「置かれた場所で咲きなさい」より「咲ける場所を探しなさい」

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数年前のベストセラーに「置かれた場所で咲きなさい」という本がありました。今いる環境に文句を言ったり、嘆くのではなく、そこで自分が出来ることを探して続けることの素晴らしさを説いた本のようです。

著者はとても立派なリーダーのようですが、私はこのような自分の与えられたことを我慢して一生懸命やるよりも、自分が一番輝ける場所を探し求める方が、後悔の無い人生を実現でき、幸せになれると思っています。

「置かれた場所で咲きなさい」より「咲ける場所を探しなさい」という発想です。

私自身の社会人になってからのキャリアを振り返ってみると、最初に入った銀行では入社2年目に海外留学生となり、順風満帆なサラリーマン生活のように見えますが、自分がやりたいことと仕事のギャップに、いつもフラストレーションを溜めていました。

自分が咲ける場所を探して、1997年にヘッドハンティング会社の方の紹介で、イギリス系の年金運用会社に転職し、ファンドマネージャーとして仕事を始めます。

しかし、1年もするとファンドマネージャーとして自分の社会に提供できる価値に限界を感じるようになりました。そんな中で、出会ったのがマネックス証券の創業でした。社員4人、売上ゼロの準備会社に飛び込んで、ネット証券の立ち上げに奔走しました。

そして12年が経過し、自分なりに出来る貢献を全てやり終えた達成感を感じると、また次の自分が咲ける場所探しが始まりました。

次に選んだのはスイス系のプライベートバンクでした。富裕層向けの資産運用アドバイスが仕事でしたが、しばらくすると再び金融資産だけの資産運用に限界を感じるようになりました。

最後にたどり着いたのが資産デザイン研究所で現在行っている「金融資産と実物資産を組み合わせた個人向け資産運用サービス」という仕事です。

もし「置かれた場所で咲く」ことばかり考えていたら、自分の人生がどうなっていたかと思うと、ゾッとすることがあります。

今の人生がうまくいっていない、仕事に不満があるという人にアドバイスしたいことは、そこで我慢するのではなく、自分が咲ける場所を見つける努力をすることです。

不満を言ったり、自分の不幸を嘆いても現実は変わりません。そんな時間があるなら、それを改善するための具体的なアクションを起こすことです。

風の吹かない場所で帆船の帆を張っても、船は動きません。だったら、そこで風が吹くのを待つよりも、風が吹いている場所に船を動かした方が良いと思うのです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年7月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。