日本は国家を賭けて韓国と対峙せよ ―奇天烈な条約解釈による徴用工・慰安婦問題―

2020年08月13日 06:00

会長・政治評論家  屋山太郎

日韓間で争われた徴用工訴訟で韓国の裁判所は見当違いの判決を出した。これをもとに韓国は新日本住金(現・日本製鉄)の資産を処分し、現金化するという。日本側はそもそも条約違反の判決だから、判決自体を認めないという立場。国際的に権威がある常設仲裁裁判所の解釈を仰ごうと申し出ても反対。国内の裁判所に判断を仰いだ。まともな国なら条約に定めてあることなら「書いてある通りにやりなさい」でおしまいである。それが奇天烈な韓国の条約解釈によって両国は対立の極みにある。

最高裁勝訴に沸く元徴用工の原告側(KBSより:編集部)

この条約とは1965年に日韓間で締結された日韓基本条約である。条約は2つの重大な事項をまとめている。日本に併合されていた36年間の日韓の財産を差し引き換算するのは省いて、日本が韓国に無償3億ドル、有償2億ドル、計5億ドル支払ってケリをつける。年金支払いや給与の未払いの清算は韓国政府が始末する。先の5億ドルのうち2億ドルは人件費支払いのために日本が被ったものである。要するに日韓はこの5億ドルで両国の交錯する関係を全部チャラにしようというのが条約の趣旨だ。

5億ドルを受け取ったのは当時の大統領・朴正煕だが、彼は民生向けの補償にはほとんど使わず、貰った5億ドルで徹底した公共事業と製鉄所の建設を行った。公共事業に当たって朴大統領が「みんなのお金を使って道路や工場を作るからね」と断ってくれれば韓国民も我慢したかもしれない。

しかし大衆は「なにもくれない」と分かってから時の政府にねだり始める。それも条文に書いてない項目を取り出す。「強制連行」「慰安婦」といった項目だ。条約はこういう事案を一切合切含めて5億ドルを支払っている。並みの国なら、強制的に重い仕事をさせられたと認定されたら、年金に上積みするような手を打つだろう。裁判所は訴え出た案件を見て政府に「この人物について手厚く面倒を見ろ」というような判定を出してもおかしくない。

ところが韓国の裁判所が出した判決文は「政府はその金を日本政府から取れ」というのである。日本が応じないというので、今回は押さえた日本製鉄の株式を現金化するというのだ。日本は「それをやれば制裁を加える」と言っているから、半導体関連の部品の一斉を禁輸する可能性がある。あるいは入国制限に踏み切るかもしれない。

この他に「慰安婦問題で金を払え」と言ってもいたが虐待された慰安婦の証拠はない。もともと慰安婦問題は戦後40年ほど無かった。それがあたかも“史実”であるかのように浮かび上がったのは吉田清治という大ウソツキが『私の戦争犯罪・朝鮮人連行』という自伝を書き、それを朝日新聞が宣伝したからだ。朝日が「事実はなかった」と16回にわたる記事を2014年に取り消したが、32年間ウソが世界を横行したのである。

(令和2年8月12日付静岡新聞『論壇』より転載)

屋山 太郎(ややま たろう)
1932(昭和7)年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、解説委員兼編集委員などを歴任。1981年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。1987年に退社し、現在政治評論家。著書に『安倍外交で日本は強くなる』など多数。


編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2020年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

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