BANKSY展は横浜トリエンナーレと関係ないの?

2020年07月22日 06:00


横浜アソビルで開催されている「BANKSY展~天才か反逆者か」に小学5年生の娘と行ってきました。誰だかよくわからない覆面アーティスト、世界中で作品が忽然と描かれ・・・。

ストリートでもあり、室内でもあり、偽装の遊園地もつくる、世界一眺めの悪いホテルもつくる。理屈抜きで面白いと思っています。覆面アーティなのにどうやって作品を集めたのか、当人はこの展覧会をどのように捉えているのか・・・、考えれば考えるほど、枠組みも面白い。

ロンドンの地下鉄車両にマスクをしているネズミ、くしゃみをして飛沫を飛ばすネズミが描かれたというニュースが先日流れました。動画も公開されていて、清掃員のようないで立ちで、乗客を他の車両に移動させているシーンもありました。

現代アートなので、理解できる、出来ないは関係ない。好きか、嫌いか。気に入るか、気に入らない。そんな見方で良いと思うのです。僕なりの理解は、アートは考えるきっかけ、好き嫌いという個人の意思を明確にする訓練と受け止めています。

展覧会での僕の作品の見方は、まず全体を見回す。そして、自分が滞在できる時間と作品数、特にじっくり見たいと思った作品数を計算して、1つ1つの作品を見ていくのです。入場する際に「90分くらいかかります」と言われたけれど、とても90分では終わらない。

僕は、3時間、必要と計算したのです。でも、1時間半しか居れないので、その分、端折って見なくてはなりません。娘もいるので、今回はそれで丁度良いとも思ったのです。最初の作品からじっくりスタート。アプリをダウンロードして、解説を自分のスマホからイヤホンで聞く。今では、こうしたスタイルが当たり前となってきています。そして、作品の写真撮影も自由。正に、今どきの展覧会のスタイル。

僕が興味をもった作品の1つは2009年に描かれた「モンキー・パーラメント」(上記写真右側)。英国下院に猿の議員が集まり議論をしている風景です。映画「猿の惑星」を思い出し、また「議員は猿でも務まる」と思われないように、議員の自覚が何より求められる社会でないと・・・。批判からな何も生み出せないし、聞く耳を持たなければ進化はしない、議会で果たす役割は何かと改めて考えさせらます。

娘は、イエス様が十字架に貼り付けにされている両手にショッピングバックをいくつも持っている絵画作品に、一番興味を持ったようです。キリスト教の学校に通っていることもあるのでしょう。「何でショッピングバックを持っているか?」と聞かれましたが、「何でかな…、自分で考えてみてごらん」と返しました。他人の説明などいらないのです。自分がどう思うかが重要だからです。多量消費文化に対する嫌味だと僕は思いますが…。

興味を引く作品が多く、90分ではとても全部見れません。娘も楽しかったようで、「つまらないから帰ろう」とは言ってませんでした。僕自身は、もう一度、行こうと思っています。娘にもアートは、つまらない物ではないし、好きに見て、感じれば良いんだと理解してもらいたいと思っています。課外授業に行って、伝統的な作品展を見て、感想文を書く。愛好家でない限り、大人でも面白くないのに、子供に何かを感じてもらうのは無理があります。

美術は、入り口は、何だか面白いで十分なはずです。その意味では、横浜トリエンナーレと言う3年に1度の現代アート美術展は、何だかわからない、僕でも出来そう、触ってみたくなる、そんな受け止め方を出来る場所かもしれません。

7月17日から、横浜美術館を中心に、みなとみらい地区周辺で、横浜トリエンナーレが始まりました。僕が横浜市会議員1期目の時に、第1回が催されました。当時、僕はトリエンナーレの担当者で、歴史を重ね、いつかヴェネツィアビエンナーレのような美術展になれば、良いなと思っていました。

単にみなとみらい地区で行われているというだけでは、横浜全体が盛り上がらないので、18区で現代アートの何らかのイベントを行うように働きかけたものです。結局、僕が計画した、青葉区の「青葉トリエンナーレ」だけが、唯一地域で開催されたイベントでした。閑静な住宅街の中で野外展示イベントでした。

現代アートというなら、正にバンクシーは、現代アーティスト。そのバンクシーの作品展は、横浜駅に隣接するアソビルで開催されています。横浜トリエンナーレの作品ではありません。理由を知らないし、調べる気もありませんが、トリエンナーレに作品を出品して欲しかったと思います。

今を生きる人たちが、責任をもって自由に生き、自らの考えを主張する。そのきっかけをつくるのが現代アートだと思います。決められた枠で、上を見ることを諦めて、自分なりの幸せをつくる。僕はこうした思考が、日本の成長を妨げ、豊かさを失わせていると思っています。

バンクシー展に行って見て下さい。バンクシーは天才で反逆者ですよ。その中に何がヒントがあるかもしれませんよ!


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2020年7月21日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。

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福田 峰之
多摩大学客員教授、前内閣府副大臣、前衆議院議員

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