東京都の本音を表す数字

2020年06月11日 16:00

一昨日、私は仕事で東京に行きました。
用心して車で行きましたけれども、都内はかなり人出がありました。
その東京とがういう状況にあるかというと、「感染症を乗り越えるためのロードマップ」のステップ2と自粛要請が緩和されつつありますが、感染への警戒を都民に呼びかける「東京アラート」が発動中という状態です。

ちょっと振り返ってみると、5月25日に政府は緊急事態宣言を解除しました。同時に、東京都は「感染症を乗り越えるためのロードマップ」のステップ1に移行し、自粛要請を緩和しました。ステップ1では学校の分散登校や図書館、博物館などを再開、飲食店の営業時間を現在の20時までから22時までに延長されました。

その後は2週間単位で感染状況を確認しながらステップ2、ステップ3と順に変更していく予定でした。

しかし、2週間を待たずに1週間後の6月1日からステップ2に移行され、デパートや商業施設、ジムや劇場、映画館、学習塾など幅広い施設への休業要請が解除されました。ステップの移行は2週間単位で行われると聞いていたので意外でした。これよりももっと意外だったのは、ステップ2への移行を検討していると報じられた5月29日、東京都では感染者数が22人も出ていました。

そして、東京都が掲げる下記7つの基準、このうち感染者の経路が追えない「新規陽性者数における接触歴等不明率」、さらに「週単位の陽性者増加比」の二つは基準を上回っていました。

(1)新規陽性者数
(2)新規陽性者数における接触歴等不明率
(3)週単位の陽性者増加比
(4)重症患者数
(5)入院患者数
(6)PCR検査の陽性率
(7)受診相談窓口における相談件数

続く30日も2日連続で基準を超えていたため、私は「ステップ2に移行していいのかな」と思いましたけれども、6月1日に緩和、ステップ2に移行されました。でも、6月1日に緩和を拡大した翌日の6月2日に東京アラートが発出されました。前日にはもっと緩めましょう、翌日にはもっと緊張しましょうみたいな感じですね。

実は先ほどの7基準は、自粛要請の緩和基準でもありつつ、警戒呼びかけの東京アラート発出基準でもあります。同じ基準で、1日違いで緩和と緊張ってなんかなと思います、一応数字だけが全てではなく、専門家による議論と助言を踏まえて総合的に判断しています。その結果、東京都の心を言葉で表現すれば、「感染は拡大させない、でも経済は拡大させたい」という同じ拡大でも「させない」と「させたい」が同居している感じです。はっきり言ってそれが本音でしょうね。注意しながら経済活動していこうということです。

さて、東京アラート発出以来、人の流れはどうなっているのか。yahooがスマホの位置情報を分析した結果、都外から都内に入る来訪者の人数は人が戻りつつあるという結果になっています。東京アラートが出る前日(6月1日)と8日のいずれも月曜日の15時台で主要駅の比較結果は下記のようになっています。

東京駅  1.1%減少
銀座駅  0.9%増加
新宿駅  1.0%増加
渋谷駅  6.7%増加
六本木駅 25.2%増加

発出翌日の6月3日以降の平日を前年同期比、すなわちコロナとは関係なかった去年と比べて20%減、6日7日の週末は前年同月比で約25%減となっています。この数字は昨年と比べた結果ですが、新型コロナウイルスが感染拡大し、緊急事態宣言が発令をされたその後半と比較をすると、平日は30%を超える減少、週末は30%弱の減少でしたから、それに比べると戻ってきた感じです。

先ほど言った東京都の本音と一致した数字、すなわち、ちょっと減った人数で経済活動をやってますよという感じですね。ただ、全体の数字と自分とは切り離して考えることが大事だと思います。感染者数が少なくなったからといって、感染しないわけではありませんし、病状が軽くなるわけでもありません。一度感染したら、生きるか死ぬか大変ですから、引き続き要注意です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

過去の記事

ページの先頭に戻る↑