国際麻薬乱用撲滅デーは“誤訳” 〜 厚労省カンマ課は英語が読めないの?

2020年06月26日 18:00

本日6/26は、「国際薬物乱用・不正取引防止デー」です。
これは国連が主導し、世界的規模で行われている啓発活動になっています。

もちろん日本もこの国連の動きに参加している訳ですが、なんと日本の厚生労働省 監視指導・麻薬対策課(通称カンマ課)は、これをですね「6/26 国際麻薬乱用撲滅デー」と翻訳しているんですよ。

いやいやあなたがたそれマズイでしょうよ…
と昨年我々依存症団体が「名前ちゃんと国連にあわせてね!」と要望書を提出したのです。

でも、なんでしょう?メンツにこだわっているのか?一向に訂正されず今年もまた同じく「国際麻薬乱用撲滅デー」を使っているんですね。

これ駅に貼られていたポスターですけど、国連のマーク付けてこの誤訳はマズイでしょう日本の恥です。

もしかしてカンマ課は、これが誤訳だと認識が持てないほど、英語ができないのではないか?(もしかしたら国語力かもしれませんが)と疑問を持つようになりました。
とにかく毎年国連が国際協力を呼び掛けている発信とは全く違う方向にこのキャンペーンを行っているのです。

この翻訳の違いは非常に重要です。その理由を以下に述べますね。

1)薬物問題は麻薬だけではない

本来は「国際薬物乱用・不正取引防止デー」とあるように、薬物問題は実は処方薬や市販薬も社会に深刻な問題をもたらせているのです。

マイケルジャクソンがオーバードーズで亡くなった麻酔薬など、アメリカでは2万人も命を落としています。
そして日本は違法薬物よりこの処方薬・市販薬依存が圧倒的に多いのです。

ところが最近のカンマ課は、所掌しているマトリに違法薬物をつかった芸能人の逮捕に血道をあげさせ、自分たちの存続意義をアピールすることに一生懸命になっているとしか思えない状況。元マトリという人間がまるでヒーロー気取りで、タレント化しています。

処方薬・市販薬依存対策は実に地味ですからね。何十万、何百万という人が苦ししむ対策をやるより、一人の芸能人逮捕のほうがよほど注目される。だとしたらそっちをアピールしたいとなるんでしょうねきっと。
そもそも処方薬・市販薬依存はロクに調査・研究なども行われていなければ、啓発すらされていません。
みなさん薬物問題で「ダメゼッタイ」以外の啓発なんか見たことないですよね?製薬会社に忖度してるの?と勘繰りたくなる状況です。

2)不正取引防止はどこいった?

そもそも末端の自己使用者を捕まえるより、売人や海外からのルートをなんとかしろよ!と誰でも思いませんか?
そこに全力を注ぐべきで、諸外国はそうしてるんですよ。

「末端の自己使用者は依存症治療を受けてね!」ってことで、罪にも問わない国もある。余計な労力使うより、水際で入れさせない方が肝心ですからね。

それをですよ芸能人逮捕に必死に人員を割いているって、費用対効果が悪すぎるし、楽な仕事しすぎでしょう。
それより不正取引防止に目を光らせましょう。

昨年、警視庁・マトリのお手柄で静岡で1tの覚せい剤を押収しましたが、それでも国内の末端価格は全く変わっていないとのこと。

ってことはもっとすごい量が出回ってるってことですよね。
どうか不正取引防止に全力を注いでください。

3)「ダメゼッタイ」なんて一言も言っていない

このように末端の薬物使用者に関しては、「救うべき人」というのが世界の常識です。
けれどもカンマ課は自分たちが楽でかつヒーローになれ、天下り先も確保できるよう「排除する人」という、人々の憎しみの対象を作ってきました。

それが「違法薬物使用者」ですね。いつの時代も為政者は自分たちの仕事に目がいかぬよう、こういう存在を作ってきたわけですよ。

「ダメ・ゼッタイ」というキャッチコピーは長い間人々の思考能力を停止させてきました。
昨日、私が通報したツイートは「一度やったやつは人でない」というものでした。

「ダメなのに手を出した人は最低だよね。死んでも仕方ないよね。」
「信用するな。どうせまたやる」
「こんな奴らは一生刑務所に閉じ込めておけ」

こういった人権侵害がまかり通るのが日本です。
何故なら「ダメゼッタイ」には「ではどうしたらいいのか?」がないからです。
「ダメなのにやっちゃったならどうしようもないよね…」そこで終わってしまいます。

けれども柔軟な理解ある一般の方ももちろんいて、このことに疑問を持って下さる方々も増えてきて、心強く思っています。
実際、昨日の私のツイートには多くの反応がありました。

もうねカンマ課だけなんですよ。
80年代に始めたような、キャンペーンをいまだに続けて、人権侵害が起きていても無神経でいるのは。

こういう多方面に目を配れない人が、税金で給与貰ってるってどうなんでしょう?はなはだ疑問です。

時代は多様性を認め合うことが重要視されてることに、まだ気づかないのでしょうか?そういう人は、公務員になるべきではないと思います。

カンマ課は本気で英語が読めないようなので、皆さまにご覧いただきたくご紹介します。

今年の「国際薬物乱用・不正取引防止デー」の国連サイトはこちら。
そして今年のテーマは「Better Knowledge for Better Care」です。
直訳すると「より良いケアのための正しい知識」。
つまり「みなさん、知識を深めて、困っている人に正しいケアを提供しましょう」と呼びかけています。

大切なのは「ダメ」ではなく「ケア」なんです。
是非、サイトにある動画もご覧下さいね。

そして今Twitter上で#FactsForSolidarity をつけ、様々な国の方々が、このグローバルアクションに答えています。

日本は、自分たちが独自路線をいっているため、この国際的なアクションを呼び掛けることもしていません。

英語ができるみなさんは是非このハッシュタグで、日本の現状を訴えて下さい。日本がいかにひどい人権侵害が起き、国連の路線が守られていないかをどうか世界に知らしめSOSを発信して下さい。

最後に、私たちはこの排除を生みだす「ダメ・ゼッタイ」運動を終わらせることを願っています。
今年も、政府のポスターに対しパロディ版を作りました。
思考停止となる「ダメ・ゼッタイ」をやめるまで続ける所存です。
どうか皆さん、応援して下さい。

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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