今週のつぶやき:荒れた市場、リニア交渉、河野防衛相

2020年06月27日 14:00

アメリカのボルトン前大統領補佐官が発刊した暴露本、「それが起きた部屋」は久々に世界中で話題になっているようでトランプ大統領の必死の発刊禁止策も及ばず、その中身が断片的に漏れ聞こえてきます。「へぇ?」という内容が満載の様です。書籍が表す表現の大げさ具合や信ぴょう性は割り引かねばならないとしてもトランプ氏には選挙を前にいよいよ不利な感じがしてきています。どう巻き返すのでしょうか?

さて、今週のつぶやきをお送りします。

荒れた市場、暴かれるドイツ企業

今週は市場を揺らすネタはいろいろあったと思います。特にアメリカではコロナ感染者が増え、NY州など3州が特定州からの移動に14日間の隔離を決めたこと、FRBの銀行に対する定期ストレステストを通じて銀行の配当金の制限が課されたこと、ストレステストには合格したもののゴールドマンサックスとモルガンスタンレーの成績が悪かったことなどが嫌気されアメリカ市場は下落しています。ただ、個人的には市場はトランプ敗戦を意識し始め、バイデン増税を嫌気し始めているように感じます。

一方、今週お伝えしたドイツのフィンテック、ワイヤーカード社は2300億円詐欺でCEOが逮捕され、会社は自力再生が不可能と判断され破綻。ドイツ代表銘柄30社に入っていたのに突然の崩壊でついこの前まで150ユーロもしていた株価も直近で1.28ユーロと100分の1以下となり、ほぼ無価値になりました。この破綻の影響は大きく出るはずで欧州の主要金融機関4行の損切、第二のエンロン事件を想起させる会計事務所、アーネストヤング(E&Y)の責任問題、ドイツ金融システムの監理問題などてんこ盛りのネタになります。日本では専門的サイト以外ほとんど報じられませんが、個人的には相当嫌な事件だと思います。

最後、日本の株主総会ですが、定食チェーン大戸屋の株主総会で筆頭株主のコロワイドの取締役提案が否決されました。セントラルキッチン方式を採用しない大戸屋の個人株主のファン層が現経営陣を支持したのだろうと思いますが、客目線なのか、経営目線なのかよくわからない気がします。この手の会社はMBOで上場廃止にした方が経営しやすいと思います。コロナを通じて企業の先行きとあるべき姿を問われた今年の総会でしたが、なにかピンとこなかった気がします。

リニア交渉は平行線、主役は誰か?

koemu/Flickr

リニア新幹線をめぐりJR東海と静岡県のトップ一騎打ちは平行線で勝負がつきませんでした。この場合、JR東海の負けを意味します。この手の争いは一般論としては訴訟を通じて白黒をはっきりさせることが多いと思いますがJRはそれを選びませんでした。どこかで折れるだろうという楽観視があったのでしょうか?

同じような事象は新潟県の東電柏崎原発にもいえるわけで知事が主導し反対をし続け、大規模事業が身動きできない状態にあります。一方、沖縄の辺野古基地工事は国と県の戦いでこれは形の上では国が押し込んでいます。こう見ると国が必要だと思えばリニアの工事でも押し込むことは可能なのだろうと思いますが、リニアにしろ原発にしろ国が第三者的姿勢を維持しているのは紛争の当事者になりたくないという思いがあるからなのでしょう。

1950-70年代は国力という意識が強かったと思います。多少無理があっても何が何でも突き進む、です。今は何かを推進することで犠牲になる事象をどう担保するか、あまりにも多くの時間と費用とエネルギーを費やさねばなりません。東海道新幹線が建設されたあの頃のようにはもうならないのです。これは欧米でも同じ。国が進化すればするほど対立軸の関係は深まるのでしょう。

ときの人 河野太郎大臣

防衛省サイトより:編集部

イージスアショア配備計画の突然の停止、奄美大島沖の接続水域を通過した潜水艦を「中国のものだと推定している」と述べるなど、今までの慣例を破った点でユニークさを感じています。ユニークという英語は時として皮肉を込める意味があるのですが、もっとシンプルな意味で斬新的であった気がします。安倍政権が岩盤規制を打ち破るといっていたのはずいぶん昔ですが、案外、河野大臣の方が既成概念にとらわれずにズバズバ行動に移していくように感じます。

以前、私は小泉純一郎氏に行動が似ていると申し上げましたがその意味は政党内や根回しというまどろっこしさを排除し、自分の持てる権限内で素直に任務を遂行すると言ったらよいのでしょうか?ただバックグラウンドからすると彼には北米流の考え方が強く育まれたように感じます。慶応中等部、高校から大学に入るものの2カ月で退学しすぐに渡米しボーディングスクールを経て最終的にワシントンDCのジョージタウン大学を卒業します。

海外の大学を出ている点では小池百合子氏にも共通するのですが基本的に自分の考えを強く出し、自分がやるべきことをしっかりやる、そしてそれを選挙民に評価してもらうという発想です。日本の場合、政党政治が色濃く、政治家個人の資質は二の次的なところがありますが、それが結局政権幹部の任命問題が繰り返し起こる根本原因でもあります。昨今の政治の話が冴えない中で河野大臣が引き起こす旋風は政治を面白くすること請け合いです。

後記

カナダで拘束されているファーウェイの孟晩舟氏と中国で拘束されている二人のカナダ人を巡り双方の外交問題に発展しています。これを受けカナダの閣僚関係者や外交官19名がトルドー首相への書簡を送り、取引すべきとしたのに対し首相は自国の司法制度を政治的に変えることはできないと強く拒否しました。厳しい選択だったと思いますが、こういう強い意志を国家は示すことで国民に一体感をもたらします。よい判断でした。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年6月27日の記事より転載させていただきました。

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