英語で政治経済を勉強しよう:言論の自由を巡る英米の大論争

2020年07月26日 06:00

[A Letter on Justice and Open Debate] (正義と開かれた議論に関する書簡)

本日のテキストは7月7日にアメリカの雑誌 HARPER’S MAGAZINE に153名の作家、ジャーナリスト、学者などが連名で投稿した

[A Letter on Justice and Open Debate] (正義と開かれた議論に関する書簡)

です。

近年の正義の名の下に様々な言論が炎上している現状に懸念を表する内容で、ハリーポッターシリーズの作者J・K・ローリングも153名の署名した一人でした。

この書簡が発表されるや否や「正義の実現」と「言論の自由」に関する議論が英米のマスコミなどで巻き起こりました。一種の「事件」だったのでwikipedia に早速解説ページが作られました。

英米のジャーナリストたちがこぞってtwitterなどで反応していたので、早晩日本のマスコミにも取り上げられて、この「書簡」も翻訳され日本でも言論と正義に関する議論が起きるかと思っていました。しかし一向に日本では話題にならないので、そろそろ取り上げようと思った次第です。

少し詳しく調べたらこちらの雑誌(アスティオン)のサイトで特別企画として取り上げており、翻訳も載せておりました。(ちなみに下記の太字の所が翻訳され忘れていました。)

But resistance must not be allowed to harden into its own brand of dogma or coercion—which right-wing demagogues are already exploiting.

この文章の難易度

タイトル含めて536語と長くはありませんが、いかんせん堅い内容で文章も単語も難易度は高めです。上記の翻訳も難しい熟語を多用しており難解な文章ですが、オリジナルも随分と難しい文章です。

しかしきっちりとした文章の特徴として各センテンスが単体でちゃんと意味を成しています。一度全文を通して読んだ後はセンテンス毎に区切って読んでいくと良いでしょう。難しい単語はどんどん調べていきましょう。

この文章で一番理解しにくいのが下記の一文です。

Editors are fired for running controversial pieces; books are withdrawn for alleged inauthenticity; journalists are barred from writing on certain topics; professors are investigated for quoting works of literature in class; a researcher is fired for circulating a peer-reviewed academic study; and the heads of organizations are ousted for what are sometimes just clumsy mistakes.

「正義」と「言論の自由」がぶつかり合っている例を6つ挙げていていますが、背景にある具体的な事案には詳しく触れていません。具体例に触れないと机上の空論になってしまいます。憂慮すべき具体的な事例があるはずなので、このような書簡が出されているのですが、読んでいる側の予備知識で具体例を想像できることが前提となっています。

本書簡に対する反論として160人の連名で書かれた

A More Specific Letter on Justice and Open Debate (より明確な正義と開かれた議論に関する書簡)

においても上記の6つを具体的な事例を明確にして議論すべきという立場を取っています。6つの例がどの事件と関連しているかを推測していますが、結局は実際はどの事件が参照されているかはわかりません。

ツイッター上でも6つの例がどの事件を指すのか推理する投稿があり、いくつか反論書簡と見解が違ってました。こちらも参考にしてみてください。

この「正義と開かれた議論に関する書簡」は海外で話題になっていますので原文を含めて読んでおいて損はないと思います。翻訳文も参考にしながら言論の自由などに関して皆様も考えてみてください。

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与謝野 信
ロスジェネ支援団体「パラダイムシフト」代表

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