ぼーっとするな!日本政府も国民も!尖閣問題

昨日の産経新聞朝刊の一面トップの見出し、「中国、漁船群の尖閣領海侵入を予告 『日本に止める資格ない』」を見て、私は背筋が凍る思いがしました。そしていよいよ来たかと考えていました。

その記事によれば、今月16日に尖閣諸島の周辺で中国側が勝手に儲けている休漁期間が終わります。その後、尖閣周辺海域に大挙して中国から漁船がやってくる可能性があると書いています。ちなみに、中国側が予告してきたのが、先月7月の初旬と書いてあります。その時期とは、中国公船が尖閣周辺の領海に侵入して操業中の日本漁船1隻に接近し、39時間以上も領海にとどまった時期と一致します。日本の領海ですから当然ですが、日本の漁船には何ら問題がありません。しかし、中国海警がこの漁船を追っかけ回しました。

何度もブログで紹介していますが、中国かいう系は日本の海上保安庁に相当しているが、武装警察の一種で、習近平国家主席がトップを務める中央軍事委員会か、下部組織である「戦区」の指揮を受ける組織です。ですから、日本の海上保安庁はこの漁船が中国の海警に中国の海警に拿捕されたりしたら大変なことになりますから、この漁船を守り、その後送り返しました。日本の漁船がやっていることも海上保安庁も何ら問題ないのですが、この事に対して中国は漁船群を送ると報復を予告しています。

皆さん本当に本当にこれ深刻です。
中国の漁船が100隻、200隻と来たら日本の海保はどうするのでしょう。例によって「ここは日本の領海だから出ていけ」とアナウンスするけど、出ていかないわけですね。中国の漁船を海保が排除できるのか、数がいっぱい出てきたら、物理的に排除ができません。威嚇射撃などできるのかといえば、日本国憲法ではできません。他の国の領海でそんなことしたら、間違いなく銃撃戦になるでしょう。

私は今回のこの予告、「やれるもんならやってみろよ。どうせ、何にもできないでしょ」と中国の宣戦布告に聞こえます。

先日、アメリカのポンペオ国務長官が南シナ海での中国の主張は違法だという発言がありましたよね。そしてそのとき私が言ったのは、「尖閣諸島についても、アメリカに日本の領土であり中国の主張は違法だ」と言わせろと言ったんです。日本政府はやっているかな。

7月31日に発売された月刊正論という雑誌に、東海大学の海洋安全保障の専門家で私も親しくさせていただいている山田吉彦教授が、東シナ海は8月が危ないという論文が掲載されています。
この論文にはこう書かれています。

今、中国の浙江省から福建省にかけての沿岸部に、1万隻にも及ぶ漁船が集結している。

そしてさっきも言った中国が勝手に設定している休漁期間が終わったらそれを東シナ海に向けるというのが、この8月です。ちなみに漁船や漁民というとのどかに感じますが、日本国民が考えるそれとは違います。

中国の漁民というのは民兵であって、すなわち先兵、先乗りして海洋侵略に使う、南シナ海もそうやって島を取られてきました。ベトナムとフィリピンもそうやって島をとられてきたわけですが、皆さん平成24年(2012年)7月に台風の緊急避難として108隻が五島列島に押し寄せ、その後8月にも2回、100隻規模の船団が押し寄せたことを覚えていますか。

尖閣諸島に対するこうしたシナリオは、以前から言われてきましたので、いよいよ差し迫っていると言えます。
この事実を産経新聞以外のメディアは報じないのでしょうか、そして我が国はどうするのでしょうか。

私の考えでは今回、中国の漁船が大挙してやってきて中国の海警がそれを守るというのを見せつけるのだと思います。そうして、このエリアは中国の実効支配だということを見せつけるわけです。

二枚舌のアメリカは、この間も言ったように日本の領土とは認めていない。けれども施政下にあれば日米安保の対象だと言っている、そこで施政下は中国だと見せつけ世界に宣伝する。今回はそこまでかもしれませんが、次回は、そうした漁民の中から尖閣諸島に上陸するでしょうね。中国海警や郡はその漁民を守るという口実で一緒に上陸するも、日本は手出しできません。

いや本当に考えたくない、見たくない、信じたくないことですが、このままだと本当にそうなっていきます。
急げ、安倍政権。これまでのトランプ大統領とのパイプを生かして、アメリカに日本の領土だと認めさせて、共に行動するということを世界に発信するべきです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。