今、マスクの転売規制を解除する必要があるのか!?

加藤勝信厚生労働大臣が、マスクの転売規制を解除する方針を打ち出しました。
国民生活安定緊急措置法第26条第1項に基づく、譲渡の制限措置として、3月15日からマスクが、5月には消毒用アルコール製品なども転売禁止になりました。
取得価格を超えて転売すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるようになっています。

なぜ政府が転売禁止にしたのか、当然ですけれども新型コロナウイルスが流行ったからです。マスクはドラッグストアやディスカウントストアに行っても売り切れが続き、買えない状態になりました。一気に需要が増えたことと、中国が日本からの発注で生産されたにもかかわらず、それを自国で抑えて輸出しなくなったからです。確かに最近では、ドラッグストアでもマスクは売られるようになって来ました。先週の土曜日、私の家の近くではお一人様一点限りで販売していました。

加藤大臣は、転売禁止解除の理由について、「需給の逼迫(ひっぱく)が解消されれば、解除すべき性質のものだ」と説明していました。一方で、「高額転売が横行すれば、転売規制の再実施を検討する」とも発言しています。そうは言っても、転売屋とも称される、人の足元を見て高く売る輩は、マスクが足りなくなれば直ちに高額で売り出しますけれども、国のそレに対して迅速には動けないし動いたためしがありません。みんなが困ってからおっとりと規制するというのがいつもの国の動きです。さらに、加藤大臣が言っている“需給バランスの安定”は中国産のマスクの話であって国産マスクは今もって品薄状態で、価格も高止まりしています。政府が規制を解除するということは、転売やっていいですよ、転売可能ですよという意味でもあるわけです。だから、「国産マスク売ります」というような転売が増えることも考えられます。

ネット上では、「お役人さん、悪質業者に何かもらってるのか?」「なんで政府はこういうことだけ超迅速に動くの??」というツイートが出回っていますし、「政府は転売屋の味方なんだね!」「アベノマスクを拒否した国民への報復でアベノマスクを使わせる気じゃないのか」といううがった見方まで出ています。私は、マスクの瞬間的な需給バランスを目安に規制を解除するのではなく、新型コロナが一定の収束を迎えるまで継続するべきだと思うんです。だいたいマスクの転売規制で困っているのは、転売する人だけですよ。

ちなみに我が家はマスクの在庫を持つようにしています。他の人が困りますからね一度にどさっと買うということはしないようにしていますけれども、コツコツと少しずつ買い足すようにしています。それに布マスクも使うようになりました。アベノマスクは寄付しましたけれども・・・・。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年8月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。