解除された。6月が始まった。「普通の日々が帰ってきた」わけでは決してないのだが、営業の再開や営業時間の延長など、少なくとも営業の仕方は以前通りを志向している状態となった。保育園の再開もその一つである。もっとも、保育園の再開状況は自治体によって異なるようで。同じ都内でもまだ原則休園のエリアもあるようだ。

昨日は、どっと疲れてしまい。この1週間、ネット炎上で疲弊したことも大きいのだが。何かこう、緊張の糸が切れたような気がした。約2ヶ月間の「ほぼ専業主夫」生活が終わったからだった。というわけで、ステイホーム期間のパパ生活について書くことにしよう。

夫婦で仕事と育児のやりくりをする、仕事はとにかく穴をあけないようにするのがマストだった。合格点を目指すが、なんとか及第点をクリアしなくてはならない。保育園がない状態というのはそういうことだ。

シッターアプリ大手「キッズライン」で起きた ベビーシッター男児強制わいせつ事件の全容(AERA.dot)

ベビーシッターさんをお願いしようかという話もあったが、ちょうどこのタイミングでシッターさん絡みの事件が報じられ。いや、まあ、レアケースだと思うし。一生懸命、育児をサポートしているシッターさんは基本は良い人だらけだと信じているのだが。とはいえ、その報道で気分が落ち。さらに、シッターさん経由の感染や、逆に私達が感染させてしまうリスクを考え、やめた。

働く夫婦の育児における裏の手は家族・親族だ。私の妻の実家は浦和である。妻の姉も実家の近くに住んでいる。これまでも、何かあったら浦和の実家に連れて行くという技があったのだが、高齢者への感染リスクを抑えるためにも、この手は使えず。

そして、妻の仕事がこの2ヶ月間、大忙しだったのだ。特に5月最後の2週間は修羅場だった。外資系企業に勤めており。5月末が期末なのだそうで。毎日がオンライン会議だった。しかも、海外とのやり取りもあり。昼夜を問わず、働き続けた。

授乳以外、私がほぼすべてをこなす2ヶ月間となった。こちらも修羅場だった。しかも、公園も事実上閉鎖状態のところが多く。講義や会議をうまくやりくりし、なんとか飽きないように近所に連れ出す、一緒に遊ぶ、買い出しや料理に没頭する日々だった。

この2ヶ月間のことはあまり思い出せない。日々、無我夢中で。なんとかやりきった。それだけだ。

「テレワークはWLBを実現する」という言説があったが、否定はしないものの、これをどう機能させるかが大切で。選択肢が少ない強制在宅勤務、しかも保育園や学校がしまっている状況では、いかに仕事と家庭を成立させるかで精一杯だった。私が、ひたすら大学以外の仕事を犠牲にすること、まとまった原稿を書くことや、勉強する時間などを犠牲にすることにより、2ヶ月間、なんとか成立した。

「家族と一緒に過ごす時間が増えてよかった」などと、心から言える状態ではなく。なんとかやりきったという感じだ。美談化するつもりはない。

そんな中、ハフポスト編集長の竹下隆一郎さんのこのエントリーを読み、色々考えた。そう、テレワークにより、その人の私生活を垣間見てしまうこともあり。仕事も家族も大切にしている風の人の闇を見てしまったり。

男性の「家での態度」がオンライン会議中に漏れてきた。テレワーク中、“父親“は何をしていたのか

一方、その責任をその男性だけに求めるのもまた違う。会社や社会のシステムが彼をそうさせる部分もあり。

私の場合、私がひたすら家事をする(参加ではなく、むしろこれが本業になっている、今は、特にこの2ヶ月間は)、仕事は合格点をひたすら目指すことによってなんとかのりきった。とはいえ、仕事ができなかったというモヤモヤ感は常にある。今は時間ができて、仕事に対する熱が復活しているのだが。とはいえ、なかなか仕事のペースが戻らない。まあ、自分自身が衰えているということもあるのだが。

今後もテレワークは続く企業が多いようだ。頻度や働く場所など、諸々ルールやツールを見直しつつ。ただ、根拠もなく不安を煽るつもりはないが、第二波がきてまた緊急事態宣言ということもあり得る。皆が、以前の男性像、女性像、ビジネスパーソン像にとらわれているように思える。「新しい生活様式」なるポエムがまた上からふってきたわけだが、男女の壁を超えた、これからの生き方、働き方の模索を続けなくてはならない。テレワークに限らず、オンラインものによる疲弊も広がっている。疲れない生き方を模索したい。

さて、お知らせ。本日はこの番組に登場。父親のモヤモヤを語り合う予定。ぜひ、視聴してほしい。

▶ハフライブ「テレワーク中、お父さんたちは何をしていた?」

▶︎配信時間 6月2日火曜日 21時~

▶番組URL
https://twitter.com/i/broadcasts/1ZkKzLXRENvJv

(時間になったら配信が始まります。視聴は無料です)

▶ゲスト

株式会社10X Founder/代表取締役CEO 矢本真丈さん:2度の育休の経験をもとにアプリも開発

千葉商科大学国際教養学部准教授 常見陽平さん:「イクメン」という言葉をあえて否定する兼業主夫


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年6月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部准教授

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