ある時はこっちを、ある時はあっちを。:シェアリングエコノミー

2020年07月15日 16:00

ネット技術が発展し、様々なアプリが出て、モノや場所、スキルや時間などを共有する経済の形(シェアリングエコノミー)が進んできました。

これまでのシェアリングエコノミーは、個人と個人を繋ぐCtoC(consumer-to-consumer)が主流でした。すなわち遊休資産などを活用したい人と、それを使いたい人とのマッチングです。例えば民泊、アメリカ発のAirbnbが有名ですが、空いている家や部屋を貸したい人と、それを借りたい人を繋ぐサービスです。

また日本では、新型コロナウイルスによってウーバーイーツの利用が劇的に増えました。この場合は自分の自転車やバイク、それに自分の時間と体力を使って食べ物を運ぶ人と、食べ物を届けて欲しい人とのマッチングです。

さらに、中古品売買のメルカリでは、身の回りで不要になったものを売りたい人と、正規品や店舗で買うよりも安く買いたい人とのマッチングです。これらは全てCtoCですけれども、そのシェアリングエコノミーに、BtoB(Business to Business)、すなわち企業間取引が広がっています。例えば工場のシェアです。

同じような部品をA社やB社向けに製造する。これまでにも日本の中小企業でよくありました。ところが最近では同じ分野の製造だけではありません。

例えば新型コロナウイルスを受けて、東芝系列の電子部品工場が、新型コロナウイルスの検査キットを製造しています。電子部品を作る機械がそのまま医療分野のキットを作れるわけではなく、この場合は工場を貸し出している感じです。

精密さが問われる電子部品と清潔さが問われる医療用品、この双方にはホコリなどを遮断するクリーンルームが必要だから、クリーンルームを備えた工場は転用しやすかったということです。またカメラメーカのキヤノンでは、カメラに使うプラスチック製品ではなく、他分野で使うプラスチックの生産を目指した計画が進められているそうです。また日頃は衣料品製造をしている工場がマスク不足を補うためにマスク製造を開始したメーカのニュースも目にしました。私の知っているスーツ工場も医療現場で使う防護服を作っています。

工場というのは機械も含めて多額の設備投資が必要になりますから、繁忙期以外の時期に他のものを作るなど、そうした転用ができればやはりいいことですね。ましてや3Dプリンターがより進歩したら、もっとすごいことになるでしょうね。プリンターと聞けば、紙への印刷はわかりますよね。今話している3Dプリンターは立体的にプリントできる機械です。単一の原料で作る部品はすでに3Dプリンターで出力可能ですけれども、これからは複数の原料が混じっているもので立体的なものを製造することが可能になっていくでしょう。

3Dプリンターは、特定のものを作るためだけの金型や機械と違って汎用性がありますね。ですから、今は家電製品の工場や自動車部品の工場と分野ごと、製品ごとに工場がありますが、今後は共通の工場になるかもしれません。

これまで、人件費の安さを求めて日本の工場が海外に移転してきましたけれども、世界中どこでも同じ品質のものを機械が作り出す、プリントできるとなれば、それは日本にとって新たなチャンスになるかも知れません。また我々にとってみれば、例えば自分好みのスニーカーにちょっとデザインをワンポイント加えたりして発注すると、スニーカーとして出来上がってくるなんてこともあるでしょう。

まさに日進月歩の世界です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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