福祉の枠を超えていく「超短時間雇用」

2020年08月15日 06:00

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)無所属
東京みらい おくざわ高広です。

先日は、「誰もが自分らしくワクワクする人生」を送ることのできる社会を目指し、「不自由を解消する事業を通じて、今までにない価値と機会を切り拓く」株式会社ゼネラルパートナーズさんより超短時間雇用の取組についてお話を伺いました。

すでに同僚の森沢きょうこ議員もブログで書いていますが、

「超短時間雇用」というあり方。

超短時間雇用とは、東京大学 先端科学技術研究センター 人間支援工学分野 准教授 近藤武夫さんが提唱し、業務を切り出し、週15分~1時間の雇用によって、障害者就労の拡大を狙うものです。

作・おかっぱ/イラストAC

神戸市、川崎市、渋谷区が実証実験的に導入しており、川崎市の報告書には、雇用側も就労側もどちらにとっても喜ばしい変化が起きていることが記載されています。

近藤准教授の目指す先には、「働く」ということ自体の価値を変え、お互いの尊厳を認め合いながら、誰もがともに暮らしていける社会があるようで、私の目指す「誰もが生まれてきて良かったと思える社会」に通じるものがあります。

近藤准教授をゲストにお呼びしての勉強会も準備中なので、お話しできる機会が楽しみです。

さて、今回ゼネラルパートナーズさんの実践をお伺いして「なるほど!」と思ったのが以下の2点です。

①導入している企業は零細企業!

②就労時間は週20時間未満!

この2点、厚生労働省が定める法定雇用率を前提としていないということです。

法定雇用率とは、日本の障害者雇用を進めようと定められた制度で、

①従業員数45.5人以上の企業が対象となり、

②障害者を週30時間以上雇用(20時間~30時間は0.5とカウント)してください、というものです。

もちろん、障害者雇用を進めるという意味では意義ある取り組みであるとは思いますが、現実として、都内の中小企業では法定雇用率を達成している企業は3割~4割程度にとどまっています。

この背景には、障害者は一人ひとり特性があり、できることが違うことが考えられていなかったり、雇用する側が何をお願いしたいか(業務の切り出し)をする前に数値目標ありきで進んでしまっていることが考えられます。

東京都では、特区制度を活用して、複数企業で有限責任会社を設立し、全体で障害者雇用率のカウントを行う制度がスタートしましたが、これは、現在の法定雇用率に基づく制度をベースにしているため、零細企業の参入や時間にしばられない働き方を進めることにはつながりません。

一方、神戸市の垂水商店街では社会福祉法人が中心となり、商店街全体を一つの会社に見立て、零細企業の方々から業務を切り出し、障害者就労を促進する取組をしており、一人ひとりができること(雇用側がお願いしたいこと)を(制度にしばられず)できる時間でやるということで、お互いの良い関係性を生み出しているようです。

現在の法定雇用率に基づく制度で、たしかに障害者雇用は拡大してきました。

しかし、本当の意味で障害のある方もない方も、ともに自分らしく働き、暮らしていく社会に向かっていくものかといえば、必ずしもそうではないと私は考えています。

超短時間雇用では、コンビニの商品陳列を仕事にした方が、自信とやる気をふくらませ、今ではレジ打ちもするようになっているという事例もあるそうです。

福祉の枠を超えていく、それは、福祉の対象とされている人たちの可能性を最大限引き出すための、新たな制度作りと言い換えられるのかもしれません。

引き続き、誰もが生まれてきて良かったと思える社会を目指して取り組んでいきます。

お忙しい中、意見交換の場をご用意くださったゼネラルパートナーズの皆さん、ありがとうございました。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年8月14日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。

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奥澤 高広
東京都議会議員(町田市選出、無所属 東京みらい)

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