米大統領選:いま一番熱い争点は「学校再開」の是非

2020年07月16日 06:00

最新の世論調査で絶対的な共和党州であるテキサス州でさえも民主党の候補指名予定者ジョー・バイデンにリードを許すなど、大統領選再選に黄信号が灯るトランプ大統領が、「完全な形での学校再開」を選挙の争点にし始めた。

南部を中心に新型コロナウイルス感染の再拡大に歯止めがかからない中、アメリカでは来月に新学期を迎える州も多く、多くの有権者にとって、今の最大の関心事であり現実問題は、経済より、足元の「子どもの学校が再開されるのか」である。

増加する一方の感染者数に、100%対面授業を行う完全な形の学校再開に不安を抱える保護者や教職員が多い反面、リモートワークのできないサービス業従事者やオンライン授業を受けられる環境の整っていない低所得者層を中心に、早期の学校再開を望む声も根強い。

小児科医の意見も、感染のリスクから早期の学校再開に反対する声と、集団生活から切り離され自宅にこもり続けることの心身への悪影響を訴える声、真っ二つに別れている。

そうした中、

「腐敗したバイデンと民主党の連中は健康面でなく政治的な理由で新学期の学校再開に反対している。それが11月の選挙に有利だと考えているからだ」

とバイデンを攻撃するツイートを皮切りに、今月に入ってトランプ大統領は、立て続けに学校再開について投稿。

実際には連邦政府にそこまでの権限はないものの、「再開しなければ補助金をカットする」という脅し文句まで飛び出したことに、全米が猛反発。

一方、バイデンは、「学校再開には安全確保のための予算と政府からのサポートが必要」で、現状では、新学期もオンライン授業に頼らざるを得ないだろうというスタンス。

30年以上高校教師を勤めた妻のジル・バイデンは、教育現場の声を代弁する形で、トランプ大統領を激しく批判。教職員組合の会合では、「私の夫は(厳格すぎて金がかかりすぎるとトランプが切り捨てた)CDC(疾病予防管理センター)のガイドラインに沿った時期とやり方で安全な学校再開を目指す」と訴え、学校再開に反対の声をあげる教職員らにアピールした。

今週に入ってからも、今度は学校を再開する自治体には資金援助を増額すると言ってみたり、完全オンライン授業の続行を表明したロサンゼルスを痛烈に批判してみたり、学校再開が景気回復につながると信じて再選に向けて必死のキャンペーンを続けるトランプ陣営に対して、バイデンが

大統領閣下、「今全てを再開しろ」というのは、成功への戦略ではありません。ただのスローガンでしょう。

とツイッターで皮肉るなど、学校再開を争点に応酬が続いている。

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恩田 和
ライター、元全国紙記者

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