娘と息子の留学明暗

田中 紀子

写真AC:編集部

7/6にトランプ政権が「受講する授業がすべてオンラインの留学生に学生ビザを発給しない」という措置を発表し、ハーバードやMITといった米国の名門大学が猛抗議をし、この措置は7/14に撤回されました。

実は、我が家の息子、今年から米国の某州立大学に入学することが決まっていたんですね。ところが5月には現地の大学で留学前の語学スクールに入学予定だったのに、このコロナで足止め。語学スクールはオンラインとなったんですね。

「このままではうちの息子はプー太郎か?」と思っていた矢先のトランプ発言・・・お先真っ暗・・・と思っていたら、ハーバードとMITの猛抗議。

偉いぞハーバード! MIT!と応援してたら、この度本当に急遽留学ビザがおりることになったんです。そして17日に米国大使館で面接を受け、無事学生VISAが貰え、本日出発しました。

写真AC:編集部

授業は8/24からとのことですが、到着しても2週間は隔離されるとのことなので、恐らくオンライン授業になるんでしょうね。学生寮での生活になりますから、感染対策は万全にしなくてはなりませんけど、行ってしまえば様々な国の方と体験や交流はできるはず。授業は対面もあるようですし、とりあえずホッとしています。

見送った私は、ちょっぴり淋しかったですが、息子はそんなセンチメンタルな気配など1ミリも見せずに、同じ大学に留学する美しい少女と楽しそうに話しながら、手を振る母を振り返りもせずにゲートに入っていきました。あぁ青春って残酷・・・w

一方、娘の方ですが、こちらは日本の大学に入学し現在2年生。息子とは年子です。そして娘がこの大学に入学した決め手は、2年時に全員1年間の留学と卒業の条件はTOEIC900点以上の義務付けというものだったんですね。

ところが娘の方は大学が早々に「今年の現地への留学は来年2月から5カ月間のみ」と決めたんです。え~! ちょっとちょっと~! それめっちゃ雑じゃん?

確かに当初予定していたオーストラリアはロックダウンで現在もダメですけど、他国にも提携校があるわけですよ。実際、息子は行けたんだから、きめ細かい対応をすれば絶対行けるチャンスはあったと思うんですよね。

でも、まぁ百歩譲ってそれは仕方がないにせよ、腹が立つのはですね

「現地に行くのは2月ですが、現地大学のオンライン授業は8月から予定通りやります。なので留学費用も従来通りのまま(数百万円)です!」って請求が来たんですよ。

「えぇ~! そりゃないでしょうよ」って思いません? 留学なんて現地に行くと行かないとじゃ大違い。オンライン授業だけならですよ、ハーバード、MIT、スタンフォード大学なんか既に無料で講義を公開してるじゃないですか~。それで充分だ! と思う訳ですよ。ってかそれはついていけないのかもしれませんが・・・涙。

しかもですよ、明日から現地大学のオンライン授業になり、日本の入学した大学の方の授業は一切受けないのに、こっちの授業料も1年分払うんですよ! その上、前期は全てオンラインで1日も登校せず。

本当に今の大学生は可哀想すぎるし、折角の学習機会が大きく失われています。何よりもそれでも学費が1円も下がらない親も可哀想すぎる~!

大学ぼったくりすぎじゃありません?(泣)。

その上ですよ、毎年1年の留学があったからこそ、TOEIC900点を皆さんクリアされてると思うんですよね。いや、そりゃあ頑張ればいいのかもしれないですけどね、うちの娘なんか実に平凡な頭の持ち主ですからね。これじゃあ卒業すら危ぶまれる・・・

留学が短縮された時の学校側の言い訳に、「これまでの年代の学生と差が出ないよう、充分フォローアップする。」と言って、留学費を丸っとふんだくっていったんですけど、今の所一切そのフォローアップもなし。

米国の大学の留学生のフォローと、日本の大学の留学生のフォロー。月とすっぽんだと思います。

行ける! となったらタイミングを逃さず、わずか数日の間に「今のうちに準備して急いで来い!」と言ってくれた米国の大学。

何の根拠もなく「来年2月からにします」とその頃コロナがどうなっているかなど誰にもわからないのに、情勢を見極めもせず適当に出発日を決めて、金だけは1銭もまけない日本の大学。日本の教育は大丈夫なのか?と疑問に思います。

それにしても親のすねは細りっぱなし。我が家は、ギャンブルで火の車だった時代よりさらにデカイ借金を背負いました。しかもこの投資は「一発逆転」なんてまず絶対にないわけですからね。

大丈夫か?返せるのか?ただでさえコロナで大変なのに・・・
あぁ憂鬱です。