日本を守る盾 どうする?

2020年06月19日 16:00

河野太郎防衛大臣からイージス・アショアの配備計画の停止が6月15日に発表されました。

日本国民みんなが常に日本の安全保障を考えてるわけではありませんから、「イージス・アショア」と聞いたところで、わからないかもしれません。「イージス・アショア」の「イージス」とは盾で、「アショア」というのは陸上と意味ですから、陸上に盾を作るということですね。よからぬ国から飛んでくるミサイルを陸上から盾で守るということで日本語にすれば、地上配備型迎撃システムということになります。

今回の配備計画停止に至った論理とプロセスは現段階ではまだはっきりしていません。伝わってきているのは、配備予定だった秋田県や山口県の地元に説明をしてきた、ロケットの推進補助装置を安全に落下させるためにはソフトウェアの改修だけでは不十分で、ミサイルそのものの改修が必要になったことが判明したそうです。ですから、導入を決めた当時としては正しかったが、従来から説明してきていた費用2000億円・期間10年ではできないと今月12日に、河野防衛大臣が安倍首相に説得したと報じられています。

正直、日本を取り巻く安全保障環境というのは厳しいものがあります。
日本国憲法前文にあるように、平和を愛する諸国民、日本の周辺国がそうかといったらそうじゃないですね。そういった国々がどんどんミサイルを増強してます。はっきり言って想定されるのは、中国、北朝鮮、ロシアなどですね。それらの国が打ってくるミサイルを撃ち落とす、それがイージス・アショアだったわけです。一方で、イージス艦というのもあります。すなわち、ミサイルを船から撃ち落とすために、海上で常に見張りをしています。イージス艦は日本のミサイル防衛の命綱ともいえる装備で2隻のイージス艦がミサイル防衛、バックアップに2隻、整備点検に最大4隻の8隻体制が2021年3月に完成します。

政府は平成30年に防衛大綱という日本の防衛の基本的な趣旨、これを改定しました。その時、軍備増強が止まらない中国や北朝鮮のミサイルを念頭に、イージス艦を補強する為にイージス・アショアの構想が打ち出されていました。ですから、イージス・アショアを断念するならばそれに代わるものをどうするかということですよね。河野防衛大臣は、今回の配備計画停止は追加費用も含めてコスト的に見合わないと考えたのではないかとも言われています。私、河野さんとは何回か議論をしたことがありますけれども、確かにコストには厳しい人ですし、だったらこっちだという思い切りがある人でもあります。

皆さんもちょっと考えて欲しいんですけれども、1発や2発のミサイルが飛んでくるのであれば、これを撃ち落とすことはほぼできるんですが、雨あられのように日本列島に撃ち込まれたミサイルを全部撃ち落とすのははっきり言って無理です。要するに、撃たれたミサイルを空中で撃ち落とすのは、誰かが投げた石に石をぶつけるみたいなことをやらなければいけないわけです。

もう一つはっきり言いましょう。敵基地攻撃能力というのも、防衛手段の一つです。ミサイルを発射するという基地を攻撃してミサイルを撃てないようにするというやり方ですね。ところがこれまでの日本では専守防衛といって、相手が攻撃してきたらそれに合わせて対応するのが防衛というふうに考えられてきたんですね。

河野さんがどう考えてるかわかりませんが、そうした議論も含めてイージス・アショアに代わる方法を議論しなければなりません。日本の周辺は、本当の本当に脅威が増しています。中国も北朝鮮も、日本国憲法にあるように、平和を愛する諸国民と皆さん思っていますか?信じてる?信じていれば攻撃しないと本当に思いますか?


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年6月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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