ネットメディアと国会議事録はどちらが信用できるか?

2020年07月12日 06:01

ぱくたそ

全く存じ上げない国会議員が、私への誹謗中傷を含む記事を「月刊日本」なる月刊誌に寄稿した。これが6月末、ネット上でハーバービジネスオンライン、さらにヤフーニュースにも転載された。

この国会議員のことも月刊誌のこともよく知らない。だが、ネット上で誹謗中傷を拡散されるのは影響力が大きく、看過できない。問合せ窓口に連絡したところ、ハーバービジネスオンラインの記事は7月9日に削除いただいた。ヤフーニュースでもすでに削除されている。迅速・適切な対応がなされたことに感謝している。

亀井亜希子・衆議院議員<『月刊日本7月号』より>

公共サービスや公共財産を民間に売り飛ばす。竹中平蔵が進める「民営化」という名の「私物化」

 

<抜粋>

「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」座長代理は、コンサルティング会社「政策工房」社長の原英史さんが務めています。彼もまた竹中さんと同じように国家戦略特区諮問会議の民間議員を務めています。2018年には漁業法が改正され、漁業権が漁協から取り上げられて知事権限になりましたが、特区ワーキンググループ委員を務めている原さんが、真珠養殖の拡大を目指す真珠販売会社社長の相談に乗っていたことが問題*になりました。 〈参照:しんぶん赤旗〉

この記事は、昨年私に対して繰り返された誹謗中傷の延長上だ。昨年6~7月、毎日新聞が国家戦略特区関連で、事実無根の誹謗中傷記事を掲載した。その後、10~11月には森ゆうこ参議院議員が誤報に基づき誹謗中傷質問を行った。毎日新聞と森議員に対しては、それぞれ訴訟を提起して係争中だ。

今回の記事は、これらを聞きかじって、私を「問題になった人物」呼ばわりしたものらしい(ちなみに上記文面に記載される赤旗にはそんな記事はなかった)。さらに、制度の経過上およそあり得ない疑惑を匂わせる(「真珠会社の要望に沿って漁業法改正がなされた」と言いたいらしいが、真珠養殖ではもともと漁協に優先権がなく、あり得ない)など、デタラメでお話にならない内容だった。

他人を誹謗中傷するなら、その前に、事実を確認しないといけない。誤報で問題にされたので「問題になった人物」と呼んで構わないと思ったのかもしれないが、勿論そんな言い逃れは通らない。

亀井議員には、ネットメディアで掲載NGになるような、恥ずべき文章を書いたことを、深く反省してもらいたい。

ネットメディアはしばしば、フェイクニュースの巣窟扱いされる。「新聞は真実、ネットはフェイク」と決めつける言説もよく目にする。

だが、今回の一連の経過をみる限り、ネットメディアは、フェイクニュースが多いかもしれないが、事後対応は新聞に比べて誠実だ。毎日新聞は昨年、私が何度となく間違いを指摘しても一切訂正せず、今日に至っている。新聞社の方々にはぜひ、こうしたネットメディアの対応を見倣ってほしい。

そして、新聞よりさらに質の悪い媒体がある。ネットメディアではすぐ削除されるレベルの発言を掲載し続ける、国会議事録だ。

亀井議員は実は4月7日の衆議院地方創生特別委員会で、削除された記事と似たような発言をしていた。

衆議院ネット中継より

2020年4月7日衆議院地方創生特別委員会

亀井亜希子議員(抜粋)

「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会の名簿、七人の名前が並んでおります。その中で、座長は竹中平蔵さん、座長代理が原英史さんですよ。この原英史さんは、漁業法の改正のときにもワーキンググループで名前が出てきて、真珠販売会社から要望をヒアリングして、内閣府にも言ったんだけれども、そのときの議事録は作成されていなかったということで、随分追及を受けた人物ですし、また、株式会社特区ビジネスコンサルティングというところにも関係していたということでも指摘をされている人です。

ネットメディアの記事は削除されたが、こちらはそのまま国会議事録や動画アーカイブに残り、ウェブで公開され続けている。現状では、これを削除してもらおうと思っても不可能なのだ。

国会内での議員の発言は、憲法上の免責特権があって、訴訟などで原則争えない(私の森ゆうこ議員に対する訴訟は、国会外の行為を対象にしている)。また、国会での対処を求めて請願を出しても、取り合ってもらえる可能性はまずない。

これは昨年、より悪質な誹謗中傷を行った森ゆうこ議員の件で、請願を提出して経験済みだ。残念ながら、森議員が私を犯罪者扱いした、とんでもない発言も、国会議事録等に残されたままになっている。

今回の件で、徒労を繰り返すつもりはない。だが、国会議員の方々にはよく認識いただけたらと思う。国会は、まともなネットメディアならばすぐ削除される劣悪な言論を、議事録や動画アーカイブを通じ、野放図にばらまく媒体になっている。この点に関する限り、デタラメを無責任に垂れ流す三流ゴシップメディアと同水準だ。

私はこれまでも、免責特権の見直しなどを唱えてきた。憲法論には時間がかかろうが、まずは、国会議事録の扱いからでも議論してもらえないものか。不当な誹謗中傷を受けた被害者が申立を行って認められた場合、少なくともウェブ公開される議事録等では該当部分を黒塗りするなど、一定の制度化は可能なはずだ。国民の代表である国会議員の方々が、デタラメなメディアを運営し続けていてはいけない。

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原 英史
政策工房 代表取締役社長

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