「コロナショックは終わっていない 」生活困窮世帯、約8割がコロナ禍でより生活が苦しく

2020年06月04日 06:00

新型コロナウイルス感染拡大防止のための長引く自粛で、全国的に経済状況が悪化する中、今般、僕が理事長を務める「一般社団法人こども宅食応援団」は、「こども宅食」を利用する生活困窮世帯にどのような影響が出ているかを把握し、支援ニーズを明らかにするため、「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」を実施しました。

「こども宅食」とは、各家庭が深刻な状況に陥る前に、食料品の配送を通して各家庭と積極的に関わり、何らかのリスクを見つけた場合に必要な支援につなげていく活動です。

一般社団法人こども宅食応援団は、その事務局をフローレンスが担っていて、全国各地で「こども宅食」を行いたい団体への立ち上げ支援やノウハウ提供などを行っています。

本アンケートでは、全国各地のこども宅食運営エリアから計1,015件の回答が集まり、回答者の約8割が「生活が苦しくなった」と回答、84.3%が支出増など、家庭への深刻な影響がある一方、ほとんどの家庭が行政・地域の支援メニューを利用できていないという驚愕の実態が明らかになりました。

【アンケート概要】

実施期間:5月11日(月)~5月24日(日)
実施対象:京都府京都市「京都こども宅食プロジェクト」、長崎県長崎市「つなぐBANK」、熊本県ひとり親家庭福祉協議会 「てとてとて」、宮崎県都城市「らしくサポート」利用世帯の保護者
総回答数:1,015

【回答者属性】

●回答者1,015名のうちの85.5%が世帯年収300万円未満、77.4%がひとり親世帯

【アンケート結果概要】

※アンケート結果は、こちらを参照。

1. 回答者の約8割が、「生活が苦しくなった」と回答

2.コロナ禍では8割以上の家庭で「支出増」、生活に最も大きなダメージを与えており、20%以上支出が増えている家庭が6割を占める。自由回答では食費の負担感を訴える声

<自由回答に寄せられた声>
「仕事がなく、生活するにもお金はもう限界がある。支払いもできなくなり、学校にも定期代もどうしたらいいかわからなくなってます。これ以上続けば、家もなくなり、家族で路頭に迷います。」

「生活費がそこをついて、今、給料日まで我慢の日々を送ってます。」

「収入が減ったのに、毎日の食費は驚くほど増えて、現金がないのでクレジットで払い、手当てなどで払うという生活でしたが、来月は家賃も払えないと思います。情けないです。子どもを満足に食べさせられないし、光熱費も払えるかわかりません。」

3. 全体の約半数が、家庭内でこどもに怒ったり、叱ったりすることが増えたと回答。手を上げることが増えた人も出てきている(8.8%)。

<自由回答に寄せられた声>
「自分の親の(実家の)片付けの不安も大きく、子どもが宿題をしていると言い全然していなかった時、一瞬ですが殺すんじゃないかと思う瞬間がありました。疲れているんだと思います。」

「子どもたちに対して、怒る回数が増えて、笑顔で接することが少なくなってきた。仕事も休みになり収入も減って何をするにも我慢の生活。」

「子どもとの時間を作りたくてもなかなか、時間が作れなかったり、仕事の疲れからか、つい、子どもに八つ当たりすることもあります。」

4.行政の窓口や民間の食糧支援サービスなど、既存の支援メニューのほとんどを現在利用していない

【まとめ】

報道で、政府が色々な支援策を掲げてくれているので、なんとなくもう大丈夫なのかな、と思う人も多いかと思うのですが、「困っている人は多いけど、支援が届いてないよ」という実態が浮かび上がった、ということです。

緊急事態宣言は解除されて、なんとなく日常も戻った感が出てきたのですが、経済的ダメージは根深く、支援は続けないといけないけれど、届いていない。

じゃあどうするか?っていうことなんですが、やっぱり「届く」支援をやっていかないとダメですよね、と。

そこで出てくるのが「アウトリーチ」で、とにかく出張っていって、支援を届ける。そこで捉えたニーズを、さらに違う支援につなげていく。そういう活動が必要なんですね。

我々は「こども宅食」というアウトリーチを3年前から始め、この度補正予算にこども宅食が入ったわけですが、これって一時的な予算で、恒常的にやり続ける制度は存在していないんです。

なので、これからはちゃんと子育て世帯にアウトリーチできる制度をしっかり作って、持続可能に全国でアウトリーチができるような枠組みを作らないといけないと思うのです。

コロナによって日本でのアウトリーチの必要性が爆発的に認識されるようになりましたが、これをある種の機会として、支援の網の目を全国に張り巡らさないといけない、と思っています。

メディアの皆さん、このアンケートをぜひ取り上げて頂き、より良い政策につながるようご協力よろしくお願いいたします。


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年6月3日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。

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駒崎 弘樹
認定NPO法人フローレンス代表理事

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