バロンズ:善かれ悪しかれ、テクノロジー株次第の米株市場

2020年07月13日 11:30

バロンズ誌、今週のカバーは半期に一度行う金融市場の重鎮10名によるラウンドテーブルを掲げる。コロナ禍でマスク着用やリモートワークが当たり前となり、さらに第2波に直面する状況で、著名な投資家はIT関連、通信関連、ヘルスケア関連などコロナ禍に影響されない、あるいはむしろコロナ禍で需要拡大が期待される銘柄を選好していた。一方、米大統領選をめぐり3人が言及。

(カバー写真:U.S. Secretary of Defense/Flickr)

(カバー写真:U.S. Secretary of Defense/Flickr)

デュラブル・キャピタル・パートナーズのヘンリー・エレンボーゲン氏は市場が最も恐れている事態として「バイデン候補の勝利と共に、上下院で民主党が多数派を獲得すること」を挙げた。デルファイ・マネジメントのスコット・ブラック氏も「バイデン候補が勝利し左派寄りの政策に傾き、民主党が上下院で過半数を獲得すれば米株市場の打撃となる」と予想。

一方で、フランクリン・テンプルトン・フィクストインカムのソナル・デサイ氏は「どのような結果になろうと、対中政策が急速に融和的に転換する可能性は低い」と見込む。その他、以下に挙げた参加者が推奨する個別銘柄などは本誌をご参照下さい。

ラウンドテーブル10名のうち常連メンバーは、以下の4名。
1.ゴールドマン・サックスのアビー・コーエン顧問兼シニア投資ストラテジスト
2.ガムコ・インベストメンツのマリオ・ガベリ会長兼CEO
3.デルファイ・マネジメントのスコット・ブラック社長
4.イーグル・キャピタル・パートナーズのゼネラル・パートナーであるメリル・ウィットマー氏

近年加わった参加者としては、以下の4名
5.パルナッソス・インベストメンツのトッド・アールステン最高投資責任者(CIO)
6.アリエル・インベストメンツのルパル・バンサリCIO
7.デュラブル・キャピタル・パートナーズのヘンリー・エレンボーゲンCIO
8.エポック・インベストメント・パートナーズのウィリアム・プリーストCEO兼共同CIO

2020年1月から加わった参加社は、以下の2名
9.フランクリン・テンプルトン・フィクストインカムのポートフォリオ・マネージャー兼CIOのソナル・デサイ氏
10.ベイリー・ギフォードのパートナー兼ポートフォリオ・マネージャーのジェームズ・アンダーソン氏

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週は過熱気味のIT株を取り上げる。抄訳は、以下の通り。

テクノロジー株に殺到する投資家―Hey, Tech Investors. It’s Getting Crowded in Here.

学生寮の部屋に掲げられたマウリッツ・コルネリス・エッシャーの作品のように、米株市場は正気なようにもそうでないようにも見え始めつつある。ナスダック総合こそ、それに該当するだろう。

テクノロジー関連の比重が高い同指数は、フロリダ州やテキサス州での新型コロナウイルス感染第2波を無視し年初来で18%高を遂げている。前週は3回も最高値を更新し、その理由もテクノロジー株が単にコロナ禍で生き残るだけでなく、繁栄が見込まれているためだ。

それでも、健全に聞こえる議論もうわべだけのものと化しつつある。ドイツ証券のアナリスト、ジェリエル・オング氏はアップルのラリーに懸念を寄せながら投資判断を「買い」で据え置き、目標株価も380ドルから400ドルへ引き上げた。その他のアナリストなどもテクノロジー関連が割高で投資家が殺到していると警告し、経済成長と企業利益の減速が見込まれるなかで別の選択肢を見出せていない。ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏は現状について「まるで”トライライト・ゾーン”のようだ・・あらゆることが起こりうる」と語る。

ウェルズファーゴ証券のクリス・ハーヴィー米株ストラテジストは、大型株指数ラッセル1000グロース指数が6月26日にリバランスを行った当時、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの比率は25.3%から28.6%へ上昇したと分析していた。つまり、投資信託のマネージャーにしてみれば、これらの銘柄を買い増ししなければ、グロース指数をアンダーパフォームすることになっていたわけだ。

画像:ナスダックのチャート(出所:Stockcharts)

ナスダックのチャート(出所:Stockcharts)

ラッセル1000グロース指数で変化が著しかったが他指数も同様で、S&P500種株価指数のテクノロジー関連比率は2016年11月8日の米大統領選当時の21.5%から28%へ上昇した。フェイスブックやぐーグル、ネットフリックスなど通信株も同様で当時の2.5%を上回り11.1%へとなった。

その他景気敏感セクターはそれほど変わらず。素材は2.5%、公益は3.0%、不動産は2.8%とこれらも大きな変化はない。一方でエネルギーは7.2%から2.5%へ、金融も同じく13.4%から9.7%へそれぞれ低下した。

ある人は、冗談交じりに「S&P500の構成銘柄が(SPY)がインベスコ(QQQ)と同じ比率になるのにどれくらい掛かるだろうか」と言った。いずれにしても、今後の上昇も下落もナスダック次第であることは明白だ。善かれ悪しかれ、我々はテクノロジー関連株の投資家なのだから。

――テクノロジー関連株のナスダックに反し、ダウは上値の重い展開が続いています。足元約1ヵ月程、上値は200日移動平均線、下値は50日移動平均線にすっぽり収まり、ナスダックの最高値更新と雲泥の差である。アップルの比率が10.09%と最も高くマイクロソフトも5.62%で4位とはいえ、737MAXとコロナ禍のダブルパンチに揺れるボーイングが4.69%と8位、米中対立とコロナ禍が嫌気されるキャタピラーが3.37%で12位、コロナ禍の影響を受けるディズニーも3.14%と14位という状況。ナスダックの快進撃にダウが追いつくには組み入れ銘柄の変更が必要となりますが、他FAANMG銘柄がそれを望むかは別の話なのでしょう。

何より、4期連続で黒字を達成したテスラがS&P500の組み入れられるかが目下、注目されてますね。ツイッターの場合、株価は2週間で約20%高を遂げました。仮に変更となればETFなどテスラ株を買う必要が生じるため同社株が急伸が見込まれていますが、ナスダックには既に含まれ指数を支えていたところをみると、組み入れの基準の見直しが囁かれてもおかしくなさそうです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年7月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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