Go Toキャンペーン中止求める声拡大 地方からも批判相次ぐ

東京都の新型コロナウイルス新規感染者増加が続き、菅義偉官房長官と小池百合子都知事が「圧倒的に東京の問題」「これは国の問題」と責任の所在をめぐって応酬を繰り広げる中、政府が今月22日から前倒しして実施予定の観光支援策「Go Toキャンペーン」の中止を求める声が拡大している。ツイッターでは、「#GoToキャンペーンを中止してください」がトレンド入り。

青森県むつ市の宮下宗一郎市長は13日、「キャンペーンによって感染拡大に歯止めがかからなくなれば、政府による人災だ」と話し、同市内の観光施設の閉鎖を指示。

山形県の吉村美栄子知事も14日の定例会見で、「この時期に全国一律はいかがなものか」と苦言を呈するなど、地方からも批判や困惑の声が相次いでいる。

舛添要一前都知事は、予定通り、前倒しで実施を強行する政府に対し、「その論理なら緊急事態宣言も東京アラートも必要なかったということにならないか」と指摘。

日本共産党の志位和夫委員長は、「いまこれを強行することが、感染拡大にどういう影響を及ぼすかを「考える」ことすらしないとは。目をつぶって崖に突進するようなものだ」と、キャンペーン延期を「全く考えていない」とする政府の方針を断罪した。

予算約1.7兆円が投じられるとあって、一般からも、

1兆7千億円もの予算は、感染防止策と観光・旅行業者、そして何より国民への直接支援に使うべき

そのお金、豪雨被災地の復興や医療支援に充てたらダメなの??

といった声が相次いだ。

修学旅行は中止なのに GoToキャンペーンて 全くわけがわからない

と、休校措置に続く修学旅行の中止で我慢を強いられ続ける子どもを気遣うツイートも多く見られた。

一方、大阪市の松井一郎市長は、14日の囲み取材で、キャンペーンについて問われ、「感染拡大の対策を講じた上でやるべき」と回答。吉村洋文大阪府知事と相談した上で、キャンペーン参加者に抗体検査を実施する可能性を示唆した。