政府「男の産休制度」創設へ!

2020年07月30日 06:00

子育て関連で、ビッグニュースが飛び込んできました!!

僕が、(株)ワーク・ライフバランスの小室淑恵( @worklifeb  )さんやmiracoの天野タエ( @Tae_Amano  )さんらとソーシャルアクションしてきた「男の産休制度」について、政府が創設する方針を固めたそうです!

以下、読売新聞より抜粋。

「政府は、男性の育児参加を促すため、妻の出産直後の夫を対象とした新たな休業制度を創設する方針を固めた。現在は母親にしか取得が認められていない産休制度の父親版と言える措置で、育児休業よりも休業中の給付金を手厚くし、家計の収入減を抑えることも検討している。政府は秋から制度設計に着手し、来年の通常国会に育児・介護休業法などの改正案を提出する方針だ。」(2020年7月26日)

僕らの話を真摯に聞いて、「男の産休」の必要性を訴えてくださった松川るい議員、和田義明議員、ありがとうございます!

男にも「産休」が必要な理由

男は子どもを出産することはないのに、なぜ「産休」が必要なのか?

これは、産後うつと深い関係があります。

産後うつとは、分娩後の数週間、ときには数か月後まで続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態を言い、出産した母親の10~15%が発症するそうです※1

2018年、厚生労働省研究班(主任研究者:国立成育医療研究センター・森臨太郎氏)※2が、

・2015~2016年に妊娠中や産後1年未満に死亡した妊産婦357例を調べたところ、死因の第1位は「自殺」で102 例

・うち、産後1年未満の自殺が92例

との衝撃的な数値を発表しました。

産後うつを引き起こしている要素として、分娩後にみられるホルモン濃度の急激な低下の他、「パートナーや家族からのサポートの不足」や「夫婦関係の問題、失業中のパートナー、経済的な問題、パートナーの不在などから生じるストレス」などが関与していると言われています※1

また、海外の研究※3・4でも、「パートナーが乳児のケアに関与しないことが、母親の産後うつと強く関係している」と結論付けるものがあります。

産後の母親が自ら命を絶ってしまう悲惨なケースを減らすには、産後うつを発症する人が多いと言われる出産直後から、父親(パートナー)が赤ちゃんのお世話をし、母親の心身の負担を軽くすることが不可欠です。

そのためにも、母親だけでなく父親も産休を取れるようにすることが重要です。

少子化対策としても有効

さらに、男の産休は、少子化対策としても有効です。

第2子以降をもうけるかどうかは、第1子の育児における夫の育児参画時間と相関していることを示す調査結果があります。

まず、厚生労働省のデータから、

休日、夫が全く家事・育児を行わない場合、第2子以降の子どもをもうける夫婦はたったの10%

・一方、夫が6時間以上家事・育児を行う場合、第2子以降の子どもをもうける夫婦は87%

ということがわかっています。

また、内閣府経済社会総合研究所のレポート「男性の育児休業取得が働き方、家事・育児参画、夫婦関係等に与える影響」※5では、以下のとおり報告されています。

タイミングとしては、「出産直後」や「妻の体調に合わせて」取得 をすること、そして、「休業中に長い時間家事・育児を行うこと」、「多くの種類の家事・ 育児を行うこと」の重要性も示された。」

配偶者の体調に合わせて育休を取得することで、本人の第 2 子以降の追加出生意欲が増加することも明らかとなった。出生後には妻の体調が優れないこともあるため、夫が家事・育児面でのサポートや情緒面でのサポートを提供することが、夫婦関係や夫にも影響を与えることが示される結果であった。さらには、休業中の家事・育児への積極的な取組が、夫婦関係満足度・追加出生意欲の向上につながる点もみられた。」

第2子以降ももうけようという意欲を持ってもらうためには、第1子出産直後の妻の体調が良くない時期に、夫が育児にしっかりコミットメントし、夫婦関係を良好に保つことが大事だということです。

そのためには、男の産休制度が必要なんです!

議員のみなさん、引き続きご支援お願いします!

出産直後の女性の身体はまさに満身創痍。

そんな身体で、初めて赤ちゃんと1対1で向き合い、授乳、おむつ替え、沐浴、寝かしつけなどをひたすら続けるのは本当に孤独でしんどいと思います。そんな状況じゃ、うつにもなるし、第2子のことなど考えられなくなるのもわかります。

母親の体調が一番つらい出産直後に、パートナーがずっと側にいて家事・育児をせっせと頑張ってくれたら、母親の心身の負担はかなり少なくなり、夫婦の絆も深まるのではないでしょうか。

フランスでは、実質上の「男の産休制度」があり、「出産有給休暇」が3日間、さらに「子どもの受け入れおよび父親休暇」が11日間で約2週間、男性が産休を取れます。2002年に始まったこの制度は、義務ではなく権利ですが、父親の約7割が産休を取得しているそうです※6。母親の入院中に父親も病院に寝泊まりし、看護師から抱っこの仕方や、おむつ替え、沐浴などを夫婦揃って教わるケースも多いのだそう※6

産後うつなどによる悲劇を防ぎ、少子化を食い止めるためには、日本でも「男の産休制度」を導入し、夫婦で一緒に育児のスタートを切ることが重要です。

議員のみなさん、今後とも推進よろしくお願いします!そしてこの動きをバックアップするためには世論の盛り上がりが必要なので、ぜひママパパのみならず、これから産休取りたいぜ、という男性諸氏も一緒に声をあげてもらえると嬉しいです!!

※1 MSDマニュアル家庭版「産後うつ病」
※2 国立成育医療研究センター「人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状」(2018年)
※3  N Séjourné , M BeauméV VaslotH Chabrol “Effect of paternity leave on maternal postpartum depression
※4 N. Séjourné ,V. Vaslot,M. Beaumé,N. Goutaudier &H. Chabrol
“The impact of paternity leave and paternal involvement in child care on maternal postpartum depression”
※5 内閣府経済社会総合研究所「男性の育児休業取得が働き方、家事・育児参画、夫婦関係等に与える影響 」
※6 Nikkei Style「男性も産休 フランスの男は2週間でパパになる」


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年7月29日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。

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駒崎 弘樹
認定NPO法人フローレンス代表理事

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