マスク全戸配布はバイオテロに悪用される恐れ

2020年06月15日 06:00

住所や宛名もなくポンとポストに

賛否が渦巻いたアベノマスクの全世帯配布が15日に終わるそうです。各世帯2枚ずつとして、1億3000万枚、合計460億円です。ネット投稿をみると「やっと届いた。もうあまり役立たない」「住所、宛名も書かれてなく、ポストにポンと投げ込まれていた」などの声が聞かれます。

編集部撮影、官邸サイト

私のところには、2週間ほど前に配布されました。透明のセロファン封筒にマスクと「3密回避の説明図、新しい生活様式の実践例」などを書いたパンフレットが同封されていました。住所、宛名、差出人名は書かれていない。何度も報道されてきた話なので「このことか」と思い、開封しました。

ふと思ったのは、「第三国のテロリストがやろうとしたら、簡単にバイオテロに悪用できたのではないか」ということでした。マスクにウイルスなどを染み込ませ、住所も宛名も書かずに、ポンと郵便受けに投入れる。受け取った人は不信感を抱かず、着用してしまい発病、全国、全世界に感染病が蔓延する。

普段なら、頼みもしないマスクの入った封書が、郵便受けに投げ込まれていたら、「これは何だろう。大丈夫かな」と、警戒したに違いありません。アベノマスクは、4月1日の首相表明で、恐らくほとんどの国民が知っていましたから、マスクの配布には疑いを抱く人はいない。

そこをテロリストがつけ込み、感染症を拡散し、日本中を不安に陥れる。バイオテロを狙ったマスクは多くの枚数を必要としない。50枚か100枚もあれば十分でしょう。

かりにコロナウイルス付着のマスクを送りつけても、ウイルスは何日かすると、死滅するからテロは成功しないという説も読みました。やるとなれば、テロリストは単純な方法ではなく、もっと手のこんだ巧妙な方法を編み出して、実行するのでしょう。

厚労省研究班がバイオテロについて「細菌、真菌、ウイルス、毒素などの生物剤を散布し、特定の人物、不特定多数の人を殺傷する行為」と、説明しています。

具体的には「生物兵器の可能性が高い病原体などについて」(08年)として、「炭疽、天然痘、ウイルス性出血熱、ボツリヌス症、ぺスト、チフス、消化管感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)、多剤耐性結核菌、デング熱」などを列挙しています。

今回の1億3000万枚の配布では、日本郵政の全住所配布システムを使いました。送り先の住所、名前を書かないでも、対象地域にある郵便受けに配送する「タウンプラス」というシステムです。

配布が始まった当初に「異物が混入している。カビが生えている」などのクレームがありました。フェークニュース(偽情報)らしい「中国製のマスクにウイルスが混入」などの情報も流れました。こんな話を見聞すると、やりようによって、バイオテロを仕掛けることができたと想像します。

北朝鮮あたりが思いつきそうな話です。その北朝鮮自身、新型肺炎が拡散しているらしく、他国にテロ攻撃を仕掛けるどころではなかったのでしょうか。

そうではあっても、発生源とみられている中国・武漢から世界中にコロナウイルスが拡散し、感染者740万人、死者42万人(14日現在)、「30年代の世界大恐慌以来の経済危機」(IMF)となると、簡単に世界中の社会経済活動がマヒしてしまう。

それを仕掛けるテロリストはいるわけです。効果は絶大です。不用意に「全戸・全世帯に、製造元も書いていないようなマスク配布」など、二度としてはならない思います。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2020年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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